無線脳の視点

無線関係のモノ・ヒトに毒された日常を地味に書いてみる。

続・防災・災害通信はインフラに頼るな

2020年10月12日 | 無線系全般
かれこれ10年も前になるか、東日本大震災の発災以前、奄美大島周辺の集中豪雨による災害で通信が途絶してしまったことについての記事を書いた。
当時の記事リンクはこれだ。(ヒマな方は参考にどうぞ)
防災・災害通信はインフラに頼るな

この記事を書いた頃、未曾有の被害を出した東日本大震災も広島豪雨も熊本地震も北海道胆振地震も、さらにはまだ記憶に新しい2019年東日本台風などが起きる前のことだが、無線脳視点、当ブログ主としては「平常時のインフラに頼らないと成り立たない非常用・災害通信などは、いざというときに全く役に立たない」という主張は相変わらず堅持したままである。
そこで、昨今の自然災害が多発する環境において、いかに通信を確保するか?という課題について、IP無線の是非について考えてみる。
まず、「IP無線とは何ぞや?」というそもそもそれは何だ?についてはウィキペディア上の解説文に説明は譲るとして、IP無線って実際どうなのよ?について若干の俺様バイアスを含めて感想とか意見とか警鐘とか、雑多なことを書き残しておくことにする。

私の視点は、そもそもが無線と無線設備に取り憑かれた電波大好き無線脳の視点という所が出発点なので、電波を使って地点間通信を行うことが大前提なのは言うまでも無く、インターネットだとか有線電話回線なんかを経由して通信するのなんざ邪道よ邪道~、男は黙って直接通信!山上通信!中継するならマイクロ使え自営無線バンザイ!というスタンスであるため、おのずとIP無線などという、自分(自社)で管理できる範囲外かつ毎月基本料金のかかる中途半端でヘンテコな機械なんぞ批判的な立場にならざるを得ない。
しかし、しかしである。
とあるイベント事で実際ににっくきIP無線機を預けられて使ってみたことによって「そ、そこまで意固地にならなくてもいいか・・・な?!」という所まで脳内の雪解けは進んだ、かに見えた。だって、便利なんだもんあれ。
ボタン一発押したら持ってる人に同時に伝わるし、日本全国どこにいても使えるし、誰かが喋ってても割り込めるし、いやこれすっげー楽しーよ!などなど。

そんなIP無線も悪くないんじゃね?と思い始めた中で発生したのが2019年東日本台風、である。
主に東日本エリアの太平洋側、特に千葉県の中南部あたりで大きな台風被害がみられたこの台風、広範囲が停電になり、木更津市にあるAMラジオの100kW局、ニッポン放送の本局までもが停波!という事態にまでなったからさぁ大変。ニッポン放送の送信所内にある非常用発電機までもがダウンしてしまい大型発電機確保で東奔西走したという苦労話まで聞こえてきたのである。

千葉県の中南部では停電により携帯電話中継局の電源が落ちただけでなく、電柱を伝う通信回線も物理的に切断されたりして、携帯電話が使えなくなった地域が続出したのであった。当然、携帯電話回線を流用するIP無線も携帯電話基地局のダウンにより通信は断絶するのだが、そこで生じるべき疑問、
「あれ?IP無線って災害に強いって売り込みじゃなかったっけ?」「屋内でもIP無線機は通話可能! 災害時にも繋がる!」「データ帯域で通話だから災害時でもつながりやすい!」「 災害時には発信規制がかかって固定電話・ケータイ電話等の音声帯域はかかりづらくなりますよ、だからIP無線!」
という謳い文句あったでしょ、そこ、どうなってんの?と。

何てことは無い、「電話回線そのものが切れたら現場はそんなもん(IP無線)使い物にはならないのである」

Googleの検索で「IP無線 災害時」などと検索してみると表示される内容は、「IP無線機は、災害時のBCP対策の一環としても有効!」とか無線機器に強い通信業者様がせっせと書いちゃってるんだけど、そもそも非常時っていう非常の規模とか災害のレベルを定義してないとIP無線万能!なんて誤解する人でるでしょうに。そこ、冷静に考えようよ?と思うのである。言い方悪いけど基本料金稼ぎっすよあれ。
参考まで、私の仲間が災害時ではない平常な時に、仕事でN県の花火大会にIP無線を持って行ったら「花火が始まる前も花火が終わってもしばらく使えなかった!あんなのゴミだ!」と騒いでいた。当然である。IP無線は携帯電話の通信回線を使うんだから、大規模イベントで人が集まるところでも基本ダメなのよ。狭いエリアに何万人ものシロウトさんが集まって「映え~」とか「なう」とか書きながら「花火動画うp!」などとやらかしてる中でどんだけボイスパケット飛び交わすこと出来るんかよと。

無線脳の結論としては、10年前に書いた記事をふまえて考えた現状でも「防災・災害通信はインフラに頼るな」「IP無線は非常時や災害時では当てにするな」という所に行き着くのであった。
どうしても非常時にも使いたいよねという向きは、 mcAccess e無線機とIP無線機が合体したサービスがあるから、mcAccess e の通信エリアが含まれたエリアで使うのであればまぁアリかな、と言ったところである。
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自分用雑メモ(随時更新)

2017年10月02日 | 無線系全般
自分用メモ。


559375 M M T
646875 K H B
796875 T B C
846875 N H K

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Dell Latitude10のWindows10化でWiFiが効かない時の設定変更

プロパティの詳細設定のタブで以下を調整
[40MHz Intolerant]の[Disabled]を[Enable]に変更。
[802.11n Preamble]の[Auto]を[Mixed Mode]に変更。
[Afterburner]の[Disabled]を[Enable]に変更。

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仙台市内一円で受信出来る351.25625MHz(10ch)と351.35000MHz(25ch)の連続波が邪魔だなぁと思っていた。
この10chの連続波について、「なんちゃって俺様デューラス(笑)」による独自の調査によると、名取市閖上地区の土地を嵩上げしているエリアあたりから出ていることが分かった。

2017/7/9 追記
上の記事の、仙台地域で幅広く受信出来るデジタル簡易無線のデータ通信用と思しき連続波のうち、351.25625MHz(10ch)の発信元が判明。やはり名取市閖上地区の嵩上げ工事に伴う「RTK-GPS測量」用の補正データ送出に使用しているものであった。
その機器が設置してある建物の屋上には、独立して電力を確保するための太陽電池パネル複数枚が設置され、機材箱のほか、測量用GPSアンテナ、デジ簡の白い送信アンテナ、監視用のカメラまでもが装備されている。周辺に何も無い場所からそこそこの地上高で電波出したらそれなりに飛ぶよなぁ

RTK-GPS測量とやらで何でそんな連続送信する無線なんぞを使うのさ?と疑問を持つだろうが、いちいち造成する度に一箇所ずつ基準点測量なんぞ効率悪くてやっていられないので、あらかじめ分かっている場所の基準点測量の位置情報(既知点)と、その基準点と同じ位置に設置したGPS測量情報の観測精度誤差の差分データを送信すれば、新たなGPS測量観測点でも高精度の位置情報が得られる、というものである。

RTK-GPS測量の技術的な内容は、適当に単語をググっていただければ図解入りの説明がたくさん転がっているのでそちらを参照のこと。同じような理屈でDGPSというものもあるが、このRTK-GPSとは似てるようでもちょっと理屈が違うので、その辺も話のネタとしてついでにお調べいただければと思う。

このデジ簡10chの連続送信は、名取市閖上地区の嵩上げと造成工事が終わったら撤去されるであろう、と勝手に思っている。(まさか、県道亘理塩釜線(通称:浜街道)の嵩上げ道路工事にも使ってはいないだろうとは思うが)

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仙台周辺で飛び交う5桁の数字(随時更新)
00870 01345 02151 18881 03500 03540 04680 06276

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消防車や救急車に装着されている日本アンテナ製のデジタル無線用アンテナ(MG-260A-09とかWH-260A-09相当)のエレメントを、業者さんからお借りして長さを計測。


カタログに掲載されている図面には、長さは1/4λ相当としか書いてないけど、難しいことは何も考慮せずに波長を計算してみると 300÷275×0.9÷4=0.246 でだいたい実寸。
25cmの長さのアンテナは、高い確率で防災行政無線とか消防救急デジタル無線用と判断していい。(地デジテレビ用にも使えそう)

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仙台うみの杜水族館の業務通信はデジ簡登録局と免許局を使用。
駐車場入出場、館内、裏方でチャンネルを使い分け。
秘話無し。
免許局7ch・登録局3chがお気に入りらしい。
108 490

