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大手レンタル店もCD買い取り終了 「円盤」は思い出だけ残して売れるうちに売るしかない 202211

2022-11-11 03:20:09 | なるほど  ふぅ〜ん

大手レンタル店もCD買い取り終了「円盤」は思い出だけ残して売れるうちに売るしかない
Newsポストセブン より 221111


 レンタルビデオショップ・リユースショップなどを全国に展開するゲオホールディングス傘下のレンタル店「ゲオ」が9月末でCDの買い取り受付を終了した。
 その少し前にはハードオフの一部店舗でCDの買い取り受付が終了、ツタヤもフランチャイズを中心にレンタル事業の撤退が相次いだ。
 CD・DVDセルショップもネット通販に押されて久しい。
かつてはCDの売上枚数がアーティストやアイドルの人気や成功の証だったが、今ではネットでの再生回数やダウンロード数が指標だ。

 俳人で著作家の日野百草氏が、その形状から「円盤」と呼ばれることもあるCDやDVD買い取りの現実について聞いた。
 * * *
「いよいよ『円盤』の滅ぶ時が来るのでしょうね。レンタルはもちろん、DVDもCDも、ひと昔前に比べればまったく売れないし、物にもよりますが買い取りも躊躇するレベルです」

 長く複数のリサイクルショップを地場で手掛ける経営者(50代)が語る。
『円盤』とはDVD(文中、Blu-ray含む)やCDのような光ディスクのことを指すネットスラングとされる。とくにアニメやアイドルなどのコンテンツに使われる言葉で、例えば売れなかったアニメのDVDに対して「円盤500枚爆死」(そのアニメのDVDが500枚しか売れなくて失敗、ということ)などと使われる。
 もちろん出荷枚数はそれより多く、調査対象に入っていない販売店もあるため厳密な数ではないが、500枚ではまさしく「爆死」である。
 しかしいまやその「爆死」,コンテンツの出来不出来に関わらず珍しくなくなって久しい。CDはともかく、DVDは本当に酷い。

「100枚くらいしか売れないアニメとかありますからね。コロナ前は声優のイベントチケットとかつけて何とかなってましたけど、それもコロナで休止、やっと最近イベントそのものは復活してきましたけど、それで円盤の売り上げが復活したかというとそうでもないでしょう。むしろ終わりに近づいているのでは。
 アニメがどうこうというより、もう円盤が時代じゃないのでしょうね」

 円盤を売るためにイベント応募券、ライブ応募券や握手券をつけることは当たり前になっていた。しかしコロナ禍にそういったイベントは軒並み自粛、インターネット全盛のいま円盤単体で勝負できるはずもなく、絶望的な売り上げ、まさしく「爆死」ばかりとなった。
 現在でもそれなりに売れる円盤はあるが、それらの多くはイベントやライブなどの特典目当てや熱狂的な固定ファンによる推し活的な複数枚買いの買い支えが実情で、市場全体で円盤の売り上げが戻ってきたとは言い難い。
 DVDにしろCDにしろ、役目を終えつつあるということか。

「以前からうちの買い取りも、物によっては限りなく『0円』ですよ。人気のある無しは必ずしも関係なくて、応募券欲しさに同じ円盤を大量に買う人が、いらない円盤を持ち込んでくる、そういうアイドルとかアニメ声優のファンの円盤はいらないですね。在庫のダブつきが半端ないんで。握手券で有名なアイドルなんかずっとそれです。声優系のガールズバンドとかはまだ値段がつくかな、それでも数百円ですね」

 おっしゃる通り、物にもよるのだろうが、大量に持ち込まれる円盤ゆえに値段は暴落する。イベント応募のシリアルナンバーや握手券、特典さえ手に入ればあとはどうでもいい、とまで言わないまでも「視聴用」「保存用」など数枚あれば済む話で、あとは即売却となる。当然、中古ショップやリサイクルショップとしては買い取り額を下げるしかない。

「某アイドルグループとか、まったくいらないCDもありますね。物によっては買い取り拒否です。握手券に価値があるわけですから、食玩で言えばCDがガムで、握手券がお目当ての玩具というわけです」

 食玩とは食品玩具のことで、いわゆるグリコのキャラメルとかカバヤのビッグワンガムのような、お菓子に小さなおもちゃやプラモデルがついてくる類いの商品だ。一概には言えないかもしれないが、あのガムを目当てにビッグワンガムを買う子どもは少なかったろう。それと同じということか。

「そういうことです。そもそも円盤を欲しがる一般人は減りつつある。いても一部のマニアです。ユーチューブやサブスクもあるわけですから」

⚫︎レーザーディスクのようになったら悲惨
 ライト層にすれば動画配信サービスの充実した昨今、いちいち出し入れの面倒で高価な円盤を買う必要がない。
 コロナ禍以前まではまだ「あの作品はDVDでなければ」「あの曲はCDでなければ」という作品もあったが、コロナ禍の需要の変化は一気に消費行動を変えた。
 サブスクもコンテンツを増やし、むしろ未CD化、未DVD化の作品はサブスクのほうが揃っていたりする。家庭のインターネット環境も充実した現在となっては、いちいちCDデッキやDVDデッキに円盤を入れたり入れ替えたりの面倒な作業をするライトユーザーは少なくなっているのだろう。

