あの世への道に、最強の縁切り神社も。伝説が残る京都の名所6選
TripEditer より 石黒まり花
長い歴史を持つ日本には、全国のあちこちに都市伝説や噂とよく似た「言い伝え」が存在しています。
願いが叶う、宝くじが当たる、恋が実るなど、ポジティブな言い伝えもあればその反対もあるのが当然。暑い夏、背筋をヒヤリとさせる言い伝えが残る、ちょっとおどろおどろしいスポットへ出かけてみるのも一興です。
今回はさまざまな思いを残していそうな街「京都」のそんなちょっと怖い言い伝えが残るスポットをご紹介します。夏のお出かけの参考にしてみてくださいね。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
🕌悪縁を断ち切る「安井金比羅宮」
京都では最強の「縁切り神社」と呼ばれているのが「安井金比羅宮[やすいこんぴらぐう)」です。縁という目に見えない厄介なものを断ち切りたいと願う人々の間ではとても有名。
境内の絵馬掛けどころには執念とも怨念ともつかない願い事の書かれた絵馬がたくさんあり、独特の雰囲気に背筋がヒヤリと。
しかし、安井金比羅宮は「縁切り神社」でありながら「縁結び神社」でもあります。幸せに不要な悪縁を断ち切り、良縁を結んでくれると評判で、縁結びの願掛けに訪れる方も多いのです。
境内にご鎮座する「縁切り縁結び碑」には、願いの書かれた形代がびっしりで、少し異様な雰囲気。人によっては怖いと感じるでしょう。
形代に願いを書き、縁切り縁結び石の中央の穴を通り抜け、そして戻ることで悪縁を断ち切り良縁を結ぶことができるといわれています。
⚫︎安井金比羅宮
京都府京都市東山区下弁天町70
>>>悪縁を断ち良縁を結ぶ。京都最強の縁切り神社「安井金比羅宮」
🕌あの世への道?「六道の辻」
この世と死後の世界、いわゆる「冥界」との境目だと平安の人々が信じていたのが「六道の辻(ろくどうのつじ)」です。
清水寺から西に少し進んだ場所にある三叉路の辺りで、現在は「六道之辻」と掘られた石碑が佇んでいる以外は、普通の道路に見えます。しかし実はこの三叉路から先は、昔は死者が運ばれていく場所だったのです。
いまは人が亡くなれば火葬するのが通常ですね。しかし平安時代の日本は火葬ではなく、遺体を野ざらしにし、鳥などの力を借りて自然へと返す「鳥葬」が主流でした。
その鳥葬が行われていた場所のひとつが、この六道の辻の先にあるエリアだったため、この先は死者の世界とされたのです。
六道の辻の近くには冥界へと続く井戸を持つ「六道珍皇寺」や、子どものために飴を買いに来る母親の幽霊がいるとされている「幽霊子育飴」の伝説などが残されています。
⚫︎六道の辻 大椿山 六道珍皇寺
🕌出会うと命を落とす…?百鬼夜行の通り道も
出会ったら命を落とす?百鬼夜行の通り道「一条妖怪ストリート」
平安時代から室町時代にかけての伝説に登場する「百鬼夜行」。『今昔物語』や『宇治拾遺物語』などの説話集に登場する他、絵巻などの題材にもされています。
妖怪たちが一列になって練り歩く百鬼夜行は、出会うと命を落とすといわれ、貴族も町民も暗闇を歩くのをとても怖がったのだとか。
そんな百鬼夜行の通り道と伝説が残るのが「一条通り」です。一条通りにある大将軍商店街は「妖怪ストリート」として年に一度、現代版の百鬼夜行が行われる場所でもあります。
毎年10月に行われる「妖怪仮装行列」は、商店街の雰囲気と相まってコスプレの域を遥かに超えたクオリティと大評判。SNSなどでも注目大!
百鬼夜行の時期以外でも通りのあちこちに妖怪の人形が置かれ、歩いているだけでも楽しめます。
⚫︎大将軍商店街 一条妖怪ストリート
京都府京都市上京区一条通
出会ったら命を落とす?百鬼夜行の通り道「一条妖怪ストリート」
平安時代から室町時代にかけての伝説に登場する「百鬼夜行」。『今昔物語』や『宇治拾遺物語』などの説話集に登場する他、絵巻などの題材にもされています。
妖怪たちが一列になって練り歩く百鬼夜行は、出会うと命を落とすといわれ、貴族も町民も暗闇を歩くのをとても怖がったのだとか。
そんな百鬼夜行の通り道と伝説が残るのが「一条通り」です。一条通りにある大将軍商店街は「妖怪ストリート」として年に一度、現代版の百鬼夜行が行われる場所でもあります。
毎年10月に行われる「妖怪仮装行列」は、商店街の雰囲気と相まってコスプレの域を遥かに超えたクオリティと大評判。SNSなどでも注目大!
