Ｋさんの決断

　板橋のＫさんと出会ったのはかれこれ25年前。

　仕事で知り合ったのだが、以後、仕事１割、プライベート９割。そんなお付き合いをさせていただいている。年齢は自分より一回り以上も上。

　すでに還暦を過ぎているが、ここ数年、会社を任されたり、自分で模索して立ち上げたり…
　そんなことを繰り返していたが、今回、故郷、岡山に帰ることになった。

　２週間ほど前だったろうか、岡山に帰ることについて相談を受けた。

　自分は帰郷することを強く推薦、目一杯背中を押しておいた。

　本人は、「もう一花」という気持ちもあったのだろうが……


　選択は間違っていないと思う。
　実家は山深いところと聞いている。田畑もあるという。
　太陽と共に起き、太陽と共に寝る。そんな生活をぜひ堪能してもらいたい。

　野菜を収穫したら、麦藁帽子姿の写真と一緒に送ってくれとリクエストをしてある。

　今後は、気軽に「明日ゴルフ行きましょう」というようなお付き合いは叶わないけど、また違った形でのお付き合いの始まりだ。


　東京を発つ日も迫っているので、来週はＫさんの送別会で忙しい一週間となりそうな予感。

　とりあえず今晩は、Ｋさんの第二の人生のスタートを祝って、一人でグラスを傾けたい。