新しい超音波画像診断装置を導入しました。
より高性能になり、従来より行っていた副鼻腔炎の診断もより的確に行えるようになると期待されます。
鼻内の所見や症状だけでは、炎症が鼻腔内にとどまっているのか、副鼻腔炎を起こしているか、実際には確定診断ができません。レントゲンを撮れば分かりますが、レントゲンはいくら害のない程度の放射線量であっても、できれば撮りたくありません。その点、超音波検査は身体の害を全く心配せずに、繰り返し行えます。
従来から当院では超音波検査を、副鼻腔炎の診察の一部として、検査料は取らずに行っています。鼓膜は必ず内視鏡で観察しますが検査料を取らないのと同じです。中耳炎の診断に内視鏡による鼓膜の観察が必須なのと同様に、副鼻腔炎の診断には超音波検査が重要だと、私は考えています。
頸部(くび)の病気も耳鼻咽喉科が診る範囲です。大きな病院では耳鼻咽喉科頭頸部外科という標榜で、頸部の悪性腫瘍の手術も行っています。開業医ではそこまでできませんが、新しい超音波画像診断装置では、画像がより精緻になり、ドップラー法による血流の診断もできるので、頸部のリンパ節の腫脹や甲状腺や唾液腺の病気の診断をより正確に行うことができるようになります。当院で治療するかあるいは経過を見ていても大丈夫な疾患か、大きな病院でより詳しい検査を必要とするのか、従来より的確に判断できるようになります。