百鬼夜行の時期以外でも通りのあちこちに妖怪の人形が置かれ、歩いているだけでも楽しめます。
⚫︎大将軍商店街 一条妖怪ストリート
京都府京都市上京区一条通
🕌日本三大怨霊を祀る「北野天満宮」
昔の日本では恨みや心残りを持ったまま亡くなってしまった人は「怨霊」になると考えられていました。
マイナスな気持ちを強く持ったまま亡くなった人の怨霊は、生きている人々にさまざまな厄災をもたらすものと信じられていたのです。
「日本三大怨霊」のひとりに数えられる菅原道真を祀っているのが「北野天満宮」。神童と呼ばれ、出世街道を走っていた菅原道真は無実の罪をきせられ左遷され、太宰府で亡くなってしまいます。
その後、天皇家や宮廷内に死亡者が多発したことから菅原道真の怨念のせいと考えられるようになり、その怒りをおさめるために北野天満宮を建立して祀られました。
現在の菅原道真は、学問の神様として信仰を集めています。北野天満宮も怖い印象は全くなく、怨念をおさめるために建立された神社とは思えない美しい観光スポットです。
⚫︎北野天満宮
京都府京都市上京区馬喰町
🕌全国でも珍しい閻魔大王様を祀っている?
地獄の裁判長!千本ゑんま堂の「巨大閻魔様」
お寺のご本尊といえば、お釈迦様や阿弥陀如来様など神様であることが通常です。しかし京都には裁判長と呼ばれる閻魔大王様が御本尊のお寺が存在します。それが「千本ゑんま堂」の通称で知られる「引接寺」です。
千本ゑんま堂の御本尊は、高さ約2.4mの巨大な閻魔大王様。大きく口を開け、眉間にシワを寄せ、目を見開く怖いお顔が特徴的です。
像だと分かっているものの、目に前に立つと身がピッと引き締まる思いのする迫力あふれる御本尊。実はこの閻魔大王様の怖いお顔には、私たち人間を思うからこその深い理由があります。
怖い顔で地獄の恐ろしさを語り、間違った道へと進まないように諭してくださっているお姿なのだとか。気合を入れたい方、身を引き締めたい方は千本ゑんま堂へ閻魔様に会いに出かけてみましょう。
⚫︎引接寺(千本ゑんま堂)
京都府京都市上京区閻魔前町34
🕌安倍晴明とも深い関わりがある「一条戻橋」
晴明神社にある一条戻橋
「六道の辻」のように、この世のあの世の境目とされる場所が京都にはいくつか存在します。一度足を踏み入れると戻れないあの世への道ですが、死者が蘇るという伝説が残る特別な場所が「一条戻橋(いちじょうもどりばし)」です。
京都府上京区、堀川にかかる小さな橋は平安京の時代からこの場所にあったとされています。この戻橋には不思議な伝説がいくつもあるんですよ。
戻橋の名前の由来は、この橋の上で死者が蘇ったとされる伝説から取られたもの。この伝説は『撰集抄(せんじゅうしょう)』という、仏教の伝説集に書き残されているお話です。
その他、安倍晴明の父もこの場所で息を吹きかえしたという伝説があったり、橋の側には安倍晴明の式神がいるともいわれてもいます。すぐ近くには「晴明神社」もご鎮座しており、伝説に現実味が増しますね。
⚫︎一条戻橋
京都府京都市上京区主計町 一条通り
◆夏は京都で異世界気分を堪能してみては?
今回は京都のちょっと怖い伝説や言い伝えが残るスポットをご紹介しました。深い歴史を持つ京都ならではの、ただの言い伝えとも、嘘とも言い切れないお話の残るスポットは、通常の観光地とは異なる独特の魅力にあふれています。
暑い夏だからこそ、少し背筋がヒヤリとするおどろおどろしいスポットへ異世界旅行気分で出かけてみませんか。
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