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EBAYで調達したプログラミングケーブル
6 in 1 USB Program Programming Cable Adapter for Motorola HYT ICOM BAOFENG PUXIN

単純にUSBシリアル変換ケーブルが欲しかったのだけど、たくさんオマケが(笑)
USBドライバだけではなく、海外の業務用無線機の書き換えソフトまで付いてきたw
決済時の価格、日本円で850円、送料込み。
いったいいくらで出来てるんだコレ。

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中継局(判明・推定分、本部・所署除く)

仙台:権現森山・大年寺山・八木山・大八山・芋峠
塩釜:番ヶ森山
名取:相互台公民館
仙南:雨塚山・大萩山・離森・支倉・太陽の村
大崎:鬼首・岩渕・薬莱・箟岳
石巻:上品山・大草山・日和山・石峰山・前山
気仙沼:石割・津谷舘岡・十二曲

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海外通販で、KNB-26N互換のニッケル水素電池パック(7.2V,2000mAh 注:自称)を1個購入。
純正の乾電池ケースKBP-5と単3ニッケル水素の組み合わせを調達するコストを考えたらお安いものなのだが、互換品なので当たり外れのリスクを考え、とりあえず1個、お試しで使ってみる。


無線機に装着してみると、ずっしり重い。
その重さ441g、無線機本体よりも重い。
純正のリチウムイオン電池KNB-62L(7.4V, 1100mAh)は85g、軽い。KNB-57L (7.4V, 1800mAh)は持ってないので不明。
その互換電池の重さは何と228gもあったのだが、価格が安い分、許してやるとするか。
そこそこ使えそうなので、あと何個か買っておこう。

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ケンウッド TCP-D201,D203,D143,D243,D343,D503などのユニバーサルコネクタ



1 SSW
2 SP+
3 SP-
4 MSW
5 EMC
6 ME
7 PTT
8 PF
9 OPT
10 GND
11 +5v
12 TXD
13 RXD
14 NC

ケーブル KPG-36
ニッケル水素電池 KNB-26N
ニッカド電池 KNB-25A
Li-Ion Battery KNB-35L KNB-62L
乾電池ケース KBP-5

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興味本位で、NEC製のWiMAXの端末、Aterm WM3600 を開けてみる。

 

裏面のYネジを3つ外して、ちょっと強めに引っかかっている中央2カ所のツメから蓋を外し、パカッと開きに。
おや、中身は意外にシンプル。パッキンやシールは無いので、防水性能はまず期待できないですな。
アンテナが蓋側に付いていたのはちょっとした発見かも。



で、気になるのは電池。
基板と電池の間にあるシールドフィルムをめくると、リチウムポリマー充電池が出てくる。
ジャンク品の電池でも出回っていれば、交換も出来そうな気もするけれど、まず無いだろうなぁ。
電池にはこう書いてあった。

Li-ion Polymer Battry
OUTPUT:2500mAh 3.7V(9.3Wh)
AL1-002523-002

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パイオニア製のカーナビ(エアナビ)AVIC-T77の端子にセロハンテープとかシールを貼っておくと、何かと便利。



ポイントは端っこ。
走りながらテレビ見たりとかナビの操作設定なんかやっちゃだめですよ。

パイオニア製のメモリーナビ(エアナビ)AVIC-T77の内蔵電池



充電式電池パック(リチウムイオン)
商品コード: BP-N265-12/920 MX
発売元:パイオニア株式会社
定格: 3.7V 1840mAh
P/N: 338937010206

とは言え、交換用の電池はパイオニアのサービスに注文しない限り、世の中には出てこないでしょうな。

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東京国際空港(羽田) 航空無線 周波数
(AIP RJTT AD 2.18 ATS COMMUNICATION FACILITIES より)

APP
Tokyo Approach
119.1MHz(1) 119.4MHz 119.7MHz 124.4MHz 125.8MHz 127.7MHz 261.2MHz
121.5MHz(E) 243.0MHz(E)
H24
(1)Primary

ASR
Tokyo Radar
126.5MHz 236.8MHz 261.2MHz
121.5MHz(E) 243.0MHz(E)
120.2MHz 362.3MHz
H24

DEP
Tokyo Departure
126.0MHz(1) 120.8MHz 127.6MHz
121.5MHz(E) 243.0MHz(E)
124.2MHz 119.6MHz 120.6MHz 125.525MHz
H24

TCA
Tokyo TCA
124.75MHz 256.1MHz 2300 - 1200
119.45MHz 246.1MHz 2300 - 1030

TWR
Tokyo Tower
118.1MHz(1) 118.575MHz 118.725MHz 124.35MHz 118.8MHz
126.2MHz 236.8MHz
121.5MHz(E) 243.0MHz(E)
H24

GND
Tokyo Ground
121.7MHz 118.225MHz 121.625MHz 121.975MHz
H24
See RJTT AD2.20.1.2 (14)“GROUND CONTROL Frequency”


DLVRY
Tokyo Delivery
121.825MHz(1) 121.875MHz
H24

ATIS
Tokyo INTL Airport
128.8MHz
H24

-----

IC-S25/IC-S35の電池類のオプションで、単三乾電池ケースのBP-226とリチウムイオンBP-227は、IC-D50やIC-DPR5,IC-DPR6,IC-VH35/UH35/VH37/UH37などの業務用機器でも使えちゃう。(ってことは、BP-221とBP-226の違いは値段だけ?!)
もちろん、使うときは自己責任で。


写真は単三電池ケース BP-226 とリチウムイオン電池 BP-220L の参考比較。
BP-227は防水らしいが。
違いがわからねー

-----

アイコム ユニバーサルコネクター MP6 ピンの配線

OPC-966,EM-80,EM-89,AD-52,HS-93
ただし、このピン配列は海外仕向機器の場合。

日本国内業務仕様だと

右端が1番、左端が9番で、このコネクタの場合の端子は3,4,6番が存在している状態。
そのうち、クローンで使うのは上側の4,6番ピンで、RXDとTXDをMIXさせて使うということになる。

1 AF MUTE
2 EXT MIC
3 NC
4 CLONE
5 M5V
6 GND
7 EXTS
8 RCS
9 EXT SP

安易に海外の安い互換モノ持ってきてもオイソレとは使えない仕様。
IC-VH35,UH37,UH35,UH37とかIC-D50,IC-D60あたりで使うには、Rを追加したり若干の改造が必要。
IC-DPR系も同じかな?という感じ。


-----

パナソニック製 ETC 車載器 CY-ET909D (909KD,809D)の配線

 
5ピンのコネクタのうち、[・・・・・]の右から、

黄色「バッテリーからの電源(常時来ている)」
黒色「車体へアース」
赤色「アクセサリ電源(キーでオフになる)」
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こちらは、のじま、さようなら。

2016年09月30日 | 無線系全般
平成28年9月30日、長い歴史の1ページが閉じられた。
んな大げさな、という向きもあろうかとは思うが、海上保安庁が沿岸を航行する船舶に対して風向・風速・気圧・波浪などの気象情報を提供するラジオ放送、「船舶気象通報」が本日正午で終了した。
これは通称「灯台放送」と呼ばれ、運用が開始された1949年以来67年間、付近を航行する船舶や地元の漁業者、一部の無線マニア(笑)が利用してきたが、1時間に1回の放送だったため必要な時に情報がとれないこと、インターネットや携帯電話でも手軽に気象情報が入手出来るようになったことから、廃止が決まっていた。

かつては命がけで灯台を守った「灯台守」の皆様、海上保安庁の航路標識事務所の皆様に最大の敬意を表しつつ、私の仕事関連で現地に出向き、撮りためていた写真ライブラリーの中から、野島崎「南房総航路標識事務所」における「灯台放送」の「のじま」の内側を紹介させていただこう。


「のじま」の放送機器ラック。(ちょっとピン甘い)
手前から、レーダー波高観測装置、総合気象観測装置(風向風速気圧など)の上には送信状況確認用NRD-525受信機、1669kHz送信ラック、60MHz帯の布良鼻灯台向け連絡用無線ラック、テレホンサービス放送用の架台
この「レーダー波高観測装置」が導入されてから無人化が加速した。このシステムの導入により「天気」以外の情報が自動化されたため、灯台放送から「天気」の項目が無くなった。


