AKB48の旅

AKB48の旅

花は咲く

2012年10月13日 | AKB
以下kiba maburittoさん10月12日ぐぐたす引用

この前に行われたAKBの岩手県握手会のレポのリクエストがあったので。
書いてみたいと思う。山田町の子供たちとAKBメンバーさんの握手会レポだ。

※今までの記事で一番長いから注意!読むのは時間のある人だけ推奨だ!
ちなみに写真は山田町の各学校に掲示されているAKBGの皆さんからの返事。

10月7日、岩手県の滝沢村でAKBの全国握手会があった。
AKBGのみなさんが被災地の山田町を訪問して、一年半の月日が経っていた。
この握手会に前記事でも紹介した山田町の子供たちが行くことになったんだ。

ここで補足だが、オレの記事には圧倒的に大島優子さんの登場する回数が多い。
子供たちの伝言やお礼は一人では回りきれないので、ウチのスタッフ4~5人で
それぞれが伝言やお礼を手分けして各メンバーさんのところへ行くんだ。
この方法じゃないと優子さんやゆきりんの個別などとてもじゃないが取れない。

オレの担当は子供たちから最もリクエストが多い大島優子さん。
従って、オレの記事では必然的に大島優子さんの話が多くなる訳だ。

もし違うメンバーさんのレポなど知りたい場合は、コメントに書いて教えて欲しい。

さて、会場には山田町から親御さんがお子さんを連れて到着した。
親御さんからお子さん達を引き受け、握手会場内ではウチのスタッフが付き添う。
そしてお子さんは会いたいメンバーのみなさんに会いにいくという感じになった。

オレの担当はいつも通り大島優子さん。そして付き添うお子さんは
中学生の女の子。この子は山田町の子供代表としてAKB、SKE、NMBに
感謝状を書いてくれた子だ。山田町訪問から一年半、会うのを心待ちにしていた。

この子は震災で家族こそ無事だったが、海からの燃料火災が起きて
目の前で家と全てを失った。その後は家族六人で仮設住宅で暮らしている。

女の子は恥ずかしがり屋で、あまり笑わない子だ。
親御さんは以前はいっぱい笑う娘だったんですよって言っていた。
辛く厳しい環境を乗り越えてられたのは、心のどこかで大好きな
AKBのメンバーさんと気持ちが繋がっているんだという希望の力だった。

早速に女の子に付き添い、会場に入りレーンに並ぶ。
しかし、女の子は初めての握手会と、憧れの優子さんと会うことで
緊張と極度のプレッシャーでガチガチになり笑顔は無かった。

実を言うと、オレもこれはヤバイと思った。握手会デビューで全国握手、
しかもメンバーが大島優子さん。剥がしが早ければ一瞬で終わってしまう。
更に握手会は魔物だ、慣れてない人がメンバーに会うと、
緊張で頭が真っ白になって、何もできずに流され敗北するパターンもある。

オレは女の子に緊張をほぐすために色々と並びながら話をした。
「とにかく、オレが優子さんに紹介してすぐにバトンタッチするから、
自分が思うように伝えるんだ。自分が決めてきた言葉を伝えるんだよ」

女の子は小さな声で言った「感謝状とか返事とか。お礼が言えればいいな、
私のことはわからないと思うから、握手してありがとうって言えれば・・・」

初めての握手、たくさんの人、女の子は完全に緊張で萎縮してしまっていた。
さらに女の子が小さな声で言う「優子さんはきっと私が言ってもわからないよね」

オレは今まで会ってきたメンバーさんの笑顔が何故かよぎってしまった。
子供の伝言を聞いて泣いてくれたメンバーさん、笑ってくれたメンバーさん達。

オレは女の子に言った。

「握手会ってのはメンバーが覚えているか、こっちを知っているかは問題じゃない。
自分なりに大好きなメンバーさん達に気持ちを伝えて応援することが大事なんだ」

女の子は

「うん、よく考えたら、優子さん今日私を待っている訳じゃないよね、
いっぱいのファンの人と握手するんだもんね。だから私もお礼を言わないと」

って決意した。でも手は震えていたので、オレはうまくいくからと励ました。
そして列は進んでいよいよ優子さんまであと数人というところまで来た。

オレの作戦は決まっている。全国握手会の専用技「ジェットストリーム握手」だ。
まず、オレとスタッフで先にメンバーさんのところに行って、メンバーさんに
事情を話して迅速にバトンを繋いでいってお子さんにつなげるという技だ。

