国土交通省の持つ移動通信システムで、Kensetsu Communication System for Mobile Station、略称 K-COSMOS という装置があった。一言で言えば、無線を使った国土交通省内の内線電話のようなものである。
このK-COSMOSは、平時からNTTの有線電話回線に頼らず、旧建設省の頃から脈々と運用されているマイクロ回線や多重無線回線を活用しながら、全国津々浦々、国土交通省の役所内インフラで通信が自己完結でき、音声通信が主体のものはマルチチャンネルアクセス(MCA)方式を用いた無線通話を行っていた。割当周波数のある390MHz帯では常に制御信号の電波がギャース!ギャース!って鳴っていたものだ。
このK-COSMOSは平成4~5年頃から運用が始まり既に20年が経過し、メーカー側からしたら積極的に保守・維持管理をしたがらない段階に来ている訳で、しかもそこらの中高生ですらネットを使って画像や映像伝送が出来るようになった今の時代、普段はさほど使いもしない大層なシステムを維持する意味が無くなってきた・・・というところにあったのだが、そんなシステムが脚光を浴びたのが平成23年に発生した東日本大震災であった。震災の被災地が複数の県かつ広範囲にわたり、太平洋沿岸部では電源を喪失し有線回線も断絶、バタバタと使えなくなっていく地上の携帯電話の基地局がゴミと化していく中、国土交通省が非常用に配備していた衛星携帯電話と共に活躍したのが、山上と、堅牢な河