今日は朝8時のモーニングセミナーに始まって、12時までたっぷり、知識を新しくしてきました。12時少し前には会場を出たのですが、乗り継ぎが悪く、クリニックに着いたのは、午後の診療開始10分前を切っていました。
今回の会長は意欲的で、昨年までのこの学会とスタイルを変えてきました。昨年までは、私が医師になった頃には既に確立していたスタイルで、私の大学の耳鼻咽喉科教室内に事務局があった、前身の日本鼻副鼻腔学会の時代から30年以上、一環して、木曜日に基礎問題研究会と臨床問題懇話会というふたつのシンポジウムを行い、金曜、土曜の二日間で、一般演題の口演と、メインのシンポジウムを行うというかたちでした。今年は、木曜のふたつのシンポジウムを廃止し、木曜から土曜日の3日間で多くのシンポジウムを企画し、一般演題はポスターをメインにして、いくつかの限られた群をミニシンポジウムと称して、口演のかたちにしていました。ちょっと懐疑的だったのですが、実際参加してみるとこのスタイルは成功だったと思います。
今日は、アレルギー性鼻炎の臨床に関してと、鼻の手術に関する群を中心に聞いていました。
鼻の手術に関しては、大学の後輩の先生たちが、新しい方向として、経鼻的に内視鏡を使って行う頭蓋底の手術と、外鼻を含めた鼻中隔湾曲症の手術について、発表していました。私が大学にいた頃も、脳外科の先生と協力して内視鏡下の下垂体手術をやっていましたが、頭蓋底の手術は、それをさらに発展させた手術です。外鼻の手術については、ついこの間、耳鼻咽喉科の手を離れたと書いたばかりだったのですが、ごく最近になって流れが変わってきているようです。
変化のきっかけのひとつは、韓国の耳鼻咽喉科の先生方との交流にあるようです。韓国では美容形成がとても盛んで、前大統領も手術を受けていたと話題になりましたが、韓国では外鼻の形成手術を行う耳鼻科の先生も多いようです。耳鼻科ですから、美容のためと言うより、鼻の呼吸機能の改善が主目的ですが。
もうひとつの理由は、日本人の顔の形が変わってきたということがあるようです。若い人の鼻が細く高くなり、白人の鼻のような方が増えているため、鼻の脇の部分が、息を吸うときに陰圧で内側に引っ張られて、鼻が狭くなって息が苦しくなるという、以前なら白人の問題で、日本人には見られなかったような鼻閉が起こるようになっているのです。このような方の呼吸を楽にするためには、手術が必要です。