貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

滝石

2024-02-07 20:59:56 | 国産鉱物

一転して地味ーに。水石です。(まだやってるの?)

水石の世界は「ドハ」だの「ジャグレ」だのと訳の分からないジャーゴンが飛び交っているようですけど、「滝石」は読んで字のごとく、滝のような模様がある石。
岩石中に石英などの白い脈が走っていて、それが見ようによって滝に見える。
これは揖斐川白倉谷の滝石。信濃美術石博物館さんから。

確かに岸壁から湧き落ちる水のように見える。黒い石と白い脈の対比がなかなか。
裏にも滝模様がある。これは少し滝というのは苦しいかな。

「ウブ」、つまり未加工だそうで。
この「ウブ」というのも水石界ジャーゴンで、未加工のことを言う言葉。「生まれたて」の「ウブ」でしょうかね。最初知った時は「はあ?」と思ったものでした。なんかやらしい感じもする。(考え過ぎじゃいw)
ただ、まったく手の入っていないものだけを「ウブ」と言う見解と、立てるために石底を削ったものも含めるという見解があるそうで。
しかし底を削ったものはいいとしてしまうと、ちょっと姿のいい大きな岩の先っちょをゴリゴリと切り落としてもいいということになってしまって、そうなると川石はあちこちで切断乱獲されてとんでもないことになるのではないか、などという妄想が生まれてしまいます。まあ、底の出っ張ったのを削るくらいならいいのでしょうけど。
もちろん「ウブ」は尊重されるし、「ウブ」でないと水石ではないなどという強固な意見もあるようです。一方、超ベテランの愛好家によると「名石と言われる水石のほとんどは手が加わっている」とも。まあ難しい世界ですね。

滝石を作るこういう脈は、水平に拡がっていたり、筋のように迷走したり様々。なんかぐるっと脈が一回りしているのは好まれないらしい。ふうん。
前にネットで見た石は、美しい連山の形で、滝も入っていたのだけど、一本、天辺から白筋が落ちていたのでやめたことがあります。いくら想像の風景だと言っても、山の頂上から滝が落ちるなんていうのはいただけない。しかるべき所から落ちる、あるいは雪渓のように谷に流れるのでなくてはね。そういうのを探すのは案外難しいものなのかもしれません。


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