昨日大阪高裁で薬害肝炎問題に対する和解骨子案が提示された。一部の肝炎患者さん(一定期間外で提訴していない患者)を除外した薬害患者全員を保障するものである。これに対し原告側は激怒・号泣してこれを「前面拒否」した。医療サイドとしてはかなりの前進であり、”待った無し”の肝炎患者さんにとては朗報であろうと思われるが・・・!?フィブリノゲン製剤は当時出血傾向や浮腫を伴う重症の肝疾患や癌患者あるいは婦人科疾患に多用されたのを記憶しているが、それなりの効果があり、当時は医学的にも容認された製剤であった。また当時はC型肝炎の対する知識や認識が不十分であり、その存在すらはっきり認識されていなかったのは事実であり、その恐ろしさがはっきりわかってきたのはここ最近(10年前後)のことである。有効な治療法もまだなく肝庇護療法が主体で20年前後の経過で肝硬変から肝細胞癌を併発して死亡するケースがほとんどであった。しかし幸いにしてここ最近、ペグ・インターフェロン&リバビリン併用療法により80%以上完治するようになってきている。したがって有効な治療法が確立しており、早くこの治療の恩恵をを受ける必要がある。確かに治療費や定期的な通院は負担であろうが、原告側も早く和解して走り出すべきであろう。残された問題は段階的に解決することでよいのではないかと思いますが・・・。とにかく、待った無しのC型慢性肝炎の患者さんにとって、早く最新治療を開始することが重要と考えます!
小生は開業して16年になるが、ここ数年患者さんの質が変わってきているような気がする。わがままになってきたと言いますか?とにかく我慢ができなくなってきており、先生の話をあまり聞かない。高齢化が進んで理解出来なくなってきているのかも知れないが・・・。先日も「感染性胃腸炎」と思われる中年男性が午前中に来院して点滴と投薬をして帰宅したが、その日の診療終了直前に血相を変えて来院してきて「先生!全然下痢と吐き気が良くならない!」とのこと。「お薬は飲みましたか?」「腹が痛くて飯が食えないので、飲んでない!」「薬は飲んで頂かないと効果は期待できませんよ」「点滴に下痢止めが入っていたのではないか?」「そもそも下痢止めの点滴はありませんよ。脱水防止と栄養補給目的で点滴したのですよ!」「そんなこと知らなかった。先生!説明責任を果していないのではないのか!」「・・・」などなど押し合い問答を30分ほどして、”ブツブツ”言いながら帰宅した。その3日後再度同患者さんが来て「先生!まだ下痢が全然良くならない。悪い病気かもしれないので、便の検査をしてくれないか?」「通常感染性胃腸炎の場合は脱水補正して薬を飲んで大事にすれば3~4日で直る病気です。したがって必ずしも毎回便の検査は必要ありません。」「今病院に来るなり、もよおしたのでトイレに行ったら、ガスしか出なかった!」「下痢便が出なかったと言うことは良くなってきているという事ではありませんか」「・・・」「ここ数日風呂に入っていないのでポカポカ温泉に行ってもいいか?」「・・・」呆れて勝手にせいと喉元まできたが我慢した。とにかく「患者さん」までは我慢できるが「患者様」は如何なものか?止め処なく「神様」に近い存在になりつつある患者サービス業が医療の本来あるべき姿なのであろうか!やはり医療人として”医師を信頼して頂いて治療を勧めることが絶対必要”であり、”患者本位の医療はあり得ない”と思っている。
遅ればせながら、当院でもインフルエンザ同定患者が今年始めて出ました。先週の土曜日にインフレエンザ様症状(高熱・全身倦怠・咽頭痛)の患者さんが来院、簡易キットで調べたところA型強陽性を確認しました。おそらくAソ連型であると思います。運送業の中年男性で、仕事で東京方面に行ったり来たりしていたそうであります。やっぱり東京のインフルエンザを貰ってきたようであります。みなさん!ご存知のように東京・北海道などでは既にインフルエンザが流行しており、例年になく早い出始めであるようです。しかし、我秋田では全くと言っていい程、その兆しが無かった訳ですが、ここにきて流行の兆しが見えてきました。Aソ連型といえば元来厳冬の時期に流行し、咳が強く重症感が特徴でありますが、今回のは少し様子が違っているみたいであります。毎年インフルエンザウイルスもその型を少しずつ変化させておりますが、急激に変化する(突然変異)場合があり、その年は大流行の危険が大となります。今年から来年にかけて大流行の予測もあり注意が必要でありましょう。手洗い・うがい・マスク着用を徹底してください。もちろん高齢者や小さいお子さんはワクチン接種が必須であります!
また今年も年賀状の時期になりました。小生にとって年賀状は些か苦痛であります。友人やお世話になった方に書くのは自然だと思いますが、義理と人情で書くのははっきり言って苦痛です。何故?毎年年賀状を書かなければならないのか?理由がよく解りませんが、慣習・習慣と言われればやもおえない事かもしれませんが・・・?また11月になると喪中はがきが何枚か届きますが、かならず年始の挨拶状(年賀状)拒否の文面が書かれているのは如何なものでしょう。この際郵政事業も民営化されたことでありますし、悪い慣習(?)は止めてみたらと”フ”と考えたりするのは小生だけでしょうか!?もしこれから先永遠にこの慣習が無くなったとしたら、”どんだけ”気が楽になるかわかりません。来年の干支は子(ねずみ)だそうですが・・・。結局年賀はがきを100枚ほど買ってしまいました!