どうも,最近は,大学2年生,あるいは,3年生の学生諸君の一部にも,「大学での勉強や研究」の意味や作法が身に付いていないような学生がいるようだ.
[大学とは,自ら学ぶ場所]
大学は,基本的には,何かを「教えてもらう」場所というよりは,「自ら調べ,学び,考える」ための「トレーニングの場の提供」しているところであり,「自ら学ぶ」姿勢が最も重要である.
理工系の学部では,将来,何らかの「専門技術」「専門知識」を売り物にした,エンジニアとして,あるいは,エンジニア達を使ってビジネスをするビジネスパーソンになるために,その最初の基礎となる,「知識」や「スキル」を,「自分の頭や体に蓄える」ために,学ぶのである.
だれのためでもない.「自分の人生の将来」のための「基礎工事」である.自分に知識やスキルが身に付かなければ意味がない.そして,そのためには,自ら学ぶしかない.友人のノートのコピー等をもらって,期末試験はなんとかパスしたとしても,本質的には意味がない,まさに「本末転倒」である.自分で考えながら,講義を受け,ノートをとり,教科書や参考書を読むという「経験」こそが自分の中に「知識」をストックするのである.
また,講義において,教員の話や,黒板やパワーポイントの画面を,ノートに取るのは,自分で,「考えながら,要点をまとめる」という行為が重要である.
数学などで,なにかの証明や式の展開がポイントの場合には,黒板の文字をすべてを書き写すということが必要な場合もあるが,そのような場合以外は,要点をノートに記録して,あとで,教科書や参考書等を見直せば良いはずだ.そのための教科書,参考書である.
これらの視点で,大学での,勉強の「姿勢」「考え方」「仕方」「作法」が身についていない学生には,以下の参考書を一読することを,おすすめする.
# 社会科学系の学部生向けにかかれたものであるが,理工系の学生にも役に立つ内容である.
[講義1回のお値段]
毎年度,講義の冒頭で,説明しているが,理工系の大学では,入学金や設備費等を含めると学部の4年間だけでも,概ね400-500万円前後の学費と,大学に通学しての講義だけでなく,相当な時間を,投入しなければならない.
もし,最小限の124単位分の履修で卒業したとしたとき,その1単位は,どれほどの学費にあたるかを,いつも意識しておいた方が良いだろう.
例えば,仮に1単位が,3.5万円のとき,卒業まで124単位だとすると,総額は434万円である.普通の講義の場合,2単位が,半年の1コマであるから,半年1コマ7万円ということになる.半年は,最大で15回,実際には,祝日や大学のイベントなどがあるので,13-14回のことが多いと思う.仮に半年の1コマが14回の講義の場合,1回の講義に対応する学費は5000円となる.つまり,この例よりも多少学費の総額が安い場合でも,自分の都合で講義を1回さぼるだけで,4000-5000円程度損しているわけだ.さぼらなくても,講義の場で,そこでの「学び」に集中して自分の「頭」を使わなかった場合も,やはり4000-5000円損しているようなものだ.
大学での講義は,音楽バンドの「ライブ」公演と似た性質がある.同じ教員,同じ科目でも,個々の講義は毎回,少しづつ違うし,聴き手の参加の姿勢,すなわち「どう体験するか」が重要なのだから「ライブ」の本番と似ている.(生えで体験しなくていいなら,CDでいいわけです.)チケット4000-5000円のライブが毎日,2-3コマあると考えてみれば,その1コマを無駄にする実感が少しは湧いてくるのではないだろうか?
[教科書,参考書は安い]
ある専門分野を新しく学ぶ場合,どの専門分野でも,どの教科書や参考書に,どの用な順番で,目を通すべきかは非常に重要な問題である.
講義の中で,複数の参考書を提示すると「教科書,参考書が高い」と嘆く学生がいるが,上記で概算した,講義1コマの値段にくらべると,通常の教科書1冊は比較的安価である.教員の側で,例示する参考書の5-10倍程度の本を購入して内容を精査した上で,「役に立つもの」を選んでいることも考え合わせると,講義の中で,「この講義を履修する者には必読」というわれたもの,「特に推薦する」といわれたものは,買って損はない内容のものである.
「本は安い」という話題については,数年前の blog にも記事がある.
2005-07-31 夏休み読書月刊 (1) 本は安い!
2005-08-24 知識のフロー,ストック,そして,「本」は安い!
[大学とは,自ら学ぶ場所]
大学は,基本的には,何かを「教えてもらう」場所というよりは,「自ら調べ,学び,考える」ための「トレーニングの場の提供」しているところであり,「自ら学ぶ」姿勢が最も重要である.
理工系の学部では,将来,何らかの「専門技術」「専門知識」を売り物にした,エンジニアとして,あるいは,エンジニア達を使ってビジネスをするビジネスパーソンになるために,その最初の基礎となる,「知識」や「スキル」を,「自分の頭や体に蓄える」ために,学ぶのである.
だれのためでもない.「自分の人生の将来」のための「基礎工事」である.自分に知識やスキルが身に付かなければ意味がない.そして,そのためには,自ら学ぶしかない.友人のノートのコピー等をもらって,期末試験はなんとかパスしたとしても,本質的には意味がない,まさに「本末転倒」である.自分で考えながら,講義を受け,ノートをとり,教科書や参考書を読むという「経験」こそが自分の中に「知識」をストックするのである.
また,講義において,教員の話や,黒板やパワーポイントの画面を,ノートに取るのは,自分で,「考えながら,要点をまとめる」という行為が重要である.
数学などで,なにかの証明や式の展開がポイントの場合には,黒板の文字をすべてを書き写すということが必要な場合もあるが,そのような場合以外は,要点をノートに記録して,あとで,教科書や参考書等を見直せば良いはずだ.そのための教科書,参考書である.
これらの視点で,大学での,勉強の「姿勢」「考え方」「仕方」「作法」が身についていない学生には,以下の参考書を一読することを,おすすめする.
# 社会科学系の学部生向けにかかれたものであるが,理工系の学生にも役に立つ内容である.
[高等教育シリーズ] 大学で勉強する方法 A.W.コーンハウザー 玉川大学出版部このアイテムの詳細を見る |
「知」の勉強術―大学時代に何を学ぶか (ワニのNEW新書) 鷲田 小彌太 ベストセラーズこのアイテムの詳細を見る |
[講義1回のお値段]
毎年度,講義の冒頭で,説明しているが,理工系の大学では,入学金や設備費等を含めると学部の4年間だけでも,概ね400-500万円前後の学費と,大学に通学しての講義だけでなく,相当な時間を,投入しなければならない.
もし,最小限の124単位分の履修で卒業したとしたとき,その1単位は,どれほどの学費にあたるかを,いつも意識しておいた方が良いだろう.
例えば,仮に1単位が,3.5万円のとき,卒業まで124単位だとすると,総額は434万円である.普通の講義の場合,2単位が,半年の1コマであるから,半年1コマ7万円ということになる.半年は,最大で15回,実際には,祝日や大学のイベントなどがあるので,13-14回のことが多いと思う.仮に半年の1コマが14回の講義の場合,1回の講義に対応する学費は5000円となる.つまり,この例よりも多少学費の総額が安い場合でも,自分の都合で講義を1回さぼるだけで,4000-5000円程度損しているわけだ.さぼらなくても,講義の場で,そこでの「学び」に集中して自分の「頭」を使わなかった場合も,やはり4000-5000円損しているようなものだ.
大学での講義は,音楽バンドの「ライブ」公演と似た性質がある.同じ教員,同じ科目でも,個々の講義は毎回,少しづつ違うし,聴き手の参加の姿勢,すなわち「どう体験するか」が重要なのだから「ライブ」の本番と似ている.(生えで体験しなくていいなら,CDでいいわけです.)チケット4000-5000円のライブが毎日,2-3コマあると考えてみれば,その1コマを無駄にする実感が少しは湧いてくるのではないだろうか?
[教科書,参考書は安い]
ある専門分野を新しく学ぶ場合,どの専門分野でも,どの教科書や参考書に,どの用な順番で,目を通すべきかは非常に重要な問題である.
講義の中で,複数の参考書を提示すると「教科書,参考書が高い」と嘆く学生がいるが,上記で概算した,講義1コマの値段にくらべると,通常の教科書1冊は比較的安価である.教員の側で,例示する参考書の5-10倍程度の本を購入して内容を精査した上で,「役に立つもの」を選んでいることも考え合わせると,講義の中で,「この講義を履修する者には必読」というわれたもの,「特に推薦する」といわれたものは,買って損はない内容のものである.
「本は安い」という話題については,数年前の blog にも記事がある.
2005-07-31 夏休み読書月刊 (1) 本は安い!
2005-08-24 知識のフロー,ストック,そして,「本」は安い!