日本呼吸器学会の咳嗽に関するガイドライン第 2 版によれば、3週間以上続く咳を遷延性咳嗽と呼び、8週間以上を慢性咳嗽と呼びます。また、喀痰を伴う咳を湿性咳嗽、喀痰を伴わない咳を乾性咳嗽と呼びます。もちろん、明らかな喘息や感染症の診断がついたり、胸部レントゲンに異常が見られるような疾患は、ここから除外されます。
その中で、湿性咳嗽の原因の代表的なものとして、副鼻腔気管支症候群があげられています。副鼻腔気管支症候群とは、副鼻腔炎と気管支炎を合併する例を言いますが、ここで以前から不思議に思っていることがあります。ガイドラインには、欧米と我が国の慢性咳嗽の原因疾患の頻度の報告がそれぞれ3件づつ書かれていますが、日本の報告3件では、慢性咳嗽の原因として副鼻腔気管支症候群がそれぞれ17%、8%、7%として書かれているのに対し、欧米の報告3件にはその項目が全くないのです。そのかわり欧米の報告には、鼻炎/後鼻漏という、日本の報告にはない項目があり、それぞれ21%、34%、14%と報告されています。
一方、2007年に日本鼻科学会が出した”副鼻腔炎診療の手引き”でも、 2010年の”急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン”でも、 副鼻腔炎ないし鼻副鼻腔炎の定義として、鼻閉、鼻漏、後鼻漏と並んで、咳嗽がその主要症状のひとつとしてあげられており、副鼻腔炎単独でも咳嗽は高率に見られることは、耳鼻咽喉科医の側から見ると、コンセンサスが得られていると考えられます。とくに小児副鼻腔炎では、鼻症状よりも咳の方が目立つことが多いとする成書もあり、それは開業医として多くの患者さんを診ていても実感されるところです。そして私は、耳鼻咽喉科医として、副鼻腔炎の専門家として、長い間副鼻腔炎に携わってきたにも関わらず、副鼻腔炎に気管支炎を伴う、確定診断のついた副鼻腔気管支症候群の患者さんは、稀にしか見たことがありません。
主に下気道疾患を見る呼吸器科の先生と、主に鼻やのどを見る耳鼻咽喉科で、診る対象になる患者さんと優先的に行う検査が違うということはあるでしょうが、欧米の報告には副鼻腔気管支症候群という概念がないのを見ても、日本の呼吸器科の先生の報告にこれほど副鼻腔気管支症候群が多いのは、不思議な気がするのです。耳鼻咽喉科開業医が考えると、ここは副鼻腔気管支症候群を、単純に鼻副鼻腔炎と置き換えて、湿性咳嗽の原因として最も多いのは、鼻副鼻腔炎と言ってもいいように思えるのです。
それともうひとつ。3週間以上続いている副鼻腔炎でも、activeな細菌感染は存在していることがあり、その場合は、このガイドラインで副鼻腔気管支症候群の治療に推奨されているマクロライドは、あまり有効でないのです。まず短期間レスピラトリーニューキノロンなどを投与すべきなのですが、本音を言えば、遷延性、慢性の湿性咳嗽の患者さんは、耳鼻咽喉科に紹介して欲しい。耳鼻咽喉科医なら、簡単に副鼻腔炎を診断して、局所の処置を含めて適切な治療をするはずですから。
内科や小児科に通っていても咳が何週間も治らず、耳鼻咽喉科を受診したら副鼻腔炎で、その治療をしたらすぐ治ったという方があまりにも多いので、ついそう思ってしまいます。もちろん逆に、耳鼻科医の側は、喘息や肺の病気を見逃さないように、気をつけなければなりません。その意味で、私は開業以来、喘息が疑われる患者さん、とくに小児では、できるだけ胸部の聴診を行い、必要な場合には内科や小児科の先生を紹介するようにしています。
副鼻腔炎が、完全に治らず、クラリス少量長期方法を何回か、しながら、過ごしています。
調子が良い時は、ジルテック、ムコダイン、しんいせいはいとう、ステロイド点鼻で、ずっと過ごしてます。