「それにDVDやCDの専用再生機そのものが減ってきてるんですよ。うちでも中古で取り扱ってますが、マニアにはひと昔前の中級機とかよく売れます」

 これもある意味マニアの話かもしれないが、かつての主流だった、いわゆる3万円から5万円程度のDVDデッキ、CDデッキが姿を消し始めている。CDプレーヤーはピュアオーディオ関連でまだ多少の需要はあるが、DVDプレーヤーに至っては国内大手メーカーの新品でも1万円前後が多くを占めている。

「ゲーム機でもノートパソコンでも再生できるわけですから、そもそも専用機を買う人なんて少ないでしょう。あと、その専用機も昔に比べてちゃんと作ってませんよね。とくにDVDプレーヤーは筐体もプラモデルみたいにペラペラでトレイも貧弱、日本の大手メーカーすらそんなものしか作らない時代です」

 メーカーも売れないものにコストはかけられない。大半の安価なDVDプレーヤーは高齢者向けになっていて、リモコンのボタンも日本語表記も大きかったりする。もう若者は買わない前提ということだ。

「そもそもノートパソコンで再生できるってさっき言いましたけど、最近のノートパソコンは光学ドライブついてないですからね。そのノートパソコンすら、タブレットやスマホで済む層には敬遠されているのに、ゲーム機だってこれからどうなるか」

 すべてダウンロードで済む時代、ゲーム機、例えばPS5の『PS5 Digital Edition』はダウンロード専用機だ。すべてのモデルで光学ドライブの廃止は時間の問題だろう。ノートパソコンに至っては17インチ以上のクラスでも内蔵していないモデルが大半となった。

「専業でないうちでもDVDやCDの扱いは減るいっぽうですから、大手の専業ともなるともっと厳しいのではないでしょうか」

 大手とはツタヤ、ゲオなどのCD・DVDのセル・レンタルショップのことだが、すでに円盤のレンタルは一部撤退や縮小、店舗の統廃合に追い込まれている。
 また多くは古着や中古家電などのリサイクルショップに既存店舗を転換し続けている。そちらのほうは好調だ。
 高額な円盤を購入する層ですら減っているのだから、借りて観る程度のライトな層が動画配信サービスに流れるのは必然だろう。

「厳しいことを言いましたが、いまならまだ円盤も物によっては値段がつきます。思い入れのある作品ならともかく、そうでないなら早めに売ったほうがいい。思うような買い取り額でなくとも値段がつくだけましです。レーザーディスクのようになったら悲惨ですよ」

 彼と筆者は古い仲で、元はと言えば1990年代、レーザーディスクのコレクションが縁だった。ちなみにレーザーディスク(LD)とは電機メーカーのパイオニアが普及機として実用化、事業化した商品で、直径30cmの大きな光学ディスクが特徴である。かつては映像鑑賞を趣味とする者、とくにアニメファンにとっての必需品だった。何万円、ときに何十万円もするレーザーディスクボックス(アニメ作品などを全話収録したボックス)は中古市場で高額取引され、投機とまでは言わないが一大市場を築いていた。

「でもDVDの普及で一気に駆逐されました。再生機そのものが商品として消え、高価なボックスも二束三文になりました。何万円もしたボックスがネットオークションですら数千円とかですからね。マニア目当てに高額つけてる業者もありますけど、その値付けで売れてる感じはないですね」

⚫︎CDやDVDは最初から劣化メディアだった
 作品にもよるが、レーザーディスクは現代の市場において「化石」と言っていいだろう。筆者の自宅にも購入価格で言ったら当時で総額100万円以上のレーザーディスクボックスや全話コンプリートの作品群が埃をかぶった百科事典のように並んでいる。どれも彼の言葉どおり二束三文、再生するLDプレーヤーはなんとか維持しているが、正直なところ再生確認に回す程度である。
 作品のほとんどはサブスクで大量に上がっているし、カルトで貴重な作品すら、一部は著作権侵害にも関わらず動画共有サイトに転がっている時代である。
 もちろんレーザーディスクソフトの買い取りはほぼ不可、買い取るマニア店舗でも「対象は一部のものに限定」である。重いし大きいし市場価値もない、もはやノスタルジーでしかない。DVDもCDも、円盤のすべてはこのレーザーディスクの運命をたどるということか。

「これは私の勝手な意見なんですけど、レコードほどの思い入れというか、文化的な意味は薄いと思うんですよね。光学系ってだいたいそうだと思うんですけど、マニアの戯言かもしれませんが、別にCDやDVDに音質や映像のアドバンテージってなかったし、むしろ最初から劣化メディアだったわけで。
 唯一の利点が当時の基準でレコードやビデオに比べてノイズが少なくて手軽だったというだけでしょう。ただノイズが少なくて手軽というだけなら、そりゃより手軽なネットに流れますよ」