野島崎灯台が有人だった頃に稼働していた気象情報入力端末。
放送時間の15分ぐらい前になると、気象情報の入力を求めるアラート音が鳴り、職員の方が天気や視程、うねりなどの情報を入力する。
放送時間直前に、もう一度、確認を求めるアラート音が鳴り、入力した情報が確定された内容が実際に放送される。夜勤もあり、深夜であっても当直がその都度入力する。
毎日23時には千葉海上保安部に電話で定時連絡も行っていた。


気象通報の送信機操作部。
第一・第二送信機があり定期的に切り換える。職員の方は毎日、測定器を接続して周波数と電力を計測して業務日誌に記載していた。


無線業務日誌。
これに毎日、放送内容と点検内容、局での出来事の記録を記載していた。


野島崎灯台における船舶気象通報のマニュアル放送用原稿。


「のじま」無人化切り換え直前(!)の有人時代、職員による最後のマニュアル放送の様子
(実は録音もあります)


「のじま」無線局免許状(撮影当時)


67年の長きに渡り、灯台放送の業務に関わってきた職員・関係者の皆様、あらためて大変お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
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昭和の時代のローカルラジオ・テレビの記憶

2016年08月15日 | 無線系全般
娯楽の少ない昭和の時代、私はラジオを良く聴いていた。(と言いつつ、今も聴いてるけど)
当時は、いわゆるBCLが一世を風靡した時代が終焉した頃だったかもしれない。

その頃は、たいそうなアンテナを展開せずとも手軽に聴取・視聴できる地元の放送局の自主製作番組のテレビもよく見ていた。
具体的に言えば、TBC東北放送のラジオ番組「ラジオはAM跳んでけ電波」であったり、仙台放送のテレビ番組「サタデーマガジンα(あるふぁ)」などという、ローカル番組だ。(何を隠そう宮城県民だし)

今や、インターネットをはじめとする複合的な情報源が存在する中、当時は、マスコミが時代を先取りした上で、コミュニティとかトレンド、などというものを形成していた・・・と私は勝手に思っている。そして、その中にはラジオやテレビを中心とした聴取者・視聴者コミュニティというものが存在し、番組パーソナリティのファンクラブが発足したり、番組の質や視聴率向上に利する相互交流、会員同士の繋がりを是とした組織の形成が、番組制作側のバックアップにより行われた時代であった。
しかし、当時は今のようなネットやメール、SNSなどという手段は当然ながら無く、さらには携帯電話はおろか、FAXも一般に普及していない頃でもあったため、そのやりとりは、郵便と書面、手紙が主体で行われていた。番組へのお便り・リクエストなどはハガキによる投稿が中心であり、電話でのリクエスト、いわゆる「電リク」という手法も用いられていた。(電リク受付嬢のバイト募集、などという広告もあったのだから、時代だなぁ)


このファイルは、1983年(昭和58年)から1987年(昭和62年)まで仙台放送で放送された土曜昼の情報バラエティ番組「サタデーマガジンα」(さたでーまがじんあるふぁ)」(通称・サタマガ)の番組友の会「座敷ブタ友の会」の会員規約である。
(コレがあるってことは、私は会員だったのだ)


番組内容の向上と視聴率アップを念頭とした会員相互のふれあいを深める目的で、仙台放送の制作部がバックアップで会員組織が形成され、ファンクラブ会員(座敷ブタ友の会・会員)が番組のスタジオ見学を優先観覧できたり、さらには、番組スポンサーからの粗品をもらって帰ることが出来るという、今となってはのんびりとした良き時代のだったのだ。

ちなみに、ウィキペディア情報だけでなく、ネット検索で引っかかる「サタデーマガジンα」のネタには「座敷ブタ友の会」などというファンクラブがあったとされる情報の掲載は無く、仙台放送の中でもこのファンクラブの存在を知るものは、当時現役の局スタッフ、今現在の局スタッフの世代を考えると、皆無に等しいと思われる。(放送局自体も移転したため、この手の資料も保存されてはいないだろう)


また、TBC東北放送の「ラジオはAM翔んでけ電波」は、1983年~1987年の9月までの4年半にわたり放送され、リスナーの間では、通称「ラジ電」と呼ばれていた。
この番組にも番組ファンクラブというより、パーソナリティファンクラブが存在し、何を隠そうこの私も、局アナである石川太郎氏のファンクラブの「Taro's」の会員であった。
ヘビーリスナーとのやりとりで、特定のラジオネームで頻繁に番組に登場していた人が、実は学生時代の同じ学校で別な科の先輩だった、という驚きの遭遇も私は経験している。
平成の今、いつだったか(2014年ぐらい)、屋外のイベント(於・勾当台公園)で石川太郎氏と直接お会いしたとき、「私、ラジ電のTaro'sの会員でした!」と話をしたら、石川太郎氏は大層喜んでくれたことを私は記憶している。

以上のような、そもそもチラシの裏に書くような「昔ネタ」がどなたかの興味本位のネット検索に引っかかり、その時代の記憶の穴埋めに役立てられることを密かに期待している(笑)。
そして、平成の今の時代に、30年も前のラテ的な昔話が出来るかもしれない地元民がどっかにいてほしい・・・と願うばかりだ。
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JARLの会費は「年齢×100円」ぐらいがちょうど良い

2016年05月16日 | 無線系全般
JARLとは、無線をやってる人は既知のことだろうが、日本アマチュア無線連盟の略称である。
最近、JARLが作成した資料「H27年度事業報告」で、会員数や会員を構成する年齢層が公表された。
当然ながら各方面でいろんな論議が持ち上がっていて、当ブログもご多分に漏れず記事として取り上げさせていただく。
資料によると、2016年3月7日現在のJARL会員数は「正員」が56,535名、「社団会員」が1,541名、「家族会員」が1,653名、「准員」が6,589名の合計66,318名となっている。

(グラフは hamlife より引用)

グラフを見ての通り、なぜアマチュア無線をやっている人に、団塊世代とか高齢者がピークとなり著しく偏りが生じているのか。
そもそもの世代人数が多いというのもそうだけど、今のようにネットだの携帯電話の無い若かりし頃、個人同士が使えた通信手段の一つでもあった訳で、当時アマチュア無線を楽しんでいた世代の人達が、そのまま持ち上がった感じだろう。

東日本大震災以降、過去にやっていたという人の復活も含め、アマチュア無線をやる人口は多少増加しているとは言うものの、近頃では、アマチュア無線の免許も持っているのにもかかわらず、免許(資格)の要らない無線機を使ってアマチュア無線のようなことをやっている人(通称:フリラー)も増えており、真面目にアマチュア無線をやる気が起きてないという若年層は少なくない。では、なぜライセンスを取っておきながら、アマチュア無線をやらず、また、JARLに入る人も増えないのか。
ま、ひと言で言わせてもらえば、
「会員個人の費用対効果で考えて、メリットが見えない」とか「単に魅力を感じない」からである。

仕事上で総務省の電波行政に少しでも関わったことがある人ならば、JARLというのは無線業界の中では電波利用のための研究開発や周波数や電波型式の割り当てなどの国際調整を担い、それなりに実力と存在感があるれっきとした圧力団体の一つであるのだが、いちユーザー側の普通のアマチュア無線家からすると、自分が好きなように電波飛ばして使えりゃそれでいい訳で、JARLの裏方さんが何をやっていようが知ったこっちゃないというのが実情だろう。

そもそもの話、年間7,200円という会費は、学生や若者の立場からすると決してお安いものではない。
学生にとって、月額で600円という金額はメシを切り詰めたり1時間分のバイト代を考えればどうにかなるとしても、年に一度にドカンと7,200円ってのはデカイのだ。
そこで陥るスパイラルは、概ねこんな感じだろう。

年会費を一度に払うには高けーよ、そもそもメリットわかんないし
   ↓
QSOしてもカード送れないしもらえない
   ↓
じゃあノーQSLカードでよろしく
   ↓
(相手局に)何でJARL入ってないんだよボケ、QSOしたんだからカードぐらい寄越せやコラ
   ↓
うっせーよ若者はカネねーんだよほっとけじじい
   ↓
めんどくせーアマチュア無線やんのやーめた
   ↓
デジ簡や特小のほうが世代も若いし文句も言われないから楽しいわ


昔も今も、JARLは財政が厳しい厳しいと言っている中で、会員を増やすためには、加入する魅力を明確に打ち出して、広く薄く会費を集める方法を取ってみてはどうか。
私は、JARL年会費は「中学生以下と80歳以上は一律1,000円」として、あとの人達は「年齢×100円」を目安にしたらどうか、ということを提言させていただく。まずは若者を入りやすくし、JARL会員の構成年齢の裾野を広げることが重要だと思う。

