水曜日は税理士さんとの面談。今日は清掃の日。先週はシルバーウィークで休みが多かったですが、今週は毎日クリニックに来ています。正しい税務申告のためには税理士さん、スタッフの給与や福利厚生のためには社労士さんと、開業医は医師であると同時に経営者でもあり、正しい経営のためには、多くのプロの方に助けていただいています。来週の日曜日は、休日診療の当番です。開業医は自分のクリニックのことだけにとどまらず、地域の医療にも貢献することが必要です。もっとも、開業医に限らず、自営業の方は業種にかかわらず、同様のことが言えるのだと思いますが。
今日のタイトルのアレルギー性鼻炎に自然治癒はあるのかですが、たとえ症状が治まっても、感作された状態は残る(血中特異的IgE抗体は陰性にならない)ので、治癒とは言えず、自然寛解があるか?というのが正しいかも知れません。小児喘息やアトピー性皮膚炎では、大人になったら症状がもう出ない寛解が、多くの方で見られますが、アレルギー性鼻炎は、大多数の方が、大人になっても続きます。もちろん例外もありますが、その数やメカニズムには、まだ不明の点が多いです。
その中で、今回の学会でも、年齢とともに寛解が起こるどうかについてのデータが、いくつか出されていました。同一の方を何十人か、何年も間隔を開けてアレルギー検査を行った報告でも、従来から言われているように、60歳から70歳頃には、寛解する例が多いという結果でした。逆に言えば、それぐらいまでは、治ることが少ないということになります。私は以前、鼻腔通気度(鼻のひろさ)の年齢的変化についてまとめたことがあります。成人では各年齢で差がないのですが、60歳から70歳を境に、鼻腔通気度の値が高くなる(広くなる)ことが見られました。これは、年齢的変化で鼻の粘膜が薄くなるのが主因ですが、この年齢では同時にRAST(血中IgE抗体)も平均値は低くなっていました。
アレルギー性鼻炎の方の数はますます増え、発症の低年齢化も進んでいます。いずれの報告を見ても、アレルギー性鼻炎の有病率はおよそ4割(日本人のが10人いれば、4人はアレルギー性鼻炎)、感作率(RAST陽性率)にいたっては、6~7割(日本人10人いれば、正常は3人か4人しかおらず、2~3人はまだ発症していなくても、その準備状態はできている)でした。
もちろん発症していても症状が軽ければ、必ずしも病院にかかる必要はないかも知れません。しかし自然治癒が少ない以上、アレルギーの原因を自分で知って予防をしていくことは大切ですし、症状が強ければがまんをしないで、治療を受けてほしいと思います。