河南省名物のラム肉麺を気軽に上野で
JR上野駅の不忍口から歩いて3分ほど。上野中通り商店街と中央通りをつなぐ路地で2022年12月から営業する「牛魔王」へ。コチラは河南省出身の王冰氏夫妻が切り盛りする、いわゆる「ガチ中華」な料理店だ。中華文明発祥の地・河南省の名物「燴麺=フイメン」をはじめ牛肉麺、羊肉を使った料理などを楽しむ事が出来る。
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店舗は居酒屋が多数入居する雑居ビルの地下1階に。階段を降りドアをくぐると店内はカウンター15席と4人掛けテーブル5卓の計35席。メニューは多岐に渡るが、ほとんどが写真付きで掲載されているので、私のような初心者でも安心である。その中でも特に麺類のラインナップは多岐に渡り、どれを頼むかしばし悩んでしまう。
メニュー筆頭は屋号を冠した「牛魔王牛肉ラーメン」だが、他に河南ラム肉チャングオ麺、ラム肉炒め、チャンポン麺、ジャージャン麺、ラム肉麺炒め、冷やし牛肉麺、担々麺、酸辣湯麺、麻婆麺、カニ玉あんかけ麺、牛魔王海鮮ラーメン、五目焼きそば、チャーシューメン、トマトあんかけ麺、油かけ麺など様々用意している。
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前菜には豚足、鶏足、砂肝和え、クラゲ、干豆腐、棒棒鶏、中華風腸詰、チャーシュー、ピータン、蒸し鶏肉の葱ソースなど。また鶏、牛、豚、ホルモン、ラム肉、空芯菜、青梗菜など各種炒め物や、若鶏唐揚げ、麻婆豆腐、スペアリブ、魚の煮付け、エビチリ、酢豚、焼き餃子、水餃子など酒が進みそうな料理も多数。
マーラー手羽先や五目おこげなんかも旨そうだ。さらにチャーハン、天津丼、中華丼、麻婆茄子丼、麻婆豆腐丼 北京式海鮮あんかけご飯、野菜と豚角煮かけご飯などの飯モノや、フカヒレスープ、細切り豚肉スープ、サンラータンなどスープ類もある。まずは前哨戦。ビール(550円)と「蒸し鶏肉の葱ソース(800円)」を頂こう。
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脂身のしっかり付いた鶏モモ肉に醤油と油のタレを絡めている。少々タレの塩味が強めだが、キュウリと刻みネギで旨く中和され酒が進む味付けだ。準備運動も終わったところでいよいよお楽しみの麺だが、牛と羊で迷った結果、今回は羊に軍配が上がり「河南ラム肉チャングオ麺(1100円)」をオーダーすることに。
看板にもある通り、こちらの麺は屋号「牛魔王」の由来となった体格の良いご主人が、オーダーを受けてから全て手打ちしている。さっそく厨房からはバダンバダンと快音が聞こえてきた。待つこと8分ほどで着丼。ちなみに「チャングオ(炝锅)」とは炒めた具材や調味料を煮立てて、そこに麺を入れる調理法のことだそうだ。
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羊独特の香りが立ち上るスープは羊骨などを煮込んだ塩白湯で、旨味はしっかり出ているがスッキリした味わいに仕上がっている。そこにご主人が手打ちした厚みあり幅広の麺が泳ぐ。玉を板に打ち付けて伸ばしたような形状で、モッチリしておりスープとの相性も抜群である。やはり中国の麺料理は麺が主役だなぁ。
手打ちゆえの不揃いな食感も魅力だ。そして具材はラム肉、パクチー、青梗菜、干豆腐、昆布の細切り、刻みネギがトッピングされる。卓上には自家製の辣油と鎮江香酢があるのでお好みで味調整を。最後まで美味しく頂いた。どの料理も量が多そうなので複数人で訪れると様々楽しめるだろう。次は牛肉麺を啜ってみたい。
<店舗データ>
【店名】 牛魔王
【住所】 東京都台東区上野4-8-9
【最寄】 JR山手線「上野駅」不忍口徒歩3分