無線脳の視点

無線関係のモノ・ヒトに毒された日常を地味に書いてみる。

X-boxのAC電源アダプタを無線設備用に有意義に流用する

2021年05月27日 | 無線機器
久々の記事更新なのである。
昨今の各種SNSの台頭により、掲載するネタを考えたり記事をまとめたりという一連の流れが面倒おっくうになっていたのだけど、そろそろゆるゆると何回目かの再始動をしてみようかなと思い立ち、ネタの一つとしてヤフオクでジャンクなモノを調達してみた。というのも、別なSNSのほうで「某リサイクルショップでX-boxの電源あったから買ってみたらそこそこ使えそうだよ」という情報から「そんな程度の加工ならおいらもちょっくら手を出してみっか、お安いし」という単なるノリの一部でもあった訳だ。

入手したAC電源アダプターの規格は以下の通り。(この銘板はまだ自分の肉眼で読み取れるレベルの文字である)

型番 HP-A1502R2
入力 AC120-127V
出力 DC12V12.1A , 5V1A


値段は私が入手した時点で約1,000円。
銘板を見ればお分かりの方もいらっしゃることとは思うが、マイクロソフト社のゲーム機 X-box のAC電源アダプターである。
これを何のためらいも無く開腹して中身を確認してみると、何のことはない普通のスイッチング電源なので、「これ、DC12Vだし無線用にそこそこ使えそうじゃん」と判断できるのだ。


ただ、世の中には「無線用の電源電圧は13.8Vと決まってる!それを12Vだなんて」という規格原理主義みたいな意見を強く主張する方もいらっしゃることは100も承知の上での内容なので、絶対13.8Vが必要だという向きは、ちゃんとした安定化電源装置をそれなりのお金を出して買って使っていただきたい、といったところだ。12Vで12Aの電源容量があれば、アマチュア無線機のV・UHFでハイパワータイプのモービル機なんかでも十分使えるはず。
しかし、この電源アダプタ、12Vの電源として使うにはいくつかのハードルが存在している。

ハードルその1
「ピン足の配置について」

このカプラーに見える電極の端子は8つ、このピン足がどういう役割をしているかを解析する必要があるのだが、開腹した電源基板を確認してみるとご丁寧に基板に書いてあるので悩む必要は無し。
結線を見てみると、
 +12V電源線
 +5V電源線
 電源起動線
 マイナス極
これだけである。

ハードルその2
「電圧、変えられないのか問題」

見ての通り、無負荷状態の電源電圧は12.3Vを示している。
スイッチング電源の基板上には必ず付いているであろう意味ありげなVRも存在している。
当然ながら「これ、ちょっと回したら電圧、変わったりするんじゃね?」と思うのが人情ってところ。しかし右に左にと動かしてみたところで電圧は微動だにしないのである。
「じゃぁさ、いろいろ定数を左右する用の誤差が小さい抵抗ってあるじゃん?!」ってところまでは思いつくものの、自分はスイッチング電源をイタズラしていて小爆発させたトラウマがあるのでこれ以上は触れないでおくことにした。

上記二つのハードルを軽く乗り越えたところで、「どうやって電源として使うのさ?」というところまで来たのでここで答えを。



電源プラグの上の細い2極のところに1kΩぐらいの抵抗をジャンパすると本体側にあるLEDランプがスタンバイ状態のオレンジ色から緑色に変わり、電源が投入される。
あとの6極は真ん中の3列全部がプラス極、下の3列全部がマイナス極、ただそれだけなのだ。
あとは配線を適宜ぶった切って電源オンオフスイッチを取り付けるなり抵抗をかましたまんまにするなりお好きにどうぞ、という感じである。
私は所有するあらゆる無線設備に POWERPOLE という電源コネクタを多用しているので、当然ながらその加工をして電波浴遊びに実戦投入するのである。電源電圧13.8Vにはこだわることなく、12Vで出来ることを楽しむのだ。
コメント
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