「貧乏お嬢さま」シリーズも6冊目、「貧乏お嬢さま、古書店へ行く」ではまりズッと読み続けています。
本作は「古書店へ行く」以来、イギリス出身である著者の本領発揮でテーマは古く懐かしいイギリス貴族伝
統の豪華なクリスマス!物語の舞台は1930年代なので、さらに昔ながらの貴族の家庭で、昔ながらのイ
ギリス風のクリスマスを過ごすために、大金を払う人々が居る事に納得。特にアメリカの金持ちだったら大
いに頷ける。
やはり食べ物は重要だ。王家の直系でありながら父親の放蕩で貧乏暇なしのジョージー、ロンドンでは日々
の食べ物にも困り、実家であるラノク城では兄嫁の倹約生活にホトホト嫌気を指していた、それが一転ホス
テスとして招かれたゴーズリー家では毎日美味しい食事が出るわ、クリスマスの行事で廻る先々では様々な
軽食(これがまた美味)が振舞われ、いよいよクリスマスディナーへとなだれ込む。作中に登場する古風な
伝統行事、屋敷内でのパーティ・ゲーム、意中のダーシーを始め、母親、祖父といつもの面々が顔を揃える。
しかし充足しながらも、屋敷に到着した瞬間から不吉な事故(もしくは事件)がジョージーを不安に陥れ、
その影はずっとまとわりついて、物語は思いもつかぬ展開へと突き進む。昔ながらのイギリス貴族の伝統的
クリスマスは、お金持ちながらの愉しみ、恋のさや当てもあり、旧い慣習は読者をワクワクさせること間違
いなし。
貧乏お嬢さまのクリスマス・英国王妃の事件ファイル リース・ボウエン コージーブックス
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます