2021年の最初の「泉飛鳥塾」のブログは、奈良県明日香村奥飛鳥の「綱掛け神事」の紹介です。
今年も、飛鳥を中心に色々と発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、奥飛鳥と呼ばれている稲淵と栢森の「綱掛け神事・2021」の様子を紹介したいと思います。
奈良県明日香村稲渕・栢森地区において、1月11日の同日に「綱かけ神事」が行われました。 明日香村では、毎年「成人の日」に稲渕地区で「男綱(おずな)」が、1月11日の日には柏森地区で「女綱(めずな )」の神事が行われ、豊作を祈って新しく 作り掛け替えられます。「綱掛け神事」は、稲淵と栢森両大字に伝わる神事です。
「綱かけ神事」は、子孫繁栄と五穀豊穣を祈るとともに、悪疫などこの道と川を通って侵入するものを押しとめ、住民を守護するための神事と言われています。「男綱」は柏森のさらに奥にある男渕の竜神を、「女綱」は女渕の竜神を祭っているといわれています。
〇稲渕地区の「男綱の綱掛け」の「男綱」は、長さ約80m、重さ300kg位あります。稲渕地区の住民の方が勧請橋の所で、朝からわらを編んでおられました。高さ約1.5m・直径30cmほどのシンボルが綱と共に飛鳥川をまたいで、長い注連縄が張られます。張る時は、一般の参加者も一緒になって行います。「男綱」を掛け渡した後に、神所橋と呼ばれる橋に祭がを設けられた場所で、神職による御祓いが行われ、最後に竹串にミカンとお札のついた物を参加者がいただいて終了となります。神事は、14時頃から始められ15時30分頃には終了しました。
〇稲渕からさらに南にある柏森(かやのもり)地区の「女綱の綱掛神事」は、「男綱」と対になる「女綱」です。
寒い中、栢森地区の方が集落から「女綱」を運んでこられ、福石(陰物ともいう)と呼ばれる石の上に祭壇を設け、僧侶の法要の後、飛鳥川の上に陰物を形どった「女綱」を掛けられました。
栢森大字の神事の特徴は、全体を仏式で行なわれます。ちなみに、稲渕地区での「男綱の綱掛神事」は神式で行われます。最後に、両神事とも参加者全員にミカンが配られました。今年は曇りの天気の中、16時位から行われ16時50分頃には終了しました。
毎年、「男綱」と「女綱」の「綱かけ神事」に参加していますが、残念ながら今年はコロナの影響もあり両神事とも参加者が少なかったようでした。
また、1月10・11日には、各大字において「とんど焼き」が行われました。
今回も、日本の原風景が色濃く残る飛鳥ならではの郷土行事に参加することができ、歴史の一端に触れさせていただきました!