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消防・救急無線のデジタル考(その2)

2016年01月30日 | 無線系全般
消防・救急無線のデジタル考のエントリーを長く引っ張りすぎた感があるので、今まで見聞きしたり調べたりして知り得た消防・救急無線のデジタル化に関係する事柄について、アレコレと少々強引にまとめてみる。

そもそも、なぜにデジタル化を行うのかについては、前にわーわー書いたエントリの冒頭に記述した、「消防・救急無線は、電波法令によりアナログ方式による150MHz帯周波数の使用期限が定められ、平成28年5月31日までに260MHz帯においてデジタル方式に移行することとなっている」と、主に「法的縛りがあるからしょーがないんだよね」という感じで書いたけど、内情はというと、一般人(無線マニア)やらマスコミ連中が無線聴いて現場に来たりしてうっとうしいし、どうせなら秘匿性の向上とか車両の動態も管理しちゃって、ついでにデータ通信も出来るようにしちゃえば、総務省的に言えば電波利用の高度化、電波の有効利用の大義名分が立つから、早いとこ補助金もらって移行しちゃおうぜ、という流れを作った訳だ。(異論はあるだろうがある程度妥当な解釈だろう)

現在のような全国で統一された方式で配備されるまで、通信機器メーカー同士でいろいろ紆余曲折があったことは容易に想像できる。数ある音声通信の肝であるコーデックはなぜ三菱が採用されたのかとか、なぜデジタル無線の方式が千葉の方式や東京の方式(多摩方式とか言うらしい)など乱立して配備されたのか、そして東京の方式が全国展開に至らなかった理由は何か?とか、そこにはいろんな大人の事情があったはず。AMBE2とかならどうにかすれば聴けたのに。
と言いながらも、あと数ヶ月でデジタルとアナログが混在する移行期間は終了し、アナログ電波は使用期限を迎える。

私の勝手な持論で、「緊急を要する場合に使用されるモノは、可能な限り、扱いがシンプルな方が良い」ということを前提に考えると、今般切り換えられる無線システムははたしてシンプルなものか?ということには少々疑問が残る。例えば、無線を中継するための中継局が多いとか、回線が光回線を使っているとかそういう類いのものも含まれる。
装備を軽く小さくするためにチャンネル表示や音量を電子式のものにしたら、消防側から「現場で手袋してる人間がこんなもの使えるか!」などと怒られたり、機器更新で、「これはファンクションキーを押してナントカカントカ…」という操作方法を教えようとしたら、「こんなめんどくせーモノ使うぐらいなら伝令走らせたほうがマシだ!持って帰れ!」という話があったとかなかったとか。
「メガネが無いと表示が(小さくて)見えない」という笑えない話にならなければいいなぁ。

そのニッポンのデジタル消防無線通信のキモである、にっくき(笑)M-CELP (三菱CELP方式)であるが、拾い集めた情報を基に規格を精査してみると、以下のような規格のようである。
AS500031A ←この単語をググってこのページにたどり着いた人はかなり怪しい人です。
・音声符号化方式:三菱CELP方式
・伝送容量:総合6.4kbps(音声3.45kbps+誤り訂正2.95kbps)
・音声帯域:300Hz~3400Hz
・誤り訂正能力:BER 7%(俗に言うメリット3)
・音声符号化機能:1系統(送信するときのエンコード用)
・音声復号化機能:2系統(受信するときのデコード用、上り下り分)
・PCMデータフォーマット:16bitリニア、8bit μ-law
・処理遅延:85ms以下

そんな規格が分かったとしても、一般人がチップを入手して扱えるようなシロモノではないのは周知の通り。
開発されたときからの時間経過、総務省消防庁の消防救急デジタル無線共通仕様書が作成された時期(平成21年9月)を考えると、いまこうして世の中の消防団体に無線機器が出回って全国的に運用が開始された時点で、既に陳腐化した技術であることは間違いが無いのだが、無線マニアたちの技術を結集させたとしても、復調するためのハードルはかなーり高いのは確かだ。
「そもそも、そんなよその人の通信なんか聴いてどうすんの?」というツッコミは無しで(笑)。

かつて、無線受信マニュアルの王道とも言えた三才ブックス発刊の雑誌「ラジオライフ」は、多様なデジタル通信機器の普及によって従来の手法では受信不可能な対象が増えていく中、どんな方向に進むのだろうか。無線系の記事が激減したら、単なるハッキング雑誌に成り下がっていっちゃうのかも。


消防デジタル受令機機種名まとめ(仮)
 エーオーアール AR-F50 AR-F100 AR-F400
 CSR C850ZD AX850 GX850
 日立 EMR-00JFV
 アイコム IC-R6000FD IC-R60FD
 アルインコ DJ-XF7 DR-XF7
機能性能比較表でも作るかな。

CS-R60FD CS-R6000FD ←この単語をググってこのページにたどり着いた人はかなり怪しい人です(その2)

聞いた話メモ
日立 EMR-00JFV・単1型アルカリ電池2本で使える時間は30分程度(短っ!)
・電池を使ってるときは外部に繋いでるスピーカーからは音が出ない
・最大128chメモリー(FL/FHペアで設定すると半分か?)
・デュアルワッチしてるみたい
 基地波と直接波の通信相手が同じ場合に、片側の音声をミュートする機能がある
 (やまびこミュートっていうんだとか)

エーオーアール AR-F50 / AR-F100 / AR-F400
・12ch×9バンクの108chメモリー(FL/FHペア,デジ簡,アナログ波,それぞれで1ch)、最大216波
・アルカリ単3電池を4本か6本入れて使えるけど、使える時間は1時間未満
・外装を抜き取ると1DINマウントのネジ穴が出現してカーステのように設置できる
・電源を喪失させるとパスワード(ダイヤル1~12を4桁)を要求され、スリーアウトで「不正コード」だぞてめぇと怒られて画面がブラックアウト
・受令機の中では液晶画面が大きいからショートメッセージが見やすいかも

CSR AX850
・最大128chメモリー(FL/FHペアだと64波)
 活動波50ch(100ch)、主運用波9ch(18ch)、統制波5ch(10ch)の最大128ch
・チャンネル表示、タグ表示(全角6文字or半角12文字)
・ショートメッセージは表示できない
・イヤホン端子が付いてる
・パスワードを3回連続で入力ミスをすると本体がロックして文鎮化「Pass: エラー」って出る
(パスワードの入力は正面の4つの機能ボタンを決めた順番で押して解除するが、スリーアウト後はメーカー送り)
・バースタ業務機の電池パックと似てるけど形状が異なり、互換性は無い

電池パック CBP501LI(HX575UJDのデジ簡とかと同じ品番だけど、VX-D591とか VX-581,VX-582用の FNB-87Li、モトローラ GDR3500 用の MLB-001 バッテリーとは嵌合ツメの位置、形状そのものが違う。

参考まで、モトローラのMLB-001はVX-581,VX-582には流用できるが、バースタのFNB-87LiはモトローラのGDR3500には流用が出来ない。(金属製のツメの形状が違う)
じゃぁジャンクのバースタ機のツメを持ってきてMot機に移植すれば・・・と思ったら金属ツメの幅が2mmぐらい違った(泣)



このままじゃ悔しいのでバースタのFNB-87Li電池パックのほうを削ってやったぜぃ。

CSR GX850
姿形と音声出力がデカイだけで、機能はAX850と似たり寄ったりって感じかな

CSR C850ZD
・最大100chメモリー
 活動波80ch、主運用波用として10ch、統制波用として10ch
(不思議なch割り当てだけど、LEDのチャンネル表示しかないからは01~80、P0~P9、C0~C9となる)

アルインコ DR-XF5/7
・筐体がデカい割に画面とツマミが小さく、手袋付けてると操作しにくい(ハンディと部品共用か?)
・デジ簡を内蔵することもできるけどアンテナコネクタはまさかのSMA。マニアじゃないと操作性には問題あり。(別々の方が使いやすくないか?)

