ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

○○製薬の社内勉強会!

2012年02月17日 09時33分21秒 | 診療&トピツクス

 今週の水曜日某製薬会社の社内勉強会があり、講師として参加しました。

アクトス症例の総アディポネクチン(アディポに略す)値とインスリン抵抗性およ

び動脈硬化(baPWV)の相関について、当院アクトス治療のDM症例23例に

ついて検討したSTUDYの結果説明であります。結論から言うとDM(軽症およ

びIGT)症例では低アディポ症例が40%存在しており、その多くがインスリン抵

抗性と中程度~高度動脈硬化を示し、IGTでも高度動脈硬化例を認めた症例

が存在したのであります。これらの症例にアクトス(15~30mg)を投与すると

総アディポが早期より2~3倍増加し、6ヶ月維持された。実はアディポは血中

では多量体を形成しており、3量体や6量体より12~18量体(高分子量)が

かなり受容体活性が高いこと(約100倍)が証明されており、アクトスは高分子

量を選択的に増加させる作用があります。したがって動脈硬化の進展例では

アクトスを積極的に使用して大血管病変(特に冠動脈疾患)リスクの軽減を図る

べきでしょう。その副作用である浮腫と体重増加に対しては減塩・水制限および

減量指導強化でかなり防止できますし、BGメトホルミンとの合剤メタクトに変え

てみるのも効果的と思います。参加MR君からの質問も飛び交い有意義な時間

を過ごすことができました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする