去る5月18日、札幌礼拝堂で、「日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)」から
ネパールに派遣されていた楢戸健次郎医師の医療奉仕活動の報告会が行なわ
れました。17日に札幌北礼拝堂でも行なわれた模様は、北のブログでも紹介され
ていましたね。PCの画像を駆使しながら、矢継ぎ早の質問を愉快に発信しては
私たちのネパールについての無知を取り崩し、大いに啓発してくださいました。
楢戸先生は北海道で25年以上にわたり家庭医として地域の人々の健康を支えな
がら、家庭医を目指す若い医師の育成にも携わりました。同時にJOCSの理事や
常務理事を歴任し運営を担ってきました。2005年5月から2008年4月までネパー
ルのNGOのHuman Devlopment and Community Services(HDCS)に派遣され
管轄する病院の運営強化に協力しました。この団体の本部はカトマンズにあり、
地方で二つの病院を運営していますが、そのひとつ、電気も水道も普及していない
チョウジャリ病院で働きました。患者は遠くから、何日も掛けて家族に背負子(しょ
いこ)に背負われてやってくる人もいるとのこと。
医者も少なく(人口5000人に対して1人、田舎は数万人に1人)、また十分な教育
を受けた医師はカトマンズを離れたがらず、またエリートとして外国へ行く人もい
る。地元出身の”准医師”が大きな役割を担わざるを得ないというのが現在の状
況。地元の自立を助ける支援が要と訴えていらっしゃいました。
それにつけても楢戸先生のすてきなユーモア感覚!! 厳しい現実を受け止め、より
良い方向に進んでいくには、自己規定せず、複雑もものとはせず、粘り強くやり遂
げる精神が生み出したものでしょう。
JOCSは「わたしがあなた方を愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」
とイエス様が語られた聖書のことばに基づいて活動しています。
楢戸先生は若い人たちに「君たちが将来活躍する場は日本だけではありません。
世界、特に開発途上国といわれるアジア、アフリカでは君たちを待っています。一
緒に汗を流し、知恵を出し合い、共に重荷を負ってくれる人たちがまだまだ必要で
す。」とJOCSの会報『みんなで生きる』で訴えていました。
もうひとつ、JOCSの活動でよく知られていることをご紹介しましょう。
「使用済み切手運動」
使用済み切手、未使用切手、書き損じハガキ、外国コイン、外国紙幣などを
JOCS事務局に送ると、切手商や収集家の協力を得て資金化して活用。
札幌教会でも集めています!!
(切手のまわりを5ミリから1センチ位残して切り取る)
JOCSは会費と寄付、そしてこの使用済み切手運動の収益金によって
その活動と運営が支えられています。
*医師・保健師・助産師・看護士・理学療法士を派遣、現地で協力活動。
*現地で保健医療を学ぶ人に奨学金を支給、現地医療を支えます。
以上の参考資料はJOCS会報「みんなで生きる」子ども号2007、パンフレット、
「JOCSネパール派遣 楢戸健次郎ワーカー報告会 資料」です。