岸田文雄首相の退陣表明を受け、9月の自民党総裁選から間を置かずに衆院解散・総選挙が行
われるとの見方が自民内で急拡大した。新総裁選出による「刷新感」を前面に出せば、優位に選
挙戦を運べるとの思惑がある。総裁選も早期解散を意識した「顔」選びの側面が出ている。
「解散はこの秋しかない」。後継総裁レースが活発化した15日、選挙基盤に不安を抱える自
民若手から、こうした声が上がった。岸田首相を支え続けた党幹部も「新しい総裁で早期に信を
問わなければいけない」と指摘。中堅は「新首相は経済対策の策定と並行して衆院解散に踏み切
る」との見方を示した。(時事通信 2024年08月16日)
大手新聞各紙は自民党総裁選を大きく取り上げ、テレビでは連日候補者の紹介に余念がない。当
然野党の存在は軽んじられ、存在感の薄い野党という印象が国民に刷り込まれる。国民の政治に
対する不信感は拭えず選挙の低投票に繋がり、地滑り的に与党が勝利する。現状変更をしたくな
い大手スポンサーを抱える、大手マスコミの姿勢をよく表している。
派閥裏金事件に端を発した「政治とカネ」を巡る問題は議論にさえならず、15日には秘書給与
詐取事件で自民を離党した広瀬めぐみ参院議員が辞職した。自民党の体質は変わらない。このま
ま選挙で勝利すれば禊は済んだとばかりに、自分たちに都合のいい政治を続けていくだろう。