アイコム IC-R6000FD IC-R60FD
・うーん、身近に納入している事例が無いので情報が無いのよね

日立や富士通、NEC製なんかの無線機の形をしている受令機
・送信機能を殺して銘板を貼り替えてマイクコネクタを塞いだだけで「ワタシ受令機なんですよね」と変身はしてみたものの、中身は無線機と変わらないらしい
(そういえばアナログの卓上受令機も車載機のマイクコネクタの所を塞いだだけの感じだった)

アナログ運用が終了したは良いが、デジタル無線に切り換えたばかりの消防本部で起きているであろう運用上のトラブル(注:俺様目線でのあくまでも想像で)
・設置納入した業者も工期がパンパンだったから、業者がユーザーにろくに使い方を教えてない
・適当に局名選択画面を押されて、選択呼び出しで用も無いのに突然呼ばれて「不在着信」とか表示されまくる移動局
・通話テストするのに、ちゃんと「本日は晴天なり」と言わず「あ~あ~テストテスト、試験中試験中、フーフー!聞こえた聞こえた、なんだずいぶん遅れて聞こえるなあ」とか言っちゃう
・基地局がプレストークを押しっぱなしで通信(同時通話)出来てるのに「どうぞ」とか言っちゃう
・定時通話試験で、音声頭切れ局が大量発生
「メリット5!」と伝えたいのに、PTT押してすぐしゃべるもんだから「ト5!」しか聞こえない
・自分がしゃべった音声が折り返しで自局で受信して「ヒャッヒャッヒャ~」ってハウリング起こして慌てる
・セレコール通信(選択呼び出しモード)でヨソに聞かれないと思って軽く雑談なんかしちゃったりして
・定時通話試験で、そこらにある無線機で代返したのがバレて怒られる(デジタルなので発信局名の表示が出る)
・指令のショートメールが来ても文字が小さくて読めないからいちいち見ない
・現在地を訊かれてもウソつけない(※配備された機材にもよる)
・本部側がプレストークを押しっぱなしで現場移動局と通話しちゃって、移動局側からの基地局折り返しが聞こえず、他の移動局へ移動局からの現場情報が伝わらない事象が発生
(デジタルの車載無線機は基地局側音量つまみと直接通信音量つまみが独立しているので(一部、富士通製などは違うが)直接通信側の音量を絞ってると基地局側の片通話しか聞こえなくなる)
・無線で移動局側への情報伝達もれを減らすには、本部側がPTT押しっぱなしにして個別通信せず、従来通りの単信通信方式で「基地局折り返し」(中継通信)を活用したほうがいい(←けっこう重要)

ここでいう基地局折り返し通信と移動局関係のイメージは↓こんな感じ。

FH側しか受信設定していない受令機や、現場から遠くにいる移動局なんかだと、本部側がPTTを押しっぱなしにすると、FL波の移動局側の音声をFH波に折り返ししてくれないので、移動局側の通信内容が聞こえないのだ。
逆に、FL側のみで単信のはずの消防団波に、+9MHzのFH側を設定してしまって、どこかの受令波がカブってクレームが入ったという事例もあるらしい。

現場の人に、「消防デジタルあるあるネタ」を取材しておこうか。
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視線の先にはいつも鉄塔とアンテナと局舎

2015年06月10日 | 無線系全般
なんとなく栗駒山に赴いてみた。
栗駒山は、山体が宮城県、秋田県、岩手県の三県にまたがる山で、山頂部は宮城県と岩手県の境界になっていて、二百名山の一つに数えられている標高1,626mの活火山である。

別に山登りをしようという訳でも無く、アマチュア無線をやって電波をガンガン飛ばしてやろうという訳でも無く、ラジオや無線を聴きに行ってきたのである。栗駒山の「いわかがみ平」と言えば、高いところが好きなアマチュア無線家が気軽にクルマで行けて、電波も良く飛ぶ高所の一つであるが、自分の興味はその途中にあった施設に。


今は無き、「いこいの村栗駒」の土地の横にじゃじゃーんとおっ立ってる防災無線と思しき中継局。
左が2014年9月の時点、右が2015年5月のものだ。
この施設は、すっかり運用周波数帯が変わり、監視カメラまで設置されている。
このカメラがよく動くシロモノで、設定されているであろう複数の監視点にレンズを向けていたと思ったら、こちらが近くにクルマを停めたとたん、こちら側に向いてロックオンしてくれた。(と感じた)


一方、その「いこいの村栗駒」跡地の反対側の端っこには、気象庁が設置した火山観測用の局舎が設置されていて、気象庁の資料によると、速度型地震計・傾斜計・地中温度計・空震計が設置されている。センサは深さ100mのところにあるそうだ。
今のところ栗駒山は静かのようだけど、このまま落ち着いててくれたらいいなと思う。

昨今、火山活動が活発になりつつあり、地震の発生も多いから、こうした観測設備は充実すべきところであるが、「大規模噴火は数千年に1度なのに24時間の監視が必要なのか?」とかいう、事業総括も責任も取らない無責任な事業仕分け劇のおかげで、その翌年の火山観測の予算をガクンと減らされた気象庁も何かと多難だよな。気象庁は、ただでさえ予算が少なくてアメダスなどのメンテナンス費用もカツカツだというのに。(その代わり、職員側に技術的なスペシャリストが多いのは良いことだと思う)
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「マイレピーターワッチ宣言(仮称)」の提案

2015年03月11日 | 無線系全般
1.「マイレピーターワッチ宣言」提案の背景
平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、太平洋沿岸地域が広範囲にわたって被災し、平時のインフラである電源や通信手段が寸断された。本来ならば直ちに支援活動が出来る体制になっているはずの官公庁も大きく被災し、被災状況の把握や安否確認に支障を来した。この状況の中、アマチュア無線の資格を持ち、通信が出来る状況にあった被災地の一部の人たちは、所有するアマチュア無線機器を利用して非常通信を行い、被害の影響が少ない遠方へ被災状況を伝えるとともに救助の要請が出来たという事例があった。

大規模災害時は、通信インフラが輻輳し、携帯電話やインターネットなどが使えなくなる場合があり、さらに、停電などで機器そのものが使用できなくなる場合も考えられる。そこで、バッテリーなどの電源と最低限の設備さえ確保出来れば、平時のインフラに依存せずに通信が可能となるアマチュア無線の中継局(レピーター局)をよりどころとして、「ここの周波数を使えば、誰かが聴いていてくれて応答してくれる」や、「被害の少ない遠方のアマ無線仲間と通信が出来る」という通信伝達環境を日頃から整えておくことが肝要である。

2.日頃からレピーター局を利用する
レピーター局は、直接、当人同士が通信出来ないとき、レピーター局を介し、局と局の間を取り持って通信を中継するという用途に使われている。その際、出来るだけ広範囲で利用出来るようにするため、高台やビルの屋上など、電波が飛びやすいところに設置されている。
通信する端末も、自宅に設置した固定局だけでなく、車載型やハンディ型の無線機であっても、最低限、レピーター局まで電波が届けば、レピーター局の電波が届く範囲で通信が可能である。日頃から一般のアマチュア無線家がレピーター局を利用していれば、通信が可能なエリアは、ある程度把握しておくことができ、自分の居場所・運用地によって、条件の良いレピーター局を選択して運用することも可能である。

3.「いつもここを聴いているよ」を「宣言」する
例えば、内陸部に住むA局は、沿岸部に住むB局とはアンテナなどの条件を整えれば直接通信ができるが、レピーター局を利用すれば良好に通信が可能になり、市街地に住むC局は、ハンディ型の無線機しか無いが、レピーター局を利用するとA局ともB局とも良好に通信が可能だとする。こうした条件のときにお互いが通信をしようと思ったとき、同じレピーター局で待機していれば通信が実現するが、当然ながら、各人が、あらかじめ「いつも439.**MHzを聴いてるからね」と分かっていることが前提となる。

この、平時におけるレピーターの待機周波数の示し合わせを、「マイレピーターワッチ宣言」と称し、日頃はJARLの支部大会などで宣言者を募集、賛同者のコールサインと周波数リストを、支部ホームページ上や支部報などに公表しておき、「いざ!」というときだけでなく、普段の各局同士が連絡を取る手段、コミュニケーションツールの一つとして利活用することで、アマチュア無線局の運用を活性化するきっかけにしたいと考える。

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上記のような提案を2年ほど前に作成し、JARL登録クラブ代表者会議などで配布したことがあった。
「停電しても使えるようなレピーターでないと連絡取れないじゃん」とか「メインチャンネルの存在はどうなの?」という意見もあるだろうが、主な趣旨は、「手軽な設備で他局と連絡が取れる可能性が高く、通信手段としてサービスエリアが広いレピーターを有効活用しよう」という部分であって、各自が手軽に連絡が取れるのであれば、短波帯だろうがV・UHF帯のシンプレックス通信だって構わないのだ。
もちろん、「常にレピーターを聴いていろや」というワケでは無く、「震度○以上あったらとりあえずスイッチを入れるね…」という形でも、事前にお互いが申し合わせをしておけば何ら問題は無い。

