先日亡くなった小さな大横綱千代の富士さんの死因は”膵臓がん”であった。
全身のがんでもっとも5年生存率(10%以下)悪い疾患である。最も予後が悪い
原因は診断がつきにくいことと小さくても転移しているがケースが多いことである。
ですから症状が出てからでは手遅れになっているケースが多い。当院外来でも膵
臓がん症例を数例経験しているが結局3~6か月で死亡している。特徴的な症状
は難治性の下痢と背部痛(疝痛)で食欲が減退して急激に痩せるのである。また、
やせ型の急なDM発症などではこれを疑って腹部エコーとCA19‐9を実施している
がなかなか診断が難しいのであります。このようなケースでは放置(経過観察)せず、
市中病院や大学病院に即紹介・精査すべきであります。最近ではPET‐CTやMRC
Pなどの検査で診断がつく可能性があろうかと期待されますが・・・。最近では遺伝子
検査なども開発されているようでありますが、保険対象ではありません。