老舗「萬福」で昭和の銀座の残り香を
都営浅草線・東銀座駅より徒歩2分。木挽町中通りの一角で営業する老舗「萬福」へ。創業年は記録にないそうだが、大正時代に屋台からスタート。現在の場所に店舗を構えたのは昭和4年だそうだ。いまの店舗は、2003年に改築された新しい建物だが、威厳ある看板、モダンな窓、色付きガラスなどに創業当時の雰囲気を残している。
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初代が西洋料理の出身だったこともあり、戦前は昭和初期に流行していた西支料理=洋食と中華を両方提供する店として営業。その後、時代の流れに合わせ中華のウエイトが大きくなっていったと言う。メニューにケチャップ味の焼飯「ポークライス」があるのも、その名残だ。現在は3代目の久保英恭氏が初代の味を守っている。
麺メニューは醤油清湯の「中華そば」を筆頭に、もやしそば、タンメン、チャシュウメン、つけ麺、冷やし中華などを提供。また、餃子や焼飯、先述のポークライスも人気だ。ランチタイムはレバニラ炒め、麻婆豆腐、エビ玉などの定食もラインナップ。今回は中華そばをベースにした「ワンタンメン(870円)」をオーダーした。
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スープは豚骨や節、野菜を丁寧に炊いた清湯に、甘すぎない醤油のカエシが効いた、スッキリとした飲み口。そこにコシのある中細縮れ麺が泳ぐ。チャシュウは流石、良い肉を使っている。餡がほぼ入っていないワンタンも、皮の食感だけで十分に楽しめる。三角にカットされた黄色い薄焼き卵に、西支料理時代のセンスが光る。
ホウレンソウもメンマも丁寧に調理されていて、派手さこそ無いが、磨き上げられているのがよくわかる。何かが勝ち過ぎる事なく、調和の保たれた一杯だ。ふと横の席に目をやると、美味そうな冷やし中華が。暑い日の昼下がりは冷たいメニューも良いなぁ。餃子、ビール、冷やし中華・・・最高だ。銀座の粋を感じられる萬福。ぜひ一度。
<店舗データ>
【店名】 萬福(まんぷく)
【住所】 東京都中央区銀座2-13-13
【最寄】 都営地下鉄浅草線「東銀座駅」徒歩2分