震災から今日で4年が経ち、東日本大震災被災地の一つの宮城県で第3回国連防災世界会議も行われるということもあって、あらためて、アマチュア無線仲間同士の横のつながりというか、連絡体制のようなものの構築に取り組んでみるのもどうかな?と思い、当ブログに転載してみたのでした。

「私は、仙台市在住です。大規模災害の発生時は主に 439.72MHz または 439.62MHz のレピーターを聴取します」

ま、こんな↑具合で自己主張。
仙台市青葉区台原に設置してある439.62MHzレピーターは、停電時でも自家発電経由で電源が供給される系統に接続されているそうです。(設置場所が病院ですし)


キーワード: 非常通信 震災 大規模災害 通信手段 アマチュア無線 レピーター 中継局 ワッチ
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消防・救急無線のデジタル考

2014年09月03日 | 無線系全般
消防・救急無線は、電波法令によりアナログ方式による150MHz帯周波数の使用期限が定められ、平成28年5月31日までに260MHz帯においてデジタル方式に移行することとなっている。
アマチュア無線で使う無線機器は、アマチュア無線で使用する周波数帯域外の電波も受信出来たりするものが多く、近所でサイレンが鳴っていたらとりあえず消防無線を聴いて状況を確認してみる…という方も多くいたことだろう。(注:電波を傍受することそのものは合法)
しかーし、それが出来るのも、地域差はあるけれど最長で平成28年5月末でおしまい、その後は一部を除いてデジタル通信に移行してしまうのだ。

普通にDVSIあたりで作ってるようなコーデックのチップを使ってくれれば何とかすりゃ聴くことも出来るってものなのだけど、そこは日本国内メーカーお得意のガラパゴス、国内独自規格の三菱電機製の「三菱CELP方式」(通称:M-CELP)という音声コーデックが用いられているため、一般人が「くーださいっ」って言って部品屋に頼めば入手出来るようなシロモノではない。(よくもまぁ消防通信に強い各メーカーH,F,N,Oなどの各社や業界がキモの部分のM社独占を飲んだもんだ。コーデックを許すかわりにM社は機器製造には出てくるなよという手打ちをしたとしか思えないw)
受信するための受令器なんかも、消防関係者のみの限定販売で、注文形態も消防機関からメーカーに直接指示する方法なので、どっかの無線販売店に注文しても、取説はおろか本体なんぞは絶対に入手は出来ないそうである。
(コーデックのチップはQRコードとチップIDなどが割り振られて、機器本体も販売先・エンドユーザーまで管理されているようです。管理項目も、移動機の所属名称・M-CELP管理番号・製造番号(LOGIC・RF他、各基板・量産ロット番号も)
したがって、通常の手段ではマニアがいくら欲しがったとしても買うことは出来ない。
うーん、残念。(マスコミとかどうすんだろね)

現段階ではアナログ無線とデジタル無線が混在している過渡期ということもあり、車に無線機類が複数取り付けられている状態が想像できるが、地方ごとに装備に偏りがある場合、非常時に応援する・応援を受ける場合に各部隊間で通信できない、連絡設定ができないというようなことにならないことを祈るばかりだ。ま、そんなことも考慮してか、デジタル無線でも基地局を介せず移動局間で直接通信できるとか、期限ギリギリまでアナログ無線を配備してるようだけど。

通信機器が高度化するにあたって私個人的に不安に思う点は、平時かつ既存のインフラに頼る部分が多いと言うこと。確かにインターネットや電話通信回線があることによる恩恵は多大なものがあるが、日頃の災害訓練はそのインフラがあることを前提にして行っているに過ぎず、東日本大震災のような大規模でインフラが途絶したような状況を考えたとき、それ相応の事業継続計画(いわゆるBCP)を別途考えていていただきたいと思う訳だ。ま、こんな場末のブログで素人が言うことでは無いのだが。


富士通製の消防デジタルハンディ機の例
(屋外のイベント時に当ブログ管理人が撮影)
2016/06/25追記
「うぷろだ・どっと・いんふぉ」なるアフィリエイトサイトで勝手にこの写真を引用しているのを発見した。
「本ウェブサイト掲載の写真・動画等を引用、転記される際は必ず引用元の明記をお願いします」とか自分とこには書いといて、こっちには断り無しかよ


参考資料(総務省消防庁 検討会資料)
消防救急無線のデジタル方式への移行過程における広域応援時の通信手段確保に関する検討会報告書

役所の事業発注仕様書類を掘ってて見つけた、いわゆる共通波と呼ばれる周波数や関連する周波数の情報
(消防無線の周波数は原則非公開のはずなのに(笑)
なお、宮城県は都道府県・主運用波2を県内共通波として使用。

下り(FH・ダウンリンク・固定局側・使用県(推定を含む判明分)
274.30625 MHz 都道府県・主運用波1(青森県・栃木県・静岡県・京都府・広島県・佐賀県)
274.38125 MHz 都道府県・主運用波2(宮城県・千葉県・長野県・大阪府・愛媛県・長崎県・沖縄県)
274.45625 MHz 都道府県・主運用波3(山形県・埼玉県・愛知県・兵庫県・山口県・鹿児島県)
274.60625 MHz 都道府県・主運用波4(北海道・福島県・東京都・岐阜県・和歌山県・鳥取県・福岡県)
274.68125 MHz 都道府県・主運用波5(秋田県・茨城県・山梨県・富山県・滋賀県・徳島県・大分県)
274.75625 MHz 都道府県・主運用波6(新潟県・神奈川県・福井県・奈良県・島根県・香川県・宮崎県)
274.83125 MHz 都道府県・主運用波7(岩手県・群馬県・石川県・三重県・岡山県・高知県・熊本県)
274.90625 MHz 全都道府県・統制波1
274.23125 MHz 全都道府県・統制波2
274.53125 MHz 全都道府県・統制波3
(コメント欄でいただいていた情報を含め、展開しておきます)

上り(FL・アップリンク・移動局側)
265.30625 MHz 都道府県・主運用波1
265.38125 MHz 都道府県・主運用波2
265.45625 MHz 都道府県・主運用波3
265.60625 MHz 都道府県・主運用波4
265.68125 MHz 都道府県・主運用波5
265.75625 MHz 都道府県・主運用波6
265.83125 MHz 都道府県・主運用波7
265.90625 MHz 全都道府県・統制波1
265.23125 MHz 全都道府県・統制波2
265.53125 MHz 全都道府県・統制波3

受令波(基地局側の一方送信)
274.95000 MHz
274.96875 MHz
274.98750 MHz

消防団用(移動局側直接通信のみ)
265.95000 MHz

※いずれもネットで拾った公開資料や独自で調査(笑)した内容を総合してまとめたので例外は考慮していません

6.25kHzステップってだけあって、周波数の刻みが細けぇなあ。250Hzとか誤差とかfズレのうちだろうに。

メーカーの人の雑談なんかを総合すると、車両から消防無線の無線機器や受令器を取り外す際は、きちんとした手順を踏まないと設定内容を忘れてくれたり、何かを押しながらとか、何かを長押ししたあとアレしてコレしてチキチキして…をやらないと、電源が入らない・起動しない・受信はしても音が出ないようになっているそうだ。それなりに盗難・窃盗対策もしてあるみたい。
ってことは、かっぱらわれた無線機や受令器に対して消防本部から信号を送りつけて、「はい今死んだ!今この無線機死んだよ!」ということもあるってことだろう。いずれにしても、泥棒しちゃイカンのだ。

このネタは思いついた段階、写真のネタが入った時点で随時追記していこうかと思う。

-----
2014/11/10追記
アナログ受信機で受信した音での判断ではあるが、274MHz台とされている周波数割り当て原則のブロックから外れ、273MHz台の下の方にも周波数の割り当てがあるようだ。んぁ~もぅストレスが溜まる(笑)

-----
2014/11/18追記
デジタル消防無線の工事で談合か、大手5社立ち入り検査 公正取引委員会

全国の市町村や消防組合が発注する消防救急デジタル無線の整備工事の入札で、公正取引委員会は、談合を繰り返した疑いが強まったとして、不当な取引制限をした独占禁止法違反の疑いで、東証1部上場のメーカー5社を18日、立ち入り検査した。立ち入りを受けたのは、NEC、沖電気工業、日立国際電気、日本無線、富士通ゼネラル。
数年前から、市町村などが進める消防無線のデジタル化に伴うシステム整備工事の入札で、事前に落札者を決めていた疑いが持たれている。

