昨日から札幌に来ています。今回は、短期間の参加なので、知人の先生方に会う機会も持てないかと思っていましたが、昨日千歳空港でO先生、Y先生のふたりの先輩とばったりお会いし、ご一緒することになりました。おふたりは、常に積極的に仕事をされており、いつもいろいろな事を教えていただいて刺激されます。幸運なことでした。
今日は朝から学会場に缶詰。昼もランチョンセミナーだったので、少しずつの休み時間をはさんで、4つのセミナーを連続して聞きました。
中耳と内耳の間の窓が破れて内耳のリンパ液が漏れて、難聴やめまいを起こすのを、外リンパ瘻と言います。25年ほど前はかなり注目を集めながら、良い診断法がなかったこともあり、欧米ではこんな疾患は実は存在しないという考えが主流になっています。
しかし日本では、その存在を信じて、地道に研究を続けられている先生もおり、内耳のリンパ液にしかないタンパク質を見つけ出し、それを簡単に調べる方法も開発した埼玉医大の教授のお話には、大きな拍手が送られていました。
この病気は、多くはありませんがけしてまれではないのです。患者さんにとっては、大きな朗報です。実際、原因不明のめまいでずっと車椅子生活だった方が、この検査ではっきり診断がつき、穴を塞ぐ手術で完治した例も、既にいらっしゃるそうです。この検査は、一般に行えるところまで、もう一歩というところまで来ています。
嗅覚障害、好酸球副鼻腔炎、めまいについては、新しいことはありませんでしたが、現在の自分の診断治療が時代遅れになっていないことの確認と、頭の整理ができました。
一方で、まだ分からないことの多い好酸球性副鼻腔炎に、新しい知見が皆無たいうのは、残念な事です。