丸亀のソウル麺「王龍ラーメン」
香川県中西部に位置し、高松に次ぐ第二の都市である丸亀。古くから金毘羅参りの土産物として「うちわ」の製造が盛んで、生産量は全国の9割を占めるという。また市内には「さぬきうどん」の名店が多く、さらに近年は丸亀に本店を構える「一鶴」の骨付鳥も全国に知られる存在となった。なかなかにグルメな町である。
そして、この丸亀を本拠にするソウルフード的ラーメンがある。それが今回訪れた「王龍ラーメン」だ。王龍と書いて「ワンリュウ」。店舗はJR丸亀駅から駅前大通りを4分ほど行った場所にある。かつては丸亀本店のほか香川県内は善通寺、国分寺、三木。さらに東京・神田にも支店を展開していたが、現在は高松店のみ営業中だ。
本店の店内はカウンターに13席と、奥には6人がけの小上がりが2卓で計25席。麺メニューは屋号を冠し豚足醤油を謳う「王龍ラーメン」を筆頭に、ニンニク香る「屋台らーめん」、琴平・丸尾醸造の味噌を使った「さぬき味噌ラーメン」、北九州は魁龍ラーメンの辛味噌を使った「魁獣ラーメン」など個性的なモノが目立つ。
他にもあっさり、こっさり、こってり、ぶっかけ、辛冷つけ麺と様々ラインナップ。それぞれチャーシュー、味玉、メンマ、ネギなどに加え、バターやスライスチーズ、生卵、わかめ、背脂、ワンタンなども追加トッピング可能だ。学生はラーメンが約23%引きになる学割や、王龍ラーメンが通常価格で約2倍増になる学盛のサービスも。
一方、丼モノもチャーシュー、キムマヨ、ビビンバ、チャンジャ+生卵の「チャン玉」、和風わさび醤油味「どんじゅくぅ~」など多種揃えている。さらにツマミメニューも充実。餃子、鶏タタキ、ポテサラ、チャンジャ、ウインナーなどに加え、店入口脇の什器に入った「セルフおでん」もあり、本格的に飲むことも出来る。
今回は一番人気の「王龍ラーメン(800円)」を注文。なお「卵のせ」と「卵なし」を選べるとのことで、当然乗せて頂くことに。着丼までは6分ほど。合わせてサービスのキムチも提供された。薄濁りのスープは鰹、昆布、干し椎茸、豚骨、豚足、豚頭、鶏骨、背脂、魚介エキス、8種類の野菜などをじっくり炊いているという。
オーナーが武者修行を経て独学で行きついたというこのスープ。様々な素材の味が大集合し、個性的な味わいを作り出している。豚足を使っているというのでヘビーかと思いきや、嫌な脂っぽさはなくアッサリした和出汁のような飲み口。おでんの汁に近い感じか。そこに合わせるのはハリのある中細ストレート麺だ。
そしてチャーシューは薄切りのバラ肉が2枚。ほかトッピングには黄身トロリの味玉が半分、茹でたモヤシとキャベツ、刻みネギ。キャベツは芯の部分も混じり甘味がある。途中で酸味の効いたキムチを投入し完食。唯一無二、独特な味の一杯だった。それだけに中毒性もあるのだろう。まさにソウルフード。丸亀の思い出に是非。
<店舗データ>
【店名】 王龍ラーメン 丸亀本店
【住所】 香川県丸亀市南条町44-1
【最寄】 JR予讃線「丸亀駅」徒歩4分