伊勢ー白山 道

集団では無く、社会の中で心身の健康を正しく個人で目指します

「一即多 多即一」(いっしょくた。た・すなわちいち)

2016-09-28 11:03:15 | 釈尊の言葉 スッタニパータ編

もしも、
* 知恵があり、思いやりが深く。
* 自分と目的が同じである。
* 正しく生きようとすることを自分の修行とする。

このような友人がいる場合は、どんな因果、困難も気にすること無く。
あるがままに自然に、喜んで共に暮らして行けば良いです。
原始仏典 スッタニパータ 第1章3節-No.45

しかし、そのような同伴者を得られない場合は、どんな自分の栄華や実績も気にすること無く、

どんな交わり、集団の中に自分が居ましても、自分一人で歩く覚悟を持ちなさい。


まるで1本角(ツノ)が立つサイのように一人で歩みなさい。

(原始仏典 スッタニパータ 第1章3節-No.46)

(感想)
前半のNo.45の項は、釈尊の教えを共に求めて行くサンガ(組織)・仏教集団を形成していくことを釈尊が認めた、とする根拠の1つにされている項です。

「サイのように、ただ一人で歩け」と連呼する釈尊の教えなのに、どうして仏教集団が出来たのか?
という大きな根本的な矛盾を説明する項だとされています。

でも、この問題は、No.45だけを読みますと「釈尊が集団になることを認めた」と解釈されがちですが、No.46を読みますと、釈尊の真意・深意が見え始めます。
この2つの項を続けて読みますと、

* 自分と同じような志(こころざし)・目的を持つ知り合いが居れば、共に歩んでも別に良いよ。

* でも、そういう知人が自分に居なければ、無理は不要です。
自分一人で歩いて行けば良いんだよ。

つまり、この2つの内容に共通する内容は、釈尊が、
* 自然でありなさい
と仰っていると、私は感得します。

自分と似た方向性の他人が居る場合は、その人を無理に拒絶して自分一人で居ようとすることも自然では無い。そこに無理が有る。自分の執着が有る。
もし好きな他人が居れば、「自然に」共に住む流れになれば、それも良いということです。

そして、もしそういう人が居なくても、別に気にすることは無く、自分一人で生きれば良いということです。

釈尊の教えの根本は、とにかく、
* 天上天下 唯我独尊 (てんじょうてんげ ゆいがどくそん)
宇宙には、たった1つの存在しか居ない。
自分自身も、その1つの中の一部に過ぎない。

ということに変わりはありません。
この基本の上で、コノ世で生きるには、
* 上記の2つのパターンの内、どちらでも自然に成るほうで良い。
ということです。

だから、「釈尊が集団を認めた」と解釈をしましても、あくまでも「唯我独尊」を忘れては生けません。
全体で1つ。自分一人であっても、宇宙1つの中に、内側に、自分が既に居ること。

「一即多 多即一」(いっしょくた。た・すなわちいち:華厳経の中の言葉)
1つであるが、無数。(一人の人間は、無数の細胞から成り立つ)
無数である、全体で1つ。(無数の細胞は、全体で一人を形成する)

この法則が、コノ世のすべてに貫徹しています。
家庭でも、会社でも、国家でも、地球でも、
すべてが「一即多 多即一」です。

この2つの項を観ましても、やはり釈尊とは偏狭な変わり者・堅物では決して無いのです。
愛情に満ちた自由な御方です。

現代に生きる私達のほうが、
「こうであらなければ生けない」という呪縛に掛かっていると感じます。
今日の話で覚えて置いて欲しいことは、
一即多 多即一
この視点で、日常の雑多な揉め事、悩み、仕事を見て欲しいことです。

慌てないこと。成るように成ります。
ただし、自分なりの最善を尽くす努力を常にしていることが絶対条件です。


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※ 今日も「中潮」を静観中です。

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