無患子(むくろじ)

2008-05-19 | Weblog
 


私が小さい時 母の実家によく連れて行かれました。
門を入るとすぐ側に 大きな(10mもあるような)無患子の樹がありました。
この樹は 母の曾祖父がお伊勢参りの時に持ち帰ったそうですから 百年を超す大樹となって茂っておりました。
夏になると枝先に淡緑色の小花がいっぱい咲き その花が「ハラハラ、ハラハラ」と音を立てて散り、下一面を花で埋め尽くすのです。そう、桜がいっきに散ったように。。。

秋には落葉後 2㎝くらいの実が落ちていました。
その実の中に一つ黒くて固い種子があり これは正月の羽根つきの球に用いられるとか・・・

『無患子』と書いて「むくろじ」と読み 子供が患わ無いように(無病息災)、との願いがある木だそうです。


寒さに弱く、北国ではあまり見ることが出来ない木を どのようにして越冬し育てたのか・・・と母の兄弟たちは誇りにさえしていた樹でしたのに 4~5年前から 樹の中が空洞化して枯れ始めました。
叔父は手先の器用な人ですから 思い切ってこの樹を倒した後 輪切りにして乾燥させて 腐れた部分を取り ラッカを塗って 「思い出の樹」として兄弟みんなに分けてくれたのです。
(私は姪なのに 私も頂いて来ました。)
拾った実はお数珠に作ってくれました。


これが無患子の輪切りです。
今はペコちゃんの館です。