伊勢ー白山 道

集団では無く、社会の中で心身の健康を正しく個人で目指します

心で負けていなければ大丈夫

2016-09-23 11:01:59 | 釈尊の言葉 スッタニパータ編

人は、すべての葉が枯れ落ちた黒檀(こくたん:鉄のように硬い褐色の木)のようにスッキリと居なければいけません。

世俗の中に居ましても、家庭生活の苦労を表面に滲ませていてはダメなのです。

家庭生活からの束縛が有りましても、ひょうひょうとして生きることが大切です。

どんな交わり、集団の中に自分が居ましても、自分一人で歩く覚悟を持ちなさい。


まるで1本角(ツノ)が立つサイのように一人で歩みなさい。

(原始仏典 スッタニパータ 第1章3節-No.44)

(感想)
世間では、
「あの人は幸せそうに見える」「いつも楽をしているように見える」
と言われる人が居ます。
果たして、その人の生活は本当に幸せで楽なのでしょうか?

その一方で、大きな家に住む裕福そうな奥さんで、いつも眉間にシワを寄せて怒っているように見えてしまう人もいます。

果たして、どちらの生活に本当の楽が有るのでしょうか?

この項で釈尊は、本当は生活が苦しくても、それを自分の表面に滲ませているようではダメだと仰っています。
これは自分が苦しくても、虚勢を張ったり、見栄を張れ、貧乏を隠せ、と言っているのでは無いのです。

人は「生(性)老病死」、コノ世に生きる限りは必ず自分自身に不足が生じるような法則に出来た世界なのです。
だから、人それぞれに応じて、必ず苦労も不満も悩みも有るのが人間です。それでも、

* 自分の顔に苦労を滲ませているのは、その苦労に自分自身が負けている

ということです。苦労に負けている間は、その苦労からはなかなか卒業が出来ないのも法則なのです。
特に釈尊が生きた時代とは、生きること自体=苦渋の生活、でもありました。平均寿命は、現代の約半分でした。

* どんな苦労が有っても、それを自分の表面に滲ませている間は、その転生(生まれ変わり)は終わらない。

ということでもあります。
どんな苦労が家庭にありましても、それに束縛された風には見えず、ひょうひょうと生きることです。
ただし、その苦労からは逃げずに、努力をしていることが条件です
この継続は、苦労の克服と、次の段階への改善を現実に起こします。

会社では、独身のように小綺麗で楽しそうにしていましても、私生活では障がい児を抱えている女性もいます。
大きな苦労が有っても、それに負けていないのです。
やはりその継続は、包容力の強い観音顔への変身をして行かれます。

苦しさが自分の顔に出る間は、その苦労は継続するものです。
でも、何かが吹っ切れた時に、何かがスッキリと腑に落ち、その苦労から「逃げる気持ち」が消えて行くものです。
そして改善と、次の段階へと進む変化が現実に起こるものです。

この項は、釈尊が示す「生きる方向性」として知って置いて頂ければ十分です。
苦しいものは苦しい。これは現実です。
でも、スッキリと生活するべきだという方向性だけを認識していれば、やはり本当に変わって行くものです。

人生の羅針盤を「先に」知るだけでも、やはり無闇に絶望の中にいるだけとは天地の違いが後から生じます。
今日も自分なりに「明るく」生きましょう。これで良いのです。


カレンダーの意味は「月間の自然観察日」を順番に参照

* 今日は油断しやすい日です。防災意識で静観を。

生かして頂いて 有り難う御座います

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