10月13日、久しぶりに札幌礼拝堂で一日神学校が開かれました。道内各地から老若男女
66名が集い、礼拝を共にしてから、熱心に日本ルーテル神学校から派遣された3人の先生
の講義に耳を傾けました。
午前は礼拝学の平岡仁子先生、午後からは、どちらか受講選択で臨床牧会カウンセリング
のジェームズ・サック先生と社会福祉の西原雄次郎先生。優れた研究者であると同時に、現
場を良く知る実践家でもある先生方のお話は、説得力のあること、魅力のあること、皆を惹き
つけてやまないものでした。ユーモアたっぷりな語り口のうちに差し出される課題に納得!
平岡仁子先生の講義は「式文について」。礼拝とは神の理解の中心的出来事、神様からの
無償の恵みを受け取るために集められるもの、更に、この世の小さき人々に仕えるために派
遣されていく、招かれることは派遣されることと解き明かしてくださり、そのように式文は構成
されていると語られました。
サック先生の講義は「カウンセリングと援助」。このリポートを書いている私はお聞きすること
が出来ませんでしたが、参加された方々は、ものすごく楽しく、それでいてとても大切なことを
話してしてくださったと興奮気味でした。
西原雄次郎先生は「教会における隣人支援」。人生の途上で自力解決が困難な状況に直面
することは誰にでも起こりえる。審くことではなく、待つこと、聴くこと、理解すること、反射する
こと、遠回りする勇気が必要。教会で抱え込んでしまうのではなく、専門機関につなぐことも。
そのためには地域の専門職集団とのネットワークを作っておくこと。さまざまな社会福祉制度
を活用することで乗り越えられることは沢山ある。しかし福祉への認識が薄い日本の現状は
課題が山積。福祉科で有能な人材を育て社会に送り出しても、福祉が大ピンチの日本の状
況では、きちんとした待遇を受けることが出来ず若い人たちが希望を持てないでいる。
しかし、社会的な使命を教会は持っている。ルーテル教会にも社会福祉法人として専門的な
取り組みをしている施設が沢山ある。「こんなことが出来たらなあ」と思うことが大切。
閉会礼拝の後、帰途に着く人々の顔は「一日神学校」の喜びで輝いていました。
三人の先生そして派遣してくださった神学校、後援会の皆さん、ありがとうございました。
プログラム終了後、ルーテル会館で神学校後援世話人会がありました。
神学校は2009年に創立百周年を迎えます。小さな学校ですが、目的意識が明確だと伸びま
す。卒業後も伸びて活躍している人が多くいます。学ぶのには時があるとつくづく感じますと
大学・神学校報告がなされました。後援会からは石原、小澤お二人の推進委員がおいでくだ
さり、一日神学校にも同席されました。月一度の委員会開催やチャリティコンサートなどの活
動を行なっている由。神学生寮設置募金に北海道も赤いミニポスト献金で協力感謝します。
牧会研修に来ている高村神学生の報告にあったように勉強しやすい環境が整えられたこと、
また神学校を卒業した若い牧師たちが活躍しているのを目の当たりに見て、とても嬉しいと
ご挨拶されました。
一日神学校で、私たちは神学校がとても身近に感じられました。学ぶ機会が欲しいと切実に
感じている群れが北海道にはあります。また次の機会をと願っています。