労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

2024年11月に読んだ本

2024-12-05 | 📖いい本読んでます?
11月の読書メーター 読んだ本の数:9 読んだページ数:2460 1日に読んだページ:82

落日 (ハルキ文庫 み 10-3)落日 (ハルキ文庫 み 10-3)
読了日:11月07日 著者:湊 かなえ
 わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された──新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』。笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。香はこの事件を何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。そこには隠された驚愕の「真実」があった……令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー。 ☆☆★ 「わたし」という一人称で2人の女性が語る構成が、作者らしい錯綜感を生み出しているが、しかしそれが今作では読み辛さになってしまった。ミステリーとはくくれない作品で、社会性が強い印象。でも「令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー」は言い過ぎでしょ。

刑事の子 (光文社文庫 み 13-14 光文社文庫プレミアム)刑事の子 (光文社文庫 み 13-14 光文社文庫プレミアム)
読了日:11月14日 著者:宮部みゆき
 十三歳の八木沢順は、刑事の父・道雄と東京の下町に引っ越した。慎吾という友人もでき新しい生活に慣れたころ、町内で奇妙な噂が流れる。“ある家で人殺しがあった”と。そんな矢先、荒川でバラバラ死体の一部が実際に発見されてしまう。更に、順のもとに事件の犯人を知らせる手紙が!?刑事の子・順は捜査に乗り出す!宮部みゆきの初期傑作が装いも新たに登場。『東京下町殺人暮色』改題書。 ☆★★ 様々な文体を持っている作者の、これも得意分野である児童文学ぽい作品。しかし作品の作られた年代がもろ昭和なので、今どきの子供たちに作品の背景が伝わらないだろうな。

箱根の坂 上 (講談社文庫 し 1-20)箱根の坂 上 (講談社文庫 し 1-20)
読了日:11月18日 著者:司馬 遼太郎
 応仁ノ乱で荒れる京都、室町幕府の官吏、伊勢氏一門の末席に、伊勢新九郎、後の北条早雲がいた。家伝の鞍作りに明け暮れる、毒にも薬にもならぬ人間で生涯をことなく送るのが望み、と考えていた。だが、妹分の美しい娘、千萱(ちがや)の出現が、彼の今までの生き方を激変させる契機となり覇者への道を歩み出した。 ☆☆★ 物語は、一見無関係に見える程長い序章を連ねて、山城南郊の田原荘から始まり、京の今出川、幕府の政所執事伊勢伊勢守貞親の邸宅へ向かっていく…。自分にとって日本史の中でもっとも不可解な「応仁の乱」について、少し見えた気がする。どうしようもない濁世であったのだってことが、その背景としていかに重要であったのか、そして以後の日本史に対して応仁の乱はなんの意味もなかったことなど、中巻、下巻でさらなる理解をもたらされそうな気がする。

野ざらし 前編野ざらし 前編
読了日:11月19日 著者:豊島 与志雄
 電車に揺られながら佐伯昌作は、片山禎輔に勧めた九州の炭鉱での仕事の返答、そして橋本沢子について悩んでいた。眼を上げると、老人が車掌たちの名札に書かれた初出は「木和田五重五郎」という名を気にしていた。

野ざらし 後編野ざらし 後編
読了日:11月19日 著者:豊島 与志雄
☆★★ 青空文庫で読んだので、前編・後編とはなっていなかった。九州に好条件の仕事を世話され生活を立て直すチャンスなのに、恋する女性のために東京を離れられない青年の苦悩が描かれているんだが、ぐずぐず感にイライラしてしまうし、時代背景が違い過ぎて感情移入しにくいのもあって、読み辛かった。

妃は船を沈める (光文社文庫 あ 42-3)妃は船を沈める (光文社文庫 あ 42-3)
読了日:11月19日 著者:有栖川 有栖
 一台の車が海に落ち、中から男性の遺体が発見される。彼は、妻の友人で多額の資産を持つ三松妃沙子から、かなりの借金をしていた。彼女は「妃」と呼ばれ、三つの願いを叶えるかわりに災いももたらす「猿の手」を大切にしていたという。彼女の願いとは何だったのか――。臨床犯罪学者・火村英生が、トリックも心情の揺れも解き明かす本格ミステリ! ☆☆★ 前半の「猿の左手」、後半の「残酷な揺り籠」。2つの短編を、1つの長編となるように、つなぎの物語(幕間)を挿入した作品。「食えない」性格の犯人と火村の対決がなかなか面白かったが、実は火村、アリス、小夜子が話す『猿の手』の解釈が、本編の中で一番怖かったんだが…。

カケラ (集英社文庫)カケラ (集英社文庫)
読了日:11月23日 著者:湊 かなえ
 美容外科医の橘久乃は幼馴染みの志保から「痩せたい」という相談を受ける。カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘の有羽が自殺したという情報だった。少女の死をめぐり、食い違う人びとの証言と、見え隠れする自己正当化の声。有羽を追いつめたものは果たしていったい――。周囲の目と自意識によって作られる評価の恐ろしさを描くミステリー長編。 ☆☆★ 少女の死をめぐり、食い違う人びとの証言が最後にどう繋がっていくのか、緊張感をもって最後まで読み切った。関係者はいずれも姿かたちというフィジカル面の自意識を述べるが、自分が望むような幸せを手にしていない自分への強い不満足が根底に垣間見れてくる。これはまさに湊ワールドのイヤミスの典型だった。

今夜、きみの声が聴こえる (スターツ出版文庫)今夜、きみの声が聴こえる (スターツ出版文庫)
読了日:11月27日 著者:いぬじゅん
 高2の茉菜果は、身長も体重も成績もいつも平均点。 “まんなかまなか”とからかわれて以来、ずっと自信が持てずにいた。片想いしている幼馴染・公志に彼女ができたと知った数日後、追い打ちをかけるように公志が事故で亡くなってしまう。悲しみに暮れていると、祖母にもらった古いラジオから公志の声が聴こえ「一緒に探し物をしてほしい」と頼まれる。公志の探し物とはいったい……? ラジオの声が導く切なすぎるラストに、あふれる涙が止まらない! ★★★ すみません、涙は一粒も溢れませんでした…。

3分で殺す! 不連続な25の殺人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)3分で殺す! 不連続な25の殺人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
読了日:11月29日
 幼い二人はなぜ殺されたのか。(中山七里「オシフィエンチム駅」)、一年前に夫が死んだ場所で、妻が望んだのは……。(安生正「白い記憶」)、この物語の意味に気づいた時、あなたはきっと戦慄する。(岡崎琢磨「三霊山拉致監禁強姦殺人事件」)、「父を殺した」と言う、祖父の言葉の真意とは。(海堂尊「赤い顔」)、宝島社の大人気ショートショートシリーズから、鮮やかで濃密な殺人事件の物語を25作品、厳選! ★★★ 書き下ろしが一つもなく前に読んだことあるな~って話ばかりなのが残念。いずれにしてもこの枚数で、すっとお腹に落ちる小説に仕上げるのは難しいだろうな。

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