数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク(281)  バカップルの末路

2024-09-09 10:49:24 | 漫画のシナリオ
(281)バカップルの末路

四百字詰原稿用紙換算12枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあり、季節は常に真夏である。

登場人物

詠晴(ヨンチン。20)
175㎝。ひっつめ髪を後ろでお団子にした清楚な美女。リンの娘。

リン・正雄(70)
170㎝。日台のハーフ。全白髪に近い、まだら白髪で口髭をたくわえた紳士然とした男前。

梅花(メイファ。50)
165㎝。リンの妻。髪をひっつめて後ろでお団子にした清楚な美人で二十五歳位に見える。

宮崎文雄と瓜二つのオッサンとバカげな婆あ。

石川翔(17)
170㎝。修一と同クラス。101話から登場。大富豪で黒縁メガネをかけた品のいいイケメン。武器の発明で財を成した。

お春(20)
170㎝、甲賀忍者の末裔で114話から登場。凛とした美人で石川翔の影働きをする使用人。

執事(60)威厳のある顔。

美人のメイド三人(共に25) 。

N=ナレーション&呟き


   アパッチから「シュッ」と発射されたミサイルがくねりながら50m先の コンテナに向かって飛んで行くのを各々がバイクに跨って眺めている。

   「シュパッ」と命中し閃光と共にコンテナとトラックが跡形もなく霧散したのを見て「ふー・・・」と溜息をつき、
リン(何度見てもすさまじい威力。この開発者に会えると思ったら武者震いしてきた・・・)

   アパッチを方向転換させながら、
修一「では、皆さんまいりましょうかね」と言う修一に習い詠晴達も転回する。

   空の絵に「プルルルル」とエンジン音と詠晴と修一の会話、
  「ねえ修ちゃん、けっこう走ったけど、このまま真っ直ぐでいいの?」

  「うん。もう少し行ったら交差点があるから、そこを左折したらすぐに着くわ」

   他車のいない片側二車線の道路をバーグマン、アパッチ、トライクの順に一列になって走ってるのを上から俯瞰した絵に修一と詠晴の声、
  「きっとヨンチンが喜びそうなご馳走を用意してまってくれちょるぞ」

  「わーい、楽しみだな~♪」

梅花「(微笑ましそうに)ヨンチンたら、岩城さんと一緒なのがよっぽど嬉しいのね」

   しみじみと、
リン「ろくでもない男に惚れなきゃいいがと心配だったが、本当によかった」

リン(相手次第では消すつもりだったが・・・)

   修一のメットの耳部に詠晴の声、
  「あらら修ちゃん、だれかが煽り屋ぽい奴に絡まれてるから助けてあげて」

修一「(うんざりし)やれやれ、毎回こんな場面に出くわすのう」

注、宮崎文雄と瓜二つの男が車を斜めに停めて進路をふさぎ、信じられぬほどの大口を開けて怒鳴りながら後続車に向かってゆき、片
割れのバカげなババアがそれをガラケーで撮っている。後続車の大人しそうなカップルは恐怖に青ざめている。


   窓を開けた車内で怯える男に、
宮崎「てめえーっ、俺を煽りやがって危ねえだろうがーっ」

男 「あ、煽ってきたのはお宅のほうじゃないですか」と反論する横で彼女が怯えている。

宮崎「やかましいっ、おれに喧嘩を売ってんのか―っ!」と大口を開けて物凄い形相で怒鳴る。

   カップルの車の後ろに詠晴と並んで停止して、怒鳴る宮崎を見て感心し、
修一「よおもあんなに口が開くもんじゃのう。顔の半分以上が口じゃないか」「顎の関節がよっぽど発達しとるんじゃろうのう」

