今日、ここ釧路で、情報労連主催の「2011 北方領土返還要求平和行動」が始まりました。
第一日目の今日は、全国から集まってきた情報労連の参加者、そして地元実行委員会の皆さんの合計約110名が一同に会しての『平和学習会』です。
プログラムは二部構成。第一部は、「北方領土編」でした。
まずは、語り部として、千島歯舞諸島居住者連盟の三船さんが『私のふるさと蘂取(しべとろ)』というタイトルで講演をしてくれました。
三船さんは、択捉島の蘂取(しべとろ)生まれ。昭和22年の8月、小学校3年生、当時8歳の時に、蘂取から本土に引き上げてきたそうです。今日は、子どもの頃の蘂取の生活の様子や、終戦時の模様、引き上げの時のご苦労、そして40数年ぶりに初めて墓参訪問した時の模様などを話して下さいました。
ちなみに、そのお話の中で三船さんがお書きになった絵本「ばあちゃんのしべとろ」を紹介して下さったのですが、これが本当に良かったです。子どもに北方領土のことを聞かせるのに最適ではないでしょうか。興味ある方、ぜひ探して見て下さい。
続いて、情報労連釧路地区協の辻さんが、『北方領土墓参報告』。平成21年と22年に択捉島に墓参訪問した時の模様を、スライド写真を上映しながら報告をしてくれました。現地の今の様子がよく分かるお話でした。
休憩を挟んで、第二部は『樺太編』でした。
最初に、元・全電通西分会分会長の猫島さんが『1945年8月終戦後の知られざる戦争』というテーマで語り部をつとめて下さいました。1945年8月、多くの日本人居住者がいた南樺太でソ連の進軍によって何が起こったのか、その中で、現地に居住されていた猫島さんご自身がいかに本土へ帰ることができなのかなど、当時の生々しいお話をして下さいました。
「戦争の犠牲者はいつも、子どもや女性、そして力を持たない弱い立場の一般市民なのです。決して、戦争の惨禍を繰り返してはなりません」という猫島さんのお言葉、私たちはしっかりと受け止めて、次代へつないでいなかくてはいけません。
そして最後は、情報労連北海道協事務局次長の林さんが『サハリン視察報告』を。サハリン視察団の一員として南樺太を訪問した時の模様を、ビデオを上映しながらお話してくれました。
以上で、勉強会は終了。私の場合、昨年から一年間、参議院の「沖縄及び北方問題特別委員会」に所属していましたので、北方領土問題の歴史的経緯や現在の状況などについてはあらためて勉強もさせていただきました。しかし今日のお話は、居住者の方、二世の方、実際に現地を訪問して見聞きしてきた方など、「リアル」な生のお話です。本当に勉強になりましたし、心を動かされました。今後の活動に活かしていきたいと思います。
さて、今日は勉強会の後に交流会も開かれて、地元実行委員会の皆さんの手作り料理が振る舞われたり、太平洋太鼓保存会の皆さんによる太鼓の実演が披露されたりで、大変楽しい時間を過ごさせて貰いました。
そして最後に、情報労連の「明日Earth 平和フラッグ」が北海道から沖縄へと手渡され、平和行動はまた来年6月の沖縄へと引き継がれたのでした。
明日は早朝に釧路を出発して、バスで根室へ移動。納沙布岬で連合主催の「北方領土返還要求ノサップ集会」に参加します。明日の報告も乞うご期待!