六年生頃から、気管支から、黄色い痰を時々出てしまうよいになり、最初は鼻からは、黄色い鼻水はでないのですが、口から、黄色い痰を、ゲボゲボ出して、苦しそうです。最初は鼻の中もキレイなようで、風邪だから、黄色い痰は、気にしない、風邪はウイルスだから、抗生剤は必要ないと、かかりつけの先生は、言います。
前に、このままにしていたら、肺炎になってしまい、大変でした。
でも、気管支から、黄色い痰が出ていても、熱が出ないことも、何回かあり、あまりに、黄色い痰をゲボゲボするので、色々な病院も、転々としました。菌をしらべても、これといった菌が、出ず、なんでしょう?という感じでした。しばくして、だ
んだん、鼻の中も黄色い鼻水で、いっぱいになり、副鼻腔炎気管支しょうこうぐんでしょうとなり、クラリス少量長期で、おさまりました。今回も、気管支から、黄色い痰が出てゴホゴホしているので、クラリス少量長期をして欲しいと、先生に
お話ししましたら、風邪は抗生剤は必要ないと言い、痰が黄色くても、気にしないと、言われました。あまり、抗生剤は飲みたくないのですが、苦しそうなので、クラリスをお願いしますと頼み、クラリスをのんだら、少しゲボゲボ痰が落ち着いてきました。黄色い痰でも、熱がなければ、ほっておいたほうが、いいのか、そのうち、鼻も黄色い鼻水が、出るので、早目にクラリス少量長期をやったほうが、いいのか、痰が苦しそうなので、クラリス少量長期をして欲しいと思うのですが、治りますし、どちらが、いいのか、わからなくなってきます。いわゆるこれが副鼻腔炎気管支しょうこうぐんなのか、大人になっても、繰り返しこの治療をやっていくとおもうと、かわいそうに思い、クラリスが効かなくなったら、どうしようかと思ったり、
悩んでいます。体質改善で、しんいせいはいとうも飲んでいますが、治りません。大人になって、鼻の手術をすれば、気管支から、黄色い痰も出なくなるのか、鼻からも黄色い鼻水が出なくなるのか、色々考えてしまいます。
時々、とても鮮やかな蛍光色のような鼻水も、でることも、あるので、好酸球副鼻腔炎になるのでは?など、悩んでいます。
鼻茸はありません。匂いもわかります。喘息もありません。ただ、クラリス少量長期をやっても、完全には、治らず、繰り返し、悪くなるたびに、クラリス少量長期をしています。一旦は治るのですが、こんなにも副鼻腔炎を繰り返すものなのか、
中学生にもなるのに、治らないのは、大人になっても、繰り返すのかなと、悩んでます。でも、漢方のおかげで、抗生剤を飲む機会が、かなり、減りました。クラリス少量長期方法も、抗生剤と思わないで下さいと、言われているので、持病だと思い、つきあっていくしかないと思って、いますが、気管支から、黄色い痰が出て、苦しそうな時、そのうち、鼻も黄色くなるのに、風邪はウイルスだから、クラリスは必要ないという考えが
、合っているのか、そのままで、いいものなのか、結局今回も、クラリスを頼み、治りそうなのですが、クラリスを飲む必要がなかったのか、わからなくなってしまいます。すみません、文章が長くなってしまい、申し訳ありません。他に聞くところがなく、書いてしまいました。宜しくお願い致します。
しかし、診察をしなければ分からないことも多いので、まずお近くの耳鼻科の先生によく相談することをお勧めします。
分かることだけお答えします。
好酸球性副鼻腔炎は通常の副鼻腔炎とは別の病気ですし、中学1年でなることはまずありません。
風邪には抗生剤は必要ないのはその通りですが、風邪はウイルスによる炎症で、ふつう1週間から10日で治りますから、それ以上続くのは、副鼻腔炎か気管支炎の可能性もあります。副鼻腔炎をしばしば繰り返しているなら、風邪の段階で耳鼻科にかかった方がいいかも知れません。
逆に、気管支から痰が出るというのが本当であれば、副鼻腔炎ではなくて、気管支や肺の病気ですから、小児科の先生に検査をしてもらう必要があります。
あまりお役にたてず、すみません。