2022年 3月11日(金)
大平山に行くことにしました。
2022年 3月11日(金)
2022年 3月9日(水)
2020年 12月5日(土)
『 姫塚伝説 』
秋も終わりに近い日の夕暮れのことです。数日前から伊勢路に入り、奥熊野へと向かう途中、錦浦近くの峠にさしかかっていた二人連れがありました。
桃眉(桃の実のようなまゆずみを額に二つ置くこと)をつけ、金襴の内掛けを身にまとった由緒ある姫と肩衣袴姿の老武士とが、足取りも重く峠にさしかかっていました。
峠の頂には大きな石が「どすん」と、座っているではありませんか。ひと休みするには都合のよい石です。少し休もうと爺やが姫の顔を見ると、姫は疲れた顔で爺やに言いました。
「爺や、私はもう一歩も歩けないわ。」
「姫、旅路はまだ長うございますぞ。」
姫は、飢えと渇きのために精根がつきそうになっていました。
「私はもう・・・・・。」
その時、姫は小さな声でつぶやくと、その場に倒れてしまったのです。
「姫、どうなされたのじゃ。」
爺やは驚いてからだを揺すってみましたが、姫はうつろな目で口もとを指さすのみです。
「かわいそうに、のどが渇いたのだな。」
爺やは先ほど通ってきた谷川へと、山道を下っていきました。自分も一口「ごくり」と、のどをうるおし、竹筒にいっぱい水を満たして、むちゅうで姫のところへと山道をかけ登ってきました。竹筒を口もとに近づけましたが、姫は身動きひとつしません。
「姫よ、いったいどうなされたのじゃ。」
爺やがそう叫んだときには、すでに姫は息絶えていたのです。爺やは、わなわな震えながら、その場にうずくまってしまいました。
今、まさに沈もうとしていた秋の夕日が、姫の金襴の内掛けに、きらきらと照り映えて、いっそう悲しみを添えていました。
やがて、我を取りもどした爺やは、姫の亡骸を丁重に葬り、自分も切腹して姫のあとをおいました。
現在でも、錦から新桑に越える峠道があり、石が積まれた塚が残っています。人々はそれを「姫塚」と呼び、少し錦側に下ったところの塚を「爺ヶ塚」と云い伝えています。
この出来事があってから、人々はこの峠のある山を「姫越山(ひめごやま)」と呼ぶようになったということです。
H20年 4月20日
姫越山は大紀町錦にある標高502.9mの山です。
海抜0mから登り始めるので、登りごたえは充分感じられます。
山名の由来は、戦乱の昔、落ち延びてきた姫君と侍従の老武士が峠にさしかかり、動けなくなった姫君の為、水を汲みに行った老武士が戻ってみると姫君は息絶えていた。もはやこれまでと老武士も後を追ったという悲話が残されています。
駐車場は錦大橋手前にある町営「日の出公園」の駐車場に駐めさせて頂きます。
無料駐車場でトイレもあります。
姫越山側から流れてくる川に沿って歩きます。
途中、橋を渡って対岸へ行きます。
登山口は津波の時の避難所にもなっています。避難所→の方へ行きます。
白い鉄柵の階段道を登ります。ここが北の登山口です。
ウバメガシが多い登山道を20分くらい歩くと木が切り払われた展望所に着きます。
ここからは、錦の港と街、美しい入り江が見えます。
展望所から30分ほど坂を登ると、道の脇に「爺ヶ塚」があります。
爺ヶ塚から6分程登山道を登ると右手の方に芦浜への分岐があります。
下山はここの分岐を芦浜へ行きます。
山頂へは、まっすぐ進みます。
分岐から3分で「姫塚」がありました。
ここから15分程で山頂です。
山頂に到着しました。標高502.9m。姫越山。
山頂は丁度お昼の時間で大賑わいです。
山頂からの展望は素晴らしいです。熊野灘の青い海と打ち寄せる白波が明るい光りを浴びて
とってもきれいです。爽快な気分になります。
芦浜の緩いカーブの海岸線もきれいです。
山頂の三角点は、二等三角点。
山頂からは、これから行く「前ひめご」P459の稜線が見えます。
山頂からの素敵な景色を楽み、下山は芦浜方面へ行きます。
山頂から暫く同じ道を戻り、芦浜への分岐から尾根道を進みます。
5分程歩くと、P459m「前ひめご」に到着しました。
「前ひめご」を過ぎると急な下りになるので注意して下ります。
「前ひめご」から1時間10分くらい歩き、芦浜池の近くまで来ました。
もう、この林を抜けると芦浜池です。
芦浜池に着きました。
芦浜池は海跡湖です。
かつて海であった所が海と切り離されて内陸に封じ込められてできた池です。
ここから見る姫越山と芦浜池は、いい感じです。
姫越山山頂から見た景気とおりの海が広がっています。
芦浜から芦浜峠へ登ります。
芦浜峠は南口登山道と芦浜の分岐となります。
南口の浅間神社方向へ行きます。
南口へは山を巻くように登山道が付いており、同じような風景が出てくるので、少し距離が長く感じます。
芦浜峠から25分くらい歩くと、道標の左上に「弘法の水場5分」と記されていました。
木橋を渡って。
標示から4分で水場がありました。これが「弘法の水場」みたいです。
分岐から50分で浅間神社に着きました。
神社から3分程下ると、民家の裏にある南の登山口に下ります。
ここから錦の港を見ながら駐車地に戻ります。
港沿いの堤防には、小学生が描いた絵が描かれています。
錦の町の風情を感じながら歩き、駐車地までは15分くらいの距離でした。
北登山口から登り始めて、南登山口までの時間は、休憩も含め5時間くらいの山行でした。
山頂や芦浜湖で、たっぷり遊んだわりには、まあまあのタイムでした。
長からず短からずという感じです。
中部電力は、芦浜地区へ原子力発電所の建設を計画していましたが、計画当初から漁民を中心に反対運動が行われ計画は中止されました。
この芦浜は海亀が卵を産みにくる浜であり、美しい芦浜池や海を見ていると、自然が失われずに良かったと思いました。
今日のルート
駐車地の地図