貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

虎石と段石

2024-02-14 20:36:27 | 国産鉱物

なんとワンコインの水石2つ。ヤフオクです。(迷い込み始めてないか?)

まずは湯の岳、虎石。横8㎝くらいの小品。

峻険な峰が連なるような姿がなかなか。ちなみに台座はウッド粘土でのお手製。(暇だねえw) まだ塗装はしてない。(いいだろこのままで)
湯の岳(湯ノ岳)は福島県いわき市。特に有名な産地ではないみたい。
虎石というのは、黄色系と黒系の縞模様の石。なんかやな連想があるな。(しーっ) 瀬田川産が有名。けれど縞々模様の石を広くこう呼ぶみたい。
この石は出品者さんによると「堆積岩が斑糲岩の貫入による圧力で変化したもののよう」だそうで。
また、これは「土中石」つまり土に埋まっていた石で、だからトゲトゲの形が保存されている。こういう尖った形の石は、川石ではほとんどない。水で磨かれて丸くなってしまうから。なるほど確かに。
本来は横に層になっているのでしょうけど、それを立てると、こういう連山になる。
なかなかいいんですよ、これ。少し赤っぽい肌が、残照を浴びた岩嶺を思わせる。
けど不思議なことに、光の具合では青っぽく見えたりもする。何じゃ?

カラーチェンジ水石、なんてね。(あほ)
ミニサイズというのもいい。机横の本棚にちょっと置いたりすると、なかなか風情があります。

     *     *     *

もう一つ。同じ出品者さんから、好間川の「段石」。実はワンコインより安かった。手間を考えると申し訳ない感じもする。



11×7.5×13.5㎝、約1300g。わりと大きい。
好間川は湯の岳に近い福島県の川。
「段石」というのは、こういう平らな面がいくつかある石のことを言うらしい。平らな面が一つだけのものは「ドハ」と言うのだそうで。
前にも書いたように、平らな部分があると、そこに想像力が遊ぶ。きれいな平面だと、半人工的な「平地」を思わせ、そこで何かしら人の営みが展開されるようにも想像される。
かどうかはわからないけど(何だよw) 何となく、面白いんですよね、こういうの。

どちらの石もなかなかだと思うのですが、えらく安く落札できた。
誰か好事家の収集品だとか老舗の店のものではないということもあるだろうけど、もうあんまり水石を買う人がいないからかもしれない。ヤフオクでもそんなに頻繁に出品されないし、ぱかぱか売れてる気配もない。一つの伝統文化が消え去りつつあるのか。
けど、盆栽なんかは若い人でもファンはちょぼちょぼいるらしい。欧米では日本庭園と同様、一部で大いに人気があるとも言われている。庭や盆栽が注目されれば、庭石や水石にも目が行きそうなものだけど、あまりそうはなっていないみたい。
まあ細々とでも存続していってもらいたいものです。


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