   ぷっと吹き、
詠晴「私もおんなじこと思った」

   突然、宮崎が男に猛烈な右パンチをくらわす。

   が、当たる寸前に顔の見えない誰かに拳を掌でバチンと握られる。

   宮崎が驚いて相手を見ると、
修一「(呆れたように)われ、よおもそがあに口が開くのう。カバかと思うたぞ」

宮崎「(不敵な表情で睨み)われ?」

修一「(不敵な表情で睨み)おう、われじゃ」

修一「カバのオッサンの方がええか?」と言いざま握った拳をボキボキ捻りつぶされ宮崎が「ぐぎええーっ」と悲鳴をあげる。

   リン達と並んで眺め、
詠晴「(冷ややかに)ざまあみろ。修ちゃんに見られたのが運の尽きだね」

   ガラケーで撮りながら慄き、
ババア「あ、あんた・・・」

   凝然としてる車内のカップルに、
修一「(優しい表情で)あとは引き受けたけん、お宅らはもう行きんさい」

男 「あ、有難うございます。殺されるかとチビリそうだったんです」と女と共に頭を下げる。

   カップルの車が走り去り、修一の前に集まったリン達に、
修一「(ポケットに手を入れながら)さて」

   ポケットから取り出したギロチンを伸ばして見せ、
修一「リンさんが喜びそうな武器をお見せしましょうかね」

注、ギロチン=長さ60㎝のピアノ線状の物で両端の膨らみにAIが内臓され、修一の命令で首に巻きついて一瞬で切断する。

   ギロチンを不審げに見て、
リン「ただのピアノ線・・・にしか見えませんが・・・」

   ぐるぐる巻きにしたギロチンを掌に包み込んで、
修一「ただのピアノ線かどうか乞うご期待」

   片膝をつき折れた指を庇って「うぐぐうう」と呻く宮崎に、
修一「われ、今まで何人の人を煽って不快な思いをさせてきたんな?」

宮崎「ううぐぅ、ゆ、指の骨が折れたから救急車を呼んでもらえませんか・・・」

   次の瞬間、修一に顎を「ガヅッ」と蹴りあげられて血反吐と共に歯を三本吹っ飛ばされて「ぐぶっ」と叫んでゴツンと後頭部からひっくり返る。

   血まみれの宮崎の顔面をグリグリ踏みにじり、
修一「そがあなこと聞いちゃあおらんわいやっ、何が救急車じゃ」

   尚もグリグリ踏みにじり、
修一「おどれが善良な人らを病院送りにしてきたんじゃろが、このクソ虫がっ」

   ガラケーを構えて恐怖に慄くババアに、
修一「おう、ガラケー婆あ、こっち来い」

   婆あが怯えながら寄ってくる。

   婆あの髪をぐわしっと引っ掴んで引き寄せ、
修一「そこに気をつけして立っちょれ」

   昏倒してる宮崎の顔面をドガッと蹴り、
修一「いつまで死んだ振りしちょるんなっ、一秒で立たにゃ首をへし折るぞ」

   ガラケー婆あの横に宮崎がよろけながら立ち上がったのを見て呆れ、
修一「まさにおどれらは似合いのバカップルよのう」

   うんうんと頷き、
詠晴(類は友を呼ぶとはよくいったものだわ)

   優しい表情でリン達に振り向き、
修一「はいっ、お待たせしました。一瞬なのでよーく見てて下さいね」

   パっとギロチンを宙に放り、
修一「バカップルを殺れ!」

   宙で円を描いて回転するギロチンをリン達が呆然と見て、
リン(なんと、人の言葉を解するのか・・・?)

   ギロチンが目にもとまらぬ速さで「ヒュン」と宮崎の首に巻きつき、間髪入れず婆あの首にも巻き付いて切断すると宙で回転して待機する。

   二人の首の切断面から血が一筋流れる。

   首がわずかに「つ」とずれる。

   二人の首が同時に「ドサッ」と地面に落ちたのを見てリン夫妻が驚愕し、詠晴が「ひえっ!・・・」と悲鳴をあげる。


   石川邸の外観にN『バカップルをミサイルで跡形もなく始末してから石川邸にやってきた』

   リン、梅花、詠晴の三人が石川邸を見て驚愕してる顔のアップ(三人の背後には広大な芝と、その向こうには森がある)。

注、大きな玄関の扉を開け放した石川邸はトランプの別荘をそっくり模したもので、屋敷の前に執事とメイド達(ダウントン・アビーの
メイドと同じ制服で丈は膝が隠れる長さ)が整列し、リン達をうやうやしく迎える。


