菅直人首相は、ポスト菅レースの火をつけ、霞ヶ関の官僚から見捨てられて、一気に早期退陣へ

2011年06月04日 18時10分36秒 | 政治
◆どんな世界でもそうなのだが、たとえ具体的な時期、日時を明らかにしていなくても、トップ、あるいは芸事の師匠でも、一旦、「退陣」、あるいは「引退」を臭わす言葉を漏らした途端に、若手、あるいは高弟たちによる「ポスト菅」、つまり「後継レース」の火蓋が切って落され、一斉に走り始めるものだ。走り出した馬たちを止めるのは、難しい。
 菅直人首相が退陣時期について「一定のメド」と抽象的な物言いをしたことが、余計に白車をかける結果を招いている。それだけに、トップ、師匠の言葉は、影響力が大きい。後になって、「あれは、こういう意味だった」などと多言を弄して言い訳しても、「退陣」あるいは「引退」へ向かって大車輪で動き出している大きな流れを食い止めることはできない。民主党内では、前原誠司前外相、原口一博元総務相、樽床伸二元国対委員長、小沢鋭仁前環境相、枝野幸男官房長官、細野豪志首相補佐官らが、団子状態になって、先陣争いを繰り広げつつある。これとは別に、仙谷由人官房副長官や国民新党の亀井静香代表、自民党の谷垣禎一総裁、石破茂政務調査会長らが、総理大臣レースに加わっている。岡田克也幹事長は、残念ながら「一匹狼」なるが故に支持者がいないだめ脱落。
 こうなると、鳩山由紀夫前首相、小沢一郎元代表ら「反菅グループ」が、「菅降ろし」に力を入れなくても、「総理大臣レース」が否応なく、菅直人首相の早期退陣を促すので、菅直人首相がいくら政権の座にしがみつこうとも、無理にでも引き摺り下ろされることになる。これが政界の運動原理というものなのだ。ただし、それでも、鳩山由紀夫前首相、小沢一郎元代表らは、主戦場を参院に移して追撃を止めることはない。
◆枝野幸男官房長官が6月4日午前11時30分からの「週刊ニュース新書」にゲスト出演し、日本経済新聞客員コラムニストの田勢康弘キャスターから「10の質問」を受けた。このなかで、菅直人首相の女房役だけに立場上、慎重に明言を避けつつ、菅直人首相の心境などを、断片的に明かした。朝日新聞asahi.comが6月4日午後1時20分、「枝野氏『首相、そんなに長く居座る気持ちない』」という見出しをつけて、その一端を以下のように配信している。
「枝野幸男官房長官は4日、テレビ東京の報道番組に出演し、菅直人首相の進退について『そんなに長く居座るような気持ちは総理にはない』と語り、早期に退陣するとの見通しを示した。そのうえで、9月前半に予定される米国への公式訪問について、『首相は自分で(日米首脳会談に)出るとはおっしゃっていない』と明かした。枝野氏は、2日の民主党代議士会で首相が語った辞意表明を取り上げ、『震災対応にめどをつけて若い世代に引き継ぎたいと(首相が)言ったのは、そんなに遅い時期というのでは誰がどう聞いてもない』と指摘。そのうえで、『総理として日々のことに対応する責任を負っており、辞める直前まで自分の口から《何月何日》と言えないのは当然だ』と述べた。さらに、首相が2日夜の会見で9月訪米について『どういった形になるにしても、しっかり責任を引き継いでまいりたい』としたことに対し、枝野氏は、首相が後進に譲ることを示唆したものという見方を示した。また、2日の会見で首相が原発事故の確実な収束を見届けるため年明けの辞任時期を示唆したことについては、枝野氏は『その責任は感じているが、総理としてそういったことを見極めるまで続ける気持ちはない』と明言した」
 枝野幸男官房長官は、前原誠司前外相とともに派閥「凌雲会」を率いてきた。米国CIAの大ボスであるリチャード・アーミテージ元国務副長官や対日工作担当者であるマイケル・ジョナサン・グリーン米戦略国際問題日本部長らが、前原誠司前外相に大きな期待を寄せており、「前原誠司首相」が9月に訪米して、日米首脳会談に出席することを望んでいることを、枝野幸男官房長官は、よく承知しているはずである。霞ヶ関の官僚たちは、「死に体」から急速に「白骨化」しつつある「抜け殻の菅政権」を完全に見放しており、こんな菅直人首相は、米国もお呼びではないのだ。
 このことを踏まえて、枝野幸男官房長官のコメントを聞くと、菅直人首相が言い張る「一定のメド」という言葉の意味が、もっと限定的になってくる。
◆田勢康弘キャスターは、インタビューの後、「来週から政争がさらに激しくなる」とコメントしていた。この人の政局予測は、選挙情勢を含めて、いつもよく当たることで定評がある。それ故に聞き応えがある。
 平成23年度関連法案の主柱「特例公債法案」が参院で否決され、衆院に回されてても、いわゆる「3分の2」(480の3分の2=320)規定によって成立させることは難しい情勢だからだ。菅内閣不信任決議案に対する反対票は、「293票」止まりだった。後先を考えずに、同志をトリックにかけて、騙まし討ちにするような姑息な方法をとって裏切れば、天罰は、自らに跳ね返ってくる。


本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
亀井静香の策謀により、菅直人首相が鳩山由紀夫元首相から「ペテン師」と言われて、ついに「8月退陣」を表明、日米首脳会談にも出席できず、「邯鄲一炊の夢」ならぬ「菅さん一炊の夢」に終る

◆〔特別情報①〕
 中国の「枕中記」という説話に、栄枯盛衰の極めてはかないことを譬える「邯鄲の夢」(かんたんのゆめ)とか「一炊の夢」(いっすいのゆめ)「黄粱の夢」(こうりょうのゆめ)という言葉がある。「邯鄲の枕」とも「邯鄲夢の枕」とも言う。私は、菅内閣不信任決議案否決により政権延命でき、高笑いしているという菅直人首相の「いま」を、「菅さん一炊の夢」と言おう。

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