🌸🌸母の日の思い出🌸🌸
上司の町丸さんにあいさつだけして帰るつもりだったのに、
僕は閉園までお袋を案内することになってしまいました。
しかも町丸さんは、
「今日の晩ご飯は、東京ディズニーランドで唯一和食が食べられるレストランを
香取くんが予約してくれたらしいですよ」
とまで言うんです。
僕は「してねえ、してねえ」と思ってました(笑)。
そしてニコニコしていた町丸さんが僕の耳元でそっと言いました。
「お前わかってるだろうな。必ず最後まで案内しろよ。
でなきゃクビだぞ」と。
もう腹をくくるしかありません。
その上、
「お母さん、せっかくだから写真を撮りましょう。
カメラ持ってませんか?」
と町丸さんが言うんです。
「カメラは持ってくるな」とあれほど言ったのに、
うちの母ちゃん、満面の笑顔で、
「あります」と(笑)。
結局、シンデレラ城をバックに、お袋と2人で写真を撮ってもらいました。
毎年、母の日が近くなると、お袋はいつもそのディズニーランドで撮った写真を出してくるんのでたまりません(笑)。
閉園後、また単車の後にお袋を乗せて帰ったんですが、
信号待ちのときお袋が僕に言ったんです。
「貴信ありがとう。
母ちゃんな、あんたはこんなふうにして母ちゃんを招待してくるくれるなんて夢にも思わなかった。
うれしかった。
本当にありがとね、ありがとね」と。
声を聞けばわかります、泣いているんです。
なんだか僕も泣いちゃういそうだったので、
「うるせえ、黙っとけ!」って強がってました。
うちの父親は僕が小さい頃に亡くなっているので、
お盆や正月に親戚が集まると、やっぱりお袋が親戚中の矢面に立ちます。
僕の素行が原因なんで、僕が責められるのはいいんですが、
お袋があれこれ言われるのを聞くのがつらかったですで。
でも、その母の日の一件以来、
お袋は胸を張って言います。
「ディズニーランドで、あの子は素晴らしい人たちに出会っている。
たしかに今はフリーターだけど、貴信は変わろうとしている。
あの子は転職を得て頑張ってるんだ」と。
お袋と2人でディズニーランドに行ったのは、そのたった1回きりです。
それでも、それをずっと覚えていてくれて、
今でも
「初めて貰った給料で連れて行ってくれたね。
本当にうれしかった」
と話してくれます。
そこで「本当の喜びとは何か」ということが
初めて分かった気がしました。
それは自分が関わっていることを通して、
大切な人が心から喜んでくれることです。
その姿を見られるのが何よりも嬉しかったです。
ですからその時初めて、
「この仕事をしてやってよかった。選んでよかった」
と思えました。
無理やりでしたが、あのとち町丸さんに、
ああいう形で親孝行させてもらってよかったと思います。
(「みやざき中央新聞」香取貴信さんより)
上司の町丸さんにあいさつだけして帰るつもりだったのに、
僕は閉園までお袋を案内することになってしまいました。
しかも町丸さんは、
「今日の晩ご飯は、東京ディズニーランドで唯一和食が食べられるレストランを
香取くんが予約してくれたらしいですよ」
とまで言うんです。
僕は「してねえ、してねえ」と思ってました(笑)。
そしてニコニコしていた町丸さんが僕の耳元でそっと言いました。
「お前わかってるだろうな。必ず最後まで案内しろよ。
でなきゃクビだぞ」と。
もう腹をくくるしかありません。
その上、
「お母さん、せっかくだから写真を撮りましょう。
カメラ持ってませんか?」
と町丸さんが言うんです。
「カメラは持ってくるな」とあれほど言ったのに、
うちの母ちゃん、満面の笑顔で、
「あります」と(笑)。
結局、シンデレラ城をバックに、お袋と2人で写真を撮ってもらいました。
毎年、母の日が近くなると、お袋はいつもそのディズニーランドで撮った写真を出してくるんのでたまりません(笑)。
閉園後、また単車の後にお袋を乗せて帰ったんですが、
信号待ちのときお袋が僕に言ったんです。
「貴信ありがとう。
母ちゃんな、あんたはこんなふうにして母ちゃんを招待してくるくれるなんて夢にも思わなかった。
うれしかった。
本当にありがとね、ありがとね」と。
声を聞けばわかります、泣いているんです。
なんだか僕も泣いちゃういそうだったので、
「うるせえ、黙っとけ!」って強がってました。
うちの父親は僕が小さい頃に亡くなっているので、
お盆や正月に親戚が集まると、やっぱりお袋が親戚中の矢面に立ちます。
僕の素行が原因なんで、僕が責められるのはいいんですが、
お袋があれこれ言われるのを聞くのがつらかったですで。
でも、その母の日の一件以来、
お袋は胸を張って言います。
「ディズニーランドで、あの子は素晴らしい人たちに出会っている。
たしかに今はフリーターだけど、貴信は変わろうとしている。
あの子は転職を得て頑張ってるんだ」と。
お袋と2人でディズニーランドに行ったのは、そのたった1回きりです。
それでも、それをずっと覚えていてくれて、
今でも
「初めて貰った給料で連れて行ってくれたね。
本当にうれしかった」
と話してくれます。
そこで「本当の喜びとは何か」ということが
初めて分かった気がしました。
それは自分が関わっていることを通して、
大切な人が心から喜んでくれることです。
その姿を見られるのが何よりも嬉しかったです。
ですからその時初めて、
「この仕事をしてやってよかった。選んでよかった」
と思えました。
無理やりでしたが、あのとち町丸さんに、
ああいう形で親孝行させてもらってよかったと思います。
(「みやざき中央新聞」香取貴信さんより)
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