今日のジャズはグレンミラー楽団。
もう2年半前のことだが、初めて渋谷Bunkamuraオーチャードホールでグレンミラーオーケストラのコンサートを聴いた。(その後何度か、ブルーノート東京とかでも聴いた)楽団員が照会される度に驚くのは、メンバーが全米各地から集まっているのだ。たぶん日本のリハーサルで最終的な音合わせをしているのではと思うけど、演奏はいつもの素晴らしいスイングジャズで、とても楽しい曲ばかりである。司会兼歌手のニック・ヒルシャーは、いかにも陽気なアメリカンって感じで、古き良き時代のアメリカが感じられてとても楽しい。
あいにく座席は楽団の後ろの席で、ドラマーが時々後ろを向いてくれたので、何度か彼と目と目を合わせることが出来て、とても楽しい時間を過ごした。
そして最初と最後がこの楽団のテーマ曲のような「ムーンライトセレナーデ」。この曲を聞くと、わたせせいぞうさんの「ハートカクテル」第四巻「カモメが連れてきたカノジョⅢ」を思い出す。門限を破った娘にカンカンに怒っている父親が、遠距離恋愛で明日また別れる彼と庭でダンスしている場面で、グレンミラーオーケストラの「ムーンライトセレナーデ」のレコードをかけてあげる。母親は、「どうせならもっとボリュームを上げてあげれば」と頑固な父親に苦笑い。私にもいつも門限を破って心配させる同じような娘がいるので、この父親の気持ちがよくわかる。
日本だと「ムーンライトセレナーデ」が代表曲のようだが、母国アメリカではどうなのだろうか?というのも映画「グレンミラー物語」のラストで流れる曲は「茶色の小瓶」だからだ。
映画のラストは、クリスマスの夜にパリのコンサートホールからアメリカへ生中継した時に、グレン・ミラー楽団が演奏したのが「茶色の小瓶」であった。ただ、グレンミラーはロンドンからパリへ悪天候の中、無理して飛んだ飛行機が墜落して、その場にはいなかった。