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オノマトペ

2017-05-21 10:35:42 | お話
🎵🎵オノマトペ🎵🎵


先月、タレントの武田鉄矢さんがラジオ番組で「オノマトペ」について語っていた。

最近よく耳にするようになった言葉だ。

「子供がげらげら笑っている」

「雨がしとしと降っている」

「締切ぎりぎりまで待つ」

「不審者がうろうろしている」

「最近いらいらしている」

等々、

日本語の世界では擬音語、擬態語と呼ばれるものである。

言語学者の故・金田一春彦氏はさらに細かく擬声語、擬容語、擬情語を加えて、「オノマトペ」を5つに分けている。

「げらげら」や「わんわん」など人や動物の声は擬声語、

「しとしと」や「ざあざあ」など自然界や無生物の音は擬音語、

そして音ではなく動きや状態を表すもののうち無生物の状態を表す

「ぎりぎり」や「びしょびしょ」などは擬態語、

「うろうろ」「よちよち」など人や動物の状態を表すものを擬容語、

さらに人の心理状態や感覚を表すもの、

たとえば「わくわく」「いらいら」などは擬情語なのだそうだ。

この「オノマトペ」と呼ばれる言語は、フランス語には約600語、英語には約1,000語あるのに対し、

日本語には約5,000語もあるという。

こういう表現を編み出した先人たちの感性の豊かさに感心せずにはいられない。

おかげで私たちはイメージで通じ合うことができるし、感覚を共有することができる。

たとえば、胃の痛みが「きりきり」なのか「ちくちく」なのか、

触った感じが「さらさら」なのか「ざらざら」なのか、

笑った感じは「にやにや」なのか「にこにこ」なのか、

その違いを私たちは誰に教えられたわけでもなく、
いつの間にか自然に使い分けている。

これらオノマトペだけでもう十分日本語の表現の深さや豊かさを感じられるのだが、

それに輪をかけて人間味溢れる日本人独特の表現がある。

年に1回発行される小冊子『抜萃のつづり』(熊平製作所)平成29年度版にそれを見つけた。

作家・村松友視さんが北海道で聞く耳にした、ステキなその表現をエッセイに綴っていたのだ。

それは

「いやいやいや」

「いや」という言葉は1つや2つだったら否定語になる。

ところが。3つ4つ連続して使うと、「多様な意味合いを含むあいさつになる」と松村さんは言う。

かつて、松村さんは仕事で頻繁に札幌に通っていた。

そして夜の酒宴を何より楽しみにしていた。

仲間たちの三々五々集まってくる。

座敷に現れるや否や、

「いやいやいや」

と言いながら席に着く人がいれば、

その人を

「いやいやいや」

と言いながら迎える人がいて、

会場は和やかな雰囲気に包まれるというのだ。

遅れてきた人の「いやいやいや」には、

「出掛けに電話が掛かってきてさ」

とか

「仕事がなかなか終わらなくてさ」

などの言い訳が込められ、

迎える人の「いやいやいや」には、

「先に飲んでいたから気にしなくていいべさ」

とか

「久しぶりだな」

などの気持ちが込められている。

東北の「どもどもども」や「まずまずまず」も似たよな言葉らしい。

中高年の女性だとこれが「まあまあまあ」や「あらあらあら」になる。

「お元気そうね」

「相変わらず若く、お綺麗ね」

などの意味合いが含まれている。

「擬態語とも擬音語ともつかぬこれらの言葉は、年を重ねるうち、

いつともなく身に付く『声づかい』のワザではないか」

と松村さんは考える。

確かに子供や若者は使わない。

データや絵文字がネット上で飛び交う時代にあって、

誰かにイメージや感じ方や気持ちを伝えるときには、

オノマトペや「いやいやいや」のような、ふんわりした言葉が心の距離を近づけるのに大きな力を発揮する。

そんな言葉をたくさん身に付けておきたいものだ。


(「みやざき中央新聞」H29.5.15 水谷さんより)

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