Last Updated:Marchh 31,2021
米国・国土安全保障省(DHS)は、2006年1月13日に偽パスポートの使用排除を目指す「電子パスポート」の第2次試験をサンフランシスコ国際空港、シンガポールのチャンギ(Changi)国際空港、オーストリアのシドニー国際空港ならびに各政府と共同して4月15日までの間行うことを発表した。同パスポートはデジタル写真と生体認証情報を記録した非接触型チップを有している。
US-VISIT(注)および国土安全補保障プログラムの担当部長であるジム・ウイリアムズによると米国は2006年末までに国際的なパートナー国の協力のもとに電子パスポート用リーダーを設置することで重要な機能提供を行うとしている。米国の外交官、オーストラリア・ニュージーランドの市民、シンガポール空港(2005年11月の試験時に45台以上のカードリーダーを設置)の職員等が同パスポートを使用し、選別機能のチェックを行う。
さらに、ウイリアムズ氏は、以前行ったロスアンゼルス国際空港とシドニー空港の試験結果は結論まで至っていないが、これらの試験結果は協力各国における電子パスポート(国際航空民間機関:ICAOが定めた規格に適合したもの)の開発を支援するとともに関連する情報収集に寄与すると述べている。
また、今回のテストの特性として、早期の電子パスポートの仕様はテロリストが通りで国民のパスポートをスキャンできるRFID読み取り機を使えるといった脆弱性を指摘した批判に対し、電子パスポートの無権限の読み取りを阻止するBAC(Basic Access Control)技術をチェックする点が挙げられている。
(注)「US-VISIT」プログラムは、生体認証バイオメトリクス式、米出入国審査・監視システム。US-VISIT生体認証プログラムは、米国入国者のデジタル写真や指紋を登録し、外国人の出入国、滞在期間や違法行為等を自動的にコンピューターで管理する包括的な監視・管理システムで、指紋照合や身分証明技術を導入するUS-VISIT生体認証システムで収集した外国人の情報は、米国移民・関税局(Immigration and Customs Enforcement:ICE )やその他の政府機関のデータベースと照合され、検索結果によっては、米国訪問者は入国を拒否されたり、米国在住の外国人は米国外退去審問の対象になる。
〔参照URL〕
http://news.com.com/E-passport+test+takes+flight/2100-7348_3-6027090.html?tag=cd.top
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(今回のブログは2006年1月17日登録分の改訂版である)
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