宇都宮の魚介の魔術師が紡ぐ絶品鯛らーめん
東武宇都宮駅から南東方向に歩いて8分ほど。宇都宮市役所そば、市役所前通りから路地を北に少し入った所にある人気店「らあめん厨房 どる屋」へ。ご主人の落合泰知氏は栃木県鹿沼市のご出身で、実家は中華料理店だそう。服部栄養専門学校を卒業後、千葉県の中国料理店での修業などを経て1996年6月に独立創業した。
1999年に新横浜ラーメン博物館主催の「ラーメン登竜門」に鯛らーめんを出品し準優勝。また「ラーメンwalker栃木」でも金賞、銀賞、銅賞を受賞し、2016年には殿堂入りも果たしている。看板の鯛を使ったらーめん、栃木の川の恵みを活かした鮎らーめん、全国の魚介を使った限定麺で、栃木県内に名を轟かせている名店だ。
純喫茶のような佇まいの店内は、カウンター2席とテーブル4卓の計10席。2022年1月に、これまでの鯛だしらーめんをやめ、ワンランク上の「黄金の鯛らーめん」を通常メニューに据えるようリニューアルした。現在は「黄金の鯛らーめん」と、エシレバター入り「黄金の鯛塩バターらーめん」を主軸に営業中である。
ほか、限定メニューも積極的に提供しており、夏の限定として「ごまだれつけ麺」「黄金の冷たい鯛らーめん」を。さらに、訪れた日は96年の創業当初に提供していた原点の味「黄金の鯵らーめん」もラインナップしていた。気になる方はHPで確認を。そしてサイドメニューには、豚ほほ肉を使った「ほっぺたご飯」も用意。
今回は「黄金の鯛塩バターらーめん(900円)」を注文した。待つこと3分ほどで、特注の木の器に装われた一杯が到着。配膳時、ご主人からは「スープから飲んで下さい」との一言が。鳥取県境港で水揚げされた天然鯛の一夜干しを贅沢に使った清湯は、嫌な臭みは皆無。真鯛の香り、旨味が存分に活かされている。
そこに円みある塩、そしてエシレバターの香りとコクが重なり絶品スープに。そこに泳ぐ中細麺も、あっさりしたスープと相性が良く、箸もレンゲも止まらない。1センチほど厚みのあるチャーシューは豚ロースとバラで、肉の旨味を存分に楽しめる。ほか、那須の白美人ねぎも繊細なスープをバランスを崩さず美味。
最後にクラタペッパーの高級完熟胡椒を数回挽いて完食した。実に満足度の高い一杯、流石は殿堂入り店である。なお、ご主人はこれまでにも鮎や幻の魚イトウ、ヤシオマス、チョウザメといった川魚をはじめ、甘鯛や大和シジミなど様々な魚介に挑戦してきた。次回は是非、限定メニュー狙いで訪問したい。
<店舗データ>
【店名】 らあめん厨房 どる屋
【住所】 栃木県宇都宮市中央2-8-6
【最寄】 東武宇都宮線「東武宇都宮駅」徒歩8分