浜松餃子・御三家の一角「むつぎく」
JR浜松駅の南口から徒歩3分ほど。駅南大通りの南側にある「むつぎく」へ。こちらは昭和37年創業の浜松餃子の老舗で、石松、福みつと並び御三家の一つと評される人気店だ。昼営業は11時半からだが、開店30分前には軒先に列が出来始める。以前は駅北側の繁華街・千歳町で営業していたが、2011年6月にコチラに移転した。
なお、浜松餃子の唯一の定義は「3年以上浜松に在住して、浜松市内で製造されている事」だそうだ。餡には一般的な白菜やニラではなく、浜松周辺で生産が盛んなキャベツ、玉ネギ、豚肉が使われることが多い。また、フライパンで円形に並べて焼き、中心の空洞部に茹でモヤシを添えたビジュアルもお馴染みである。
「むつぎく」では、餃子は小(8個・480円)、中(12個・720円)、大(16個・960円)、特大(20個・1200円)の4段階が用意されている。同料金でテイクアウトも可能だ。また、醤油、塩、味噌、ピリ辛と4種のラーメンもラインナップ。餃子1皿に単品でライスや味噌汁を付けるも良し、餃子とライスとラーメンのセットを選ぶも良しである。
ほか、味噌ダレで味付けされたホルモン焼や豚焼肉も旨そう。行列時の追加注文は1回のみとあってチョイスはミスれない。お得なセットメニューもいいが、やはり浜松まで来たのだから円形の盛りを見たい。今回は3人連れだったので、各人「ラーメン」を一杯ずつ啜り、「餃子 大16個」と「ホルモン焼き」をシェアすることに。
まずは円形に焼かれた餃子が到着。一見すると結構なボリューム感だが、餡は豚肉も入っているが野菜中心なのでライトな食感だ。野菜の甘味もあって絶品だ。箸が止まらず、どんどん胃袋へと消えてゆく。卓上には餃子ダレ、辣油、胡椒。酢が見当たらないがご心配なく。餃子ダレには酸味が含まれているのである。
浜松餃子は現地の数店舗で食べたが、その中でも「むつぎく」はタレが旨いなぁ。タレに酢が馴染んでいるので、ツンとくる嫌な酸味がなく旨味も十分。気付くと、先客の中には20個入りの「特」大を1人1皿オーダーしている方もチラホラ。聞くと、浜松餃子はアッサリしているので、普段の1.5倍の個数を頼んで丁度良いそうだ。
続いては「ホルモン焼」を。こちらはモツ肉を八丁味噌がベースの甘めのタレで味付けしたもの。モツ肉は嫌な臭みはなく、適度に脂が付いていて旨い。思わずライスが欲しくなってしまう濃い目の味付け。付け合せのキャベツがあっという間になくなってしまった。豚ロース肉の味噌焼き「豚焼肉」も旨そうだったな。
さて、最後は醤油味の「ラーメン」を。餃子専門店とはいえ、流石は人気店。鶏ガラベースの醤油清湯は旨味たっぷり。ゆるくウェーブのかかった中細麺もスープによく合っている。赤身がメインのチャーシューも獣臭なく良い味だ。ほか、メンマ、蒲鉾、ワカメ、海苔、小口ネギが乗る。浜松餃子御三家のひとつ「むつぎく」。駅近なので一度ぜひ。
<店舗データ>
【店名】 むつぎく
【住所】 静岡県浜松市中区砂山町356-5
【最寄】 東海道新幹線「浜松駅」南口徒歩3分