   邸を見て立ち尽くしてたじろぐリン達(修一は玄関に向かって歩んでいる)の上半身を背後から見た絵に驚嘆の声、
詠晴「・・・う、うそでしょ・・・」

梅花「日本にこんな大邸宅があったとは・・・」

リン「それもトランプの別荘をそっくりそのまま作るとは、どれほどの財力の持ち主なんだ・・・」

   尚もたじろぎ、
リン(とても一代で財を築いたとは思えないし、私と同年代か上の人に違いない・・・)

リン(そんな年配の人と岩城さんが知り合いだとは・・・)

   ふと中空を見上げたらB1が二機と、オニヤンマが一匹飛んでるのを見て感心し、
リン(屋敷の周りをつねにB1が見張ってて、まさに塀のない鉄壁の要塞だな・・・)

   オニヤンマを訝し気に見て、
リン(しかし、あのオニヤンマはB1が怖くないのだろうか・・・)

   玄関に出迎えた石川と修一が和やかに話しながらこちらに歩んでくるのを見て、
リン(おや、この屋敷の主の息子さんかな?)

注、石川は半袖のカッターシャツに黒ズボン、スニーカー姿である。

   緊張してるリン達の前に立って穏やかな表情で、
石川「ようこそ。リンさんのことは修ちゃんから聞いてますので今日はゆっくりしていって下さいね」

石川「(さり気なく)報告することもあるし」

   えっという顔で驚き、
リン(初対面なのになにを報告することがあるんだろ・・・)

   ぽっと頬を染めて石川に見惚れ、
詠晴(知性が顔に滲み出てて、なんて綺麗なひとなの・・・)

   詠晴を冷やかすように、
修一「うっとり見惚れるほどいい男じゃろ」

   頬を染めて頷き、
詠晴「女性が男装してるのかと思った・・・」

修一「くっ」と吹く。

   皆の膝から下の足の絵に石川の声、
  「さ、みなさん、アフタヌーンティーの用意をしてるのでどうぞお入りください」

注、室内はトランプ邸の内部とまったく同じ豪華絢爛。重厚な長いテーブルの一方の真ん中に石川。対面に修一、リン、詠晴、梅花の
順に掛けている。テーブル上には人数分の豪華なアフタヌーンティーのセットがのっていて三人のメイドが各々のカップに紅茶を注ぐ
のを執事が見守っている。

   リン達がメイド達を呆気に取られて見てる中、B1と毒液のスペアが入った箱をテーブルの上に差し出して修一に、
石川「はい、修ちゃんにたのまれたB1ね」

   箱を手に取って中を見て、
修一「有難う。たんびに悪いね」

石川「(優しい表情で)いいの、気にしないで」

   メイドに紅茶を注がれながら、
石川「修ちゃんには守らなきゃなんない人が一杯いるから」と言う石川を見てリン達が驚く。

リン「(石川に)あの、あなたのお父さんがB1やミサイルを作られたんですよね?」

石川「いえ、ぼくが作ったんですよ」

   詠晴、梅花と共に驚き、
リン「は?!・・・」

   サンドイッチを食べながらリンに、
修一「石川君は兵器の発明家でアメリカの国防総省やマフィアに武器を売っちょるんじゃがね」

修一「あまりにも儲かりすぎて金の使い道に困りシャレでこの屋敷を建てたんだって」

   リン達がポカンとした顔で、
リン(シャレでこの大邸宅を・・・?)

   黄八丈の着物を着て石川の横に立った女の下半身の絵にお春の声、
  「みなさま、ようこそお越しくださいました」

   リン達に軽く会釈し、
お春「当家の主、翔様の心づくしを召し上がりながらどうぞくつろいで下さいませ」

注、お春(20)は日本髷を結い、黄八丈の着物を着ている。

   お春の凛とした美しさにリン達が圧倒されてぽかんとする。

              つづく


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