昨日はADの積極的治療戦略について順天堂高齢者医療センターの一宮教授
の講演会に参加しました。ADの基本的病態は側頭葉や頭頂葉および海馬を主
体とする神経の変性・脱落である。同時にアミロイドβ変性(老人班)やタウP酸化
に伴う神経原線維変化を特徴としている。また神経伝達系Ach-Eの活性低下が
認められ、臨床的にはAch-E阻害薬が有効である。その代表格は13年前に発
売されたドネペジル(アリセプト®)であるが、その後は新薬がなかった。最近よう
やくメマンチン(メマリー®)とガランタミン(レミニール®)が認可され、選択の幅が
広まったことになる。これらの薬剤は基本的に容量依存性であり、増量効果が期
待できるため、治療効果不十分ではまず増量することが重要である。また併用効
果ではアリセプトとメマリーなど併用効果が期待できるらしい。さらに非顕性ADに
対し、抗アミロイドβワクチンも治験中であり、その効果が注目されているらしい!