 当初から抱えていた技術的なCDやDVDの弱点は本旨ではないため言及しないが、確かにアナログレコードに比べれば、という面があるのは筆者もわかる。
 レコードプレーヤーは大切に維持しているしこれからも、とは思うが、DVDプレーヤーやCDプレーヤーは「まあ、潰れたら次は適当なのでいいかな」という感覚である。
 マニア度の濃いレコードは一部とはいえ逆に残った。さらにごく一部とはいえ、DJ機器に重宝されたのも幸いだった。

「MDがまさにそれだったでしょ、うちでもMDソフトは買い取らないとは言いませんが二束三文ですよ。MDプレーヤーもまあ、完動品で中級機から上なら考えなくもないですが、オークション見てもそのクラスが1000円、2000円とかですからね。そもそも、いまの子だとMD知らないですよね」

 筆者もまさしくその中級クラスのMDプレーヤーを持っている。持っているというだけで、そもそも再生するディスクすらない。取材の録音が大半だったとはいえ、ずいぶん前にみな処分してしまった。

 拙筆『好きなものに囲まれて逝った40代オタク男は「孤独死」だったのか』でも、こうした古の映像メディアについて言及したが、「永遠に記録される媒体」として売り出されたCDやDVDといった光学メディアにもレーザーディスク同様、永遠なんか無かった。
 例えば、いまはそれなりに値のつくDVDボックスもこの道を辿るのか。

「まあ、そうなる前に売っちゃったほうがいいですよ。円盤、本当に終わりますから。私のように長く買い取り業者やってきた身だからこその忠告です。儲けたいから言ってるわけじゃないですよ、あんなもの、全然儲かりませんから、本当に親切心ですよ。私だってレーザーディスクで散々な目に遭ったんですから」

 そう言って苦笑する。筆者も苦笑するしかない。自宅には映画、アニメを中心に数千枚以上の「円盤」がある。言い方は難しいが、配信サービスでいつでも観られる上に本格的なオーディオシステムで構えて視聴するほどでもない作品は、さすがに円盤で手元に置くほどでないように思う。
 多くの方々もそうした事情も含めて円盤を買わなくなったからこそ、大手セルショップやレンタルショップは業態の変化を強いられ、円盤の売れ行きは以前に増して「爆死」なのだろう。

「ビデオだってそうだったでしょう。マニアすら、ビデオでしか出てない作品以外は処分した人が大半だったはずです」

 ビデオデッキは昨年、ついに処分してしまった。思い出の数本だけとっておいたが、もうデッキを買い直してまで再生することはあるまい。
 思えば昭和、1980年代にVHS『風の谷のナウシカ』を親の仕事の手伝いをして買った。妹が欲しがったのでVHS『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』も買った。いずれも1万円以上したが、もはや物質としての価値はない。新星堂のガラスケースに飾られたその作品をやっと手に入れ、繰り返し同じ作品を観た兄妹の思い出だけだ。

「懐かしいですね。日本も豊かだったし、豊かでなくても何とかなるって思えた。その象徴だったメディアが次々に消えるって、私だって寂しいのが本音ですよ。CDを初めて買ったときなんかキラキラ光ってて嬉しくて、大滝詠一とかボズ・スキャッグスとか、大事にケースの中に別売りのクッション(CD保護マット)まで入れて傷から守ったりね、もうそういう時代じゃないんでしょうね」

 文中、円盤についていろいろ厳しいやり取りとなってしまったが、残るはそうしたノスタルジーでしかないのだろう。筆者も購入者としてだけでなく、のちにメディア側で多くの円盤、とくにアニメDVDを手掛けてきただけに寂しい気持ちもある。

 いよいよその円盤がインターネットによって消えようとしている。これまでも2000年代から似たような言説が唱えられては消えたが、今回は数字上も本当(とくにDVD)なのだろう。もちろんCDなら数十万枚を売り上げるアーティストはいまもあるが、円盤で回収できなくなったアーティストから徐々にネット配信のみ、サブスク前提のなどの発表形態にシフトして行くのだろう。
 なんだかんだ、日本語圏のみに限れば円盤のほうが大きな売り上げの見込めるのが実態だ。川本真琴さんのサブスクを巡る意見もそうだったが、とくに90年代の円盤黄金時代を知る人にとっては円盤とDL(ダウンロード)の収益は桁が違う。
 だからこそいまもレーベル側は特典のコストをかけてもなるべく円盤で売ろうとする。しかしそれも限界の時が来たようだ。

 時代の流れといえばそれまでだが、個人の価値観はそれぞれとはいえ、かつてのビデオソフトやレーザーディスクと同様、思い出だけを残して売れるうちに売る、というのが賢明なのかもしれない。
 もちろん世代によっては「円盤の山とともに死す」もありだろう。かつて世界でも珍しく円盤がちゃんと売れる「円盤大国」だった日本、その良きこの国のガラパゴスもまた、世界的な動画配信サービスとサブスクの波に終わろうとしている。

【プロフィール】
日野百草(ひの・ひゃくそう)日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。社会問題、社会倫理のルポルタージュを手掛ける。



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