しかし、この方法も結局は握手する人次第になる。大切なのは気持ちだ。

オレは何回も握手ができる機会がある。でもこの女の子は今日しかない。
そう考えると、オレはただ優子さんを信じるしかなかった。いや、信じていた。

見ると剥がしは早い。これはオレができる限り早く伝えて、すぐに繋いで
女の子にできる限り時間を回さねばと判断した。

そして優子さんとの握手がやってきた。ここからは会話レポ

オレ「いつもお世話になっています」

優子さん「あー!来ましたね!お久しぶりです!お体は・・」

オレ「すみません!山田町の感謝状を書いた子を連れてきました」
   ※会話を切って、後ろの女の子を指差す

それまで満面の笑顔だった優子さんは一瞬「え?!」となったが、
目を細めて微笑んでくれた。そしてうなづいてオレに言った。

優子さん「はい。任せて下さいね」

優しい受け答えだった、今まで握手をしてきたが優子さんは嘘をつかない。
約束を守れるときににだけ見せる顔だった。オレは確信をしてすぐに離れた。

後ろで会話が聞こえる

優子さん「ありがとう。よく来たね。嬉しかったよ、ありがとうね。待ってたんだよ」

女の子「あ・・・あの、感謝状とお返事、ありがとうございました」

オレはりえちゃんに田野畑に来てくれたお礼を伝えてテントを出た。
外で涙をこらえるのに必死だった「待っていた」その言葉が嬉しかった。

そして会場の外で女の子と待ち合わせる。女の子は少し微笑んでいた。
残りの握手券をどうするのか聞くと、できる限り優子さんのところに行って、
みんなの分お礼を言って、最後まで応援してあげたいと女の子は言った。

そして女の子とオレは優子さんをまた回った。

オレは「本当にいつも気にかけてくれてありがとうございます」と頭を下げる

優子さんは

「いいんですよ!こちらこそ、いつもお疲れさまです、また会えますよね?
体を大切に!」と見送ってくれる。

もう大丈夫だろうと安心して女の子にバトンタッチをして会場の外に出た。

そして最後の握手になり、オレは会場の外で女の子を待った。
しばらくして女の子が笑って走ってきた。オレは笑顔の女の子に驚いた。

女の子はオレに笑いながら最後の握手の事を話してくれた。

私がもうこれで今日は最後です、ずっと応援してます。って言ったら優子さんがね
いきなり顔をさわってきて撫でてくれて笑って言ってくれたんだよ。

「笑うとね、笑顔がいいよ。エクボが可愛いよ、また会おうね」

そしてね、後ろの人が時間ですって言っているのに、優子さんはね
ずっと笑ったままで手を離さなかったんだよ、すごく嬉しかったよ、
キバさん、わたし笑ったほうが可愛いって言われちゃったよ。

オレはそうかい、そりゃ良かったな!ちょっとお祝いにジュース買ってくるわ!
って言って離れて自販機のところに行って泣いた。

優子さんはわかっていたのだ。女の子が心から笑えない事を見抜いたのだ。
自分に出来ることとして、わずかな時間で女の子の心を開けてくれたんだ。

女の子は待っていた両親に堰を切ったかのように握手のことを話した。
ご両親は「こんなに笑って、よほど嬉しかったんだね。優子さんに感謝しないとね」
と、笑いながら涙ぐんでオレに何度も礼を言ってくれた。

女の子はお土産にAKBバックと優子さんの推しタオルを買って、
嬉しそうにみんなと一緒に帰り道を歩いていた。女の子は笑って

「優子さん、優しかったよ。笑顔がいいねっていってくれたんだよ。
手を離さなかったんだよ、焦っちゃったけど嬉しかった」

って何度も話してくれた。オレは震災から今までの事が頭をよぎって
「そりゃ良かったなぁ」ていうのが精一杯だった。

女の子が笑顔で言う。「また優子さんに会いたいな、どうしよう。頑張らないと!」

オレは「ハハハ、オレのようなヲタにはなってはいけないぞ。
なぜなら生写真は底なしだからな!」ってオチをつけたが軽く無視された。

こうして、岩手県のAKB握手会は山田町の子供たちや親御さんが
それぞれ、メンバーさんにお礼を言ったり、握手したりして無事に終わった。

その後の親御さんの報告では女の子や子供たちは見違えるように
笑って、一家も凄く明るくなったそうだ。子供たちや女の子は
今度からは自分でファンレターを出すよ!ってわざわざ報告してくれた。

AKBGの皆さんが山田町を訪問してくれて一年半、
正直被災地はどうなったかといえば、あまり変わっていないかもしれない。
オレ自身、津波で家が跡形もなく流されたがそのまま荒地になっている。

復興は被災地の人々の意思があってこそ、優先されそれに基づいて
望む形で行われるのが一番だと思う。しかし、被災して失った人がいきなり
未来を考えて動くなんて正直難しい。だからこそ、心の元気と笑顔の種があって
そこから芽吹かせて復興する意思が育ち、未来を創って行くのだと思う。

復興は長くなる。おそらく今の小学生や中学生にも受け継がれるだろう。
大人として、子供にそんな荷物は残したくない。今は明るい未来で
子供たちが羽ばたいていけるように、大人たちが街を作って行かねばならない。

大人たちは忙しくなる。だからこそ子供たちには、一番の夢を見て欲しい。
AKBGのメンバーさんに出会う、それが子供にとってどれだけの事か。
オレは子供達のそういう目線を決して忘れてはいけないと思った。

以上引用

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