今週の水曜日某製薬会社の社内勉強会があり、講師として参加しました。
アクトス症例の総アディポネクチン(アディポに略す)値とインスリン抵抗性およ
び動脈硬化(baPWV)の相関について、当院アクトス治療のDM症例23例に
ついて検討したSTUDYの結果説明であります。結論から言うとDM(軽症およ
びIGT)症例では低アディポ症例が40%存在しており、その多くがインスリン抵
抗性と中程度~高度動脈硬化を示し、IGTでも高度動脈硬化例を認めた症例
が存在したのであります。これらの症例にアクトス(15~30mg)を投与すると
総アディポが早期より2~3倍増加し、6ヶ月維持された。実はアディポは血中
では多量体を形成しており、3量体や6量体より12~18量体(高分子量)が
かなり受容体活性が高いこと(約100倍)が証明されており、アクトスは高分子
量を選択的に増加させる作用があります。したがって動脈硬化の進展例では
アクトスを積極的に使用して大血管病変(特に冠動脈疾患)リスクの軽減を図る
べきでしょう。その副作用である浮腫と体重増加に対しては減塩・水制限および
減量指導強化でかなり防止できますし、BGメトホルミンとの合剤メタクトに変え
てみるのも効果的と思います。参加MR君からの質問も飛び交い有意義な時間
を過ごすことができました。