姉の病室は脳神経外科の病棟。
人間の中枢を病んでる人達が白く長い廊下の向こう
の木々の緑に戻らんと頑張ってる様子を
見聞きしている。
私が見えるやいなやグローブをはめられた手をはっきりしない言葉で
「とって とって」と。
すべて完全看護なので私は自由になった左手を嬉しそうにする姉を見守るのみ。
切ないが出来るだけのことをできるだけやろうと・・・・
山のあなた
カール・ブッセ
上田敏訳 『海潮音』より
山のあなたの空遠く
「幸さいはひ」住むと人のいふ。
噫ああ、われひとと尋とめゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸さいはひ」住むと人のいふ。
病室近くの窓から見えるsun setに向って・・・
病院通い10日目、少し落ち着いた姉の症状に天空に
居る時間が増えた。
家族のミー太郎の嬉しさと信頼と甘えが右手に。
気になっていた姉のタオルケット交換をした。
自転車で室の木に、そして駅前まで、バスにて国病に。
うーん 少し痩せるかなー
「おばーさんは痩せると、もっとおばーさんになるよ」に
ほどほどの削ぎを・・・・
病室で出会う看護師さん、「白衣の天使」は今やパンツ姿でパソコンを駆使している。
今日は「ナースの日」、ナイチンゲール生誕祭のキャンドルサービスが170人余の看護学生
で厳かに行われるのに出会った。
見上げる病院の
病室、廊下、いろんな所で様々な人間模様に出会う。
今、少しでも役立ってる自分がいることに感謝している
姉が倒れて5日目、少しではあるが覚醒が感じられる。
「むすんで ひらいて・・・」
「てくてくてくてく 歩いて行って・・・」
などをやった。
これからが正念場だけど触発の危険度は少なくなった。
後は肺炎が心配。
起こしてくれとすごい力で動くので体縛られてしもうた。
「はずして」はつらい。
現状認識が出来るような覚醒を祈る。
雨にけぶる天空見てたら今自分がやることいっぱいあるのに
なんだか「あの中に入りたいなー」なんて-思考が・・・
もう寝る!