私の正直な感想、
「ま、今までのしがらみ考えたらこうなるわな」というのと、「役所の指名停止は新規発注の無い年度末にチョロッと1ヶ月半~2ヶ月ぐらいやってお茶を濁すんだろ」って感じかな。

-----
2014/12/24,2015/3/26,10/6,12/1,2016/2/15,3/10追記
宮城県内の消防デジタル化関係まとめ(ソースは俺様)

・仙台市消防局 まだアナログ運用中(2016/2/25現在)、車両への取り付け作業は一段落して基地局関係の調整と管内における通話試験をしているとみられる。
 ただ、まだ短いアンテナが付いていない車両、デジタル機が搭載されていない車両が見受けられるのと、工期が平成28年3月17日まであるので、アナログ波での運用はギリギリまで残るかも。
仙台市消防局が発行している「平成27年度 仙台市消防概況」(地域によっては消防年鑑とかいうやつ)によると、「仙台市では、消防救急活動の高度化及び電波の有用利用の観点から、平成28年4月の運用開始に向けて消防救急無線のデジタル化を進めております」だそうです。

New! 2016/3/10 11:00をもってアナログ運用が終了し、デジタルへ移行しました

・名取市消防本部 デジタル移行済
・岩沼市消防本部 デジタル移行済
・登米市消防本部 デジタル移行したっぽい(2016年年明けから?)
・栗原市消防本部 デジタル移行済(2015.*)
・黒川地域広域行政事務組合消防本部 デジタル移行済(2013.4)
・石巻地区広域行政事務組合消防本部 デジタル移行済(アナログ波での出動指令と消防情報の一方送信、期限付き残)=2月中に終わった?!
・塩釜地区消防事務組合消防本部 デジタル移行済
・亘理地区広域行政事務組合消防本部 デジタル移行済(2015.3)
・仙南地域広域行政事務組合消防本部 デジタル移行済(2013.3)
・大崎地域広域行政事務組合消防本部 デジタル移行済
・気仙沼本吉地域広域行政事務組合消防本部 デジタル移行済
裏の声:この↑消防団体の順番にはそれなりに意味があります
HK社製無線機メモ
 001DPAA1178 EMM-02JFW 5K80G1D 5K80G1E 5K80G1W 1.2W
 FL 264.03125~265.99375MHz 6.25kHz間隔 315波
 (FH 273.03125~275.99375MHz 315波)

 001DPAA1181 EMM-05JFW 5K80G1D 5K80G1E 5K80G1W 5W
 FL 264.03125~265.99375MHz 6.25kHz間隔 315波
 (FH 273.03125~275.99375MHz 315波)

O電気製無線機メモ
 001DPAA1168 VM1154LD 5K80G1D,5K80G1E,5K80G1W 5W
FL 264.025~266.000MHz 6.25kHz間隔 317波
(FH 273.025~276.000MHz 6.25kHz間隔 317波)

N電気製無線機メモ
 001QVAA1084 JDC4H1A2-AD 5K80G1D,5K80G1E 5W
 FL 263.98125~265.99375MHz 6.25kHz間隔 323波

-----
2015/3/25,2015/5/15,/9/18,10/21,11/12,2016/2/8 いろいろ追記
複数の広帯域受信機を使用してサーチをかけ、デジタル消防無線のザーザー音の特徴を自分なりに調べてみた。
デジタル消防の信号をアナログ受信機で聴いてみると、ガララララという音の後、きゅぅーという境目の音が出たのち音声信号とおぼしきザララララァ~という音に変化して聞こえる。耳を澄ますと心の声が聞こえて・・・こないって。

・仙台市消防局
2015/12/1時点でアナログ運用が残っているものの、デジタルでの通信試験が頻繁になってきた。平日の日中に消防局の周辺を通過すると複数の信号が周波数が低い順番に出ていたり、連続送信になっているのが確認できる。試験電波は業者が働いているであろう日中帯のみ。デジタル波では活動波が倍増しているものと考えられる。
今後、デジタル系を使って機器の使用習熟と運用テストを含めた災害出動訓練を行うものとみられる。

デジタル消防の帯域内で2つの信号が立っているうち、左が名取消防らしき信号で、中央は仙台消防らしき信号。
仙台消防は仙台市内に基地局がたくさんあるので、どこからの信号かは特定できない。公表されている資料によると、権現森山・大年寺山・八木山・大八山・芋峠に中継局が存在する。

これは仙台消防の消防波(FH・基地局側)が一斉に送信している状態。(受信機はAOR製のAR2300)
(ピークを拾って右側に表示している周波数は、受信機の分解能によるもので、あくまでも目安)

2016/8/3 追記

デジタル化後の仙台消防、8時半からの朝の通話試験時間のキャプチャ。たぶん救急波4波。

活動波1(青葉):273.86250MHz 活動波2(宮城):274.00000MHz 活動波3(泉):274.106250MHz
活動波4(宮城野):274.181250MHz 活動波5(若林):274.25000MHz 活動波6(太白):274.47500MHz
活動波7:274.55000MHz 活動波8:274.62500MHz
救急波1(青葉・宮城):274.70000MHz 救急波2(泉・太白・ステーション):274.77500MHz 救急波3(宮城野・若林):274.85000MHz 救急波4:274.92500MHz

・名取市消防本部
普段気にしていなかったというのもあって、いつの間にかデジタル化。
定時の通話試験の開始時刻は13:05と推測。相互台公民館付近に中継局。なぜか、デジタルで指令が出ているであろうタイミングでアナログ波では同時に無変調が出ている。(いつの間にか終了してた)
活動波1:274.68750MHz 活動波2:274.83750MHz 活動波3(救急波):274.07500MHz
活動波2は主に消防団が使用。

・岩沼市消防本部
小規模だし平和だし、普段気にしていなかったので、いつの間にかサクッとデジタル化。定時の通話試験の開始時刻は7:35頃と推測。
活動波1:274.66250MHz 活動波2:274.58750MHz 活動波3(救急波):273.92500MHz
活動波2は主に消防団が使用。

・登米市消防本部
まだアナログ運用中。システム系の整備を(?)日本電気(株)東北支社が 647,000,000円で落札。工期は平成27年3月13日~平成28年3月28日。
期限ギリギリまでアナログ運用する気満々?!と思ったら試験電波を確認する前に2月に入ってからは日中の通話が無くなった気がする(ぉ
活動波1?:274.64375MHz 活動波2?274.73750MHz(未確認) 活動波3?274.81250MHz(未確認)18:35頃に通話試験
・栗原市消防本部
面積が広い割に通信量が少ない。夕方16時頃に通信試験をやってたような。
活動波1:274.15000MHz 活動波2:274.28750MHz 活動波3(救急波):274.437500MHz
・黒川地域行政事務組合消防本部
県内では震災前、早々にデジタル化。定時の通話試験の開始時刻は8:10頃と推測。
活動波1:273.91250MHz 活動波2:274.06250MHz 活動波3(救急波):274.13750MHz
調査不足で活動波1と活動波3救急波の区別は自信なし

