秋田県医師会雑誌9月号によると2010年度の新規癌罹患者は9061人
(男性5327、女性3737)であった。秋田県の推計癌実数は9977人で、推定
登録率は90.8%である。性別癌種別Best5は男性では胃、大腸、前立腺、肺、
食道癌、女性では大腸、乳房、胃、子宮、肺癌の順である。男性の罹患率は女性
の1.6倍。秋田県の癌死亡率は14年連続全国一位の不名誉な座にある。対10
万人癌死亡率は377.3で全国平均279.7より35%も高い。何故こんなに癌死亡
が多いのかその原因考察をしてみたい。
①地域がん登録制度の遅れ:秋田県の癌登録制度は2006年に発足したばかりで
癌の発生状況の把握やその対応(治療・管理)が不十分であること。
②各癌検診の受診率(約5~10%前後)が極度に低いこと。胃癌健診ではMDL検査
受診率(約5%)が極度に低く、しかも再検者が多いため、新規胃癌発見率が0.02%
前後と極めて低い。したがってABC健診の導入が急務である。したがって各種の積極
的な新規健診法を取り入れる必要があります。
③癌登録制度の指標であるIM(粗罹患数/死亡数)は登録率を包括した医療水準を反映
した指標とされているが、秋田県では2.22で全国平均8.3を大きく下回っている。
したがって、医療に携わる医療関係者のさらなる医療レベル向上のための啓蒙意識が必
要となろう。