・石巻広域行政事務組合消防本部(石巻市、東松島市、女川町の2市1町で構成)
デジタルに移行はしたものの、現状はまだアナログでも初期の指令と引き揚げ後の消防情報は流れている。
何らかの指令が出るとき、今までのアナログ波と同時に、活動波1~3と救急波とみられるデジタル波4波が一斉に電波が出るので、割り当てられている周波数の発見は容易。(スペクトルが同時に4つ立ち上がる)
定時の通話試験の開始時刻は09:00頃と推測。統制波1~3や主運用波2の電波が出たあと、市波1と2の信号が出てくる。
上品山・大草山・日和山・石峰山・前山に中継局設置。
活動波1:273.93750MHz 活動波2:274.01250MHz 活動波3:274.16250MHz 活動波4(救急波):274.08750MHz
・塩釜地区消防事務組合(塩竈市、多賀城市、松島町、七ヶ浜町、利府町の2市3町で構成)
ここの消防無線の電波は、何らかの交信があった後、中継局の電波が切れるまでの時間をずいぶん長く取っているようで、スキャンをしていると「ガララララ」という変調が乗ってない感じのカラ信号のようなものがよく引っかかってくれる。
中継局がある番ヶ森山の近くに行けば、その疑惑が確信に変わるかも。
定時の通話試験の開始時刻は08:35と推測。
活動波1:273.88750MHz 活動波2:273.96250MHz 活動波3(救急波):274.03750MHz
・亘理地区行政事務組合消防本部
アナログ時代からも意識してなかった。定時の通話試験の開始時刻は8:25頃と推測。
活動波1:274.75000MHz 活動波2(救急波?):274.82500MHz
・仙南地域広域行政事務組合消防本部
アナログ時代はロケが良い場所から中継局経由で飛んできてたから聞こえてたけど今はどうかな。
雨塚山・大萩山・離森・支倉・太陽の村に中継局を設置。
活動波1:273.87500MHz 活動波2(救急波?):273.95000MHz 定時試験(携帯局?)は土曜0840~
・大崎地域広域行政事務組合消防本部
公表資料によると、消防緊急通信指令施設Ⅱ型(人口10万人以上40万人未満基準)を採用し、納入業者は富士通ゼネラルのもの。
デジタル運用開始は平成25年4月1日。鬼首・岩渕・薬莱・箟岳に中継局設置。資料を探すと所在番地まで見つかった。
活動波:273.90000MHz 活動波:273.97500MHz 活動波:274.05000MHz 救急波:274.125000MHz
信号は確認していても、調査不足で主な活動波の区別が分からない。

・気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防本部
東日本大震災からの復旧でさっさとデジタル化したようだ。といいながら、アナログ時代も聴いたことが無いし、調査するにも現地に行かないと電波の出現状況は分からない。石割・津谷舘岡・十二曲に中継局設置。
活動波:274.31250MHz 活動波:274.76250MHz 活動波:274.65000MHz
信号は確認していても、調査不足で主な活動波と救急波の区別が分からず(うちから遠いし)。活動波の割り当て数は4波あるが平和なため通信が少なく、未発見波あり。室根周辺の一関消防と区別が分からない。


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2015/12/3追記
使ってる人からのタレコミによると、アイコムのハンディ型デジタル消防受令機 IC-R60FD は電池の持ちがよろしくないのでは?というお話。
単純にカタログ情報を比較してみると、 IC-R60FD はBP-274(7.4v1800mAh)使用時、受信1:待受19の割合で使用した場合、約10時間使えるという。一方、350MHz帯デジタル簡易無線 IC-D60 の場合、受信5:送信5:待受け90の運用状態にて約12時間使える(5W出力時・パワーセーブオン)ことから、比較条件は違うものの、前者は送信せず受信するだけでも大メシ喰らいだというのが分かる。
アルインコ製の携帯型受令機 DJ-XF7 のほうも、カタログ上で「電池パックは定格出力で8時間以上、最大ボリュームで連続して鳴らし続けても3時間以上の運用時間を達成」などと書いていることから、電池の持ちは似たり寄ったりというところだろう。
普段は詰所にある据え置き型受令機で受信待機しておき、指令が出てからハンディ機を持って出場後、引き揚げてくるまでは電池は持ちそう。でも寒いところで使う場合、リチウムイオン電池で大丈夫?!(部外者の余計な心配だけど)
受信待機時は外部電源が必須だね。

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2015/12/13追記

大規模災害の際の応援・受援の場合、主運用波や統制波で運用することになっているが、東日本大震災の時は、あちこちで他県の複数の援助隊が全国共通波に開局したため周波数が足りず、混信だけでなく情報の錯綜と混乱が発生、やむなく派遣元の市波で活動した・・・という話もあったが、もしそのような場合はデジタル機器になっても基地局を介さずとも移動局同士で直接通信が出来るから、あとはVHF帯とは違う"飛び具合"がどうなのかな?ってところ。何せ一般人が使えない未知の周波数帯だから少々興味があったりする。

私があらかじめことわっておくような立場でも何でもないのだけれど、現段階で明確になっていていえることは、今後運用していくデジタル消防救急無線は、各消防団体専用で特化した設定をした上で納入・設置されているので、よそから不正な手段で持ってきたやつをどうにかしようと思っても、設定変更が出来る可能性は限りなく低く、悪いことは考えない方が良いと思う。
仮に機器の設定をいじれたとして、今までアナログの受信機でやっていたような、消防救急用に割り当てられている周波数をメモリーして片っ端からスキャンさせるという芸当は、新しいシステムでは通用しないのだ。

それは、消防救急デジタル無線の規格や仕様上、受令器や無線機に活動波の周波数と消防団体コード(※非公開)の登録設定をしておかない限り、近隣の消防団体の活動波はモニター出来ないことになっているためだ。
もし、A県A市の受令器や無線機を持ち出して、周波数が偶然同じなB県B市で受信しようとしても、信号そのものを受信はしたとしても、音声は出してはくれない。(受令波であっても同様。また、近隣協定を結んで相互に団体コードを設定している場合は除く。)ただし、統制波と各県に割り振った主運用波は団体コードは非表示だが音声は出る。


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2015/12/16追記
<用語おさらい>
主な用語は、平成21年6月4日発の総務省消防庁告示第十三号に掲載されています。

主運用波とは?
 各都道府県内に属する消防機関が相互に応援活動を行う場合に使用するもので、都道府県ごとに指定される周波数のことをいう。
統制波とは?
 都道府県を越えて消防機関相互の応援活動を行う場合、各消防機関相互の通信統制を行うために使用される全国共通の周波数のことをいう。

それらの前提として、(共通仕様書に記載されている内容を要約すると)
・主運用波と統制波は基地局同士、相互の通信で使用できる
・基地局間の通信は、下り周波数を使った単信で行う
・各消防団体は、統制波基地局を(原則として)3波全部整備(配備)しておく必要がある
・主運用波と統制波は、近隣の消防本部同士で電波が干渉するので、移動局が送信してもすぐには自動折り返しは行わず、本部側が移動局に応答したとき初めて折り返し動作をする
(ってことは、移動局は上り同士で直接通信は出来ても、本部側が移動局に応答して介入しない限り、下り波に中継してくれないってことだな)

今思えば…なのだけど、消防のデジタル化が各団体から発注され始めた初期の頃、印刷できる版の共通仕様書もグーグル検索で引っかかってくれたものだけど、今検索してもどこにも引っかからなくなった気がする。そして、平成23年夏頃、総務省が出した周波数ブロックであったり周波数の組み合わせテーブルのようなものを見たことがあったけど、順次配備していくにつれてあちこちで電波が干渉し始めたようで、その割り当て原則のようなものに沿わない割り当てになってしまっている。

いろいろ追記が長くなってきたので、この問題は消防・救急無線のデジタル考(その2)へ継続してしまうことにする。
※注 周波数等の情報は官公庁が公表している資料のほか、当方が独自の手法で調査したものであり、それらがはたして正確かどうかは分かりません。IC-R1500やAR2300、AR8200mk3など複数の受信機を使用し、定時試験のタイミングなどでFHとFLをそれぞれスキャンさせて信号の出現順から特定していくという地味な手法にて実施。なお、当方にさらなる詳細の問い合わせいただいてもお答えしかねます。
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ハムフェア2014見物

2014年08月28日 | 無線系全般
今年もハムフェアに行ってきた。
夜はもちろん飲み会。

hamlife.jp によると、この中で2日間ののべ入場人員が34,000名(初日:23,000名、2日目:11,000名)と発表。東京ビッグサイトで2日間の開催となった2002年以降のハムフェアにおける入場者数の記録を更新した・・・のだそうで。
(正直な感想としては、例年より人数がいた感じはしないのだけど)


アンリツさんのハムクラブブースでは、私の仲間が持っていたデジ簡を繋いでアイパターンを見せて貰いました。
そのオアソビをやっている時、ミョーな人だかりが出来ていた。(会社側に対しては、「ほら、こんなにブースが大盛況なんですよ」と言えるわけだ)




トラ技、というかCQ出版社のブースでは、フルデジタルトランシーバーTRX-305 の実験機の展示があった。
ダイヤルやVOLツマミ、メーターがどっかの会社で出してる広帯域受信機と同じに見えるんですけど(笑)、中身作ったのって実はソコの会社なんでしょ?
実験機にしてはずいぶん強気な値段でしたけど手間暇は掛かってるんだろうな。




ラジオライフでおなじみのJJ1YQFの移動運用中。
おぐりゆか嬢。
名物編集者S氏も。




ニッポンのオトーチャンがた、お待たせしました!
おやくそくのコンパニオンの皆様でございます。
はい、そこ!「俺は右だな」とか「俺は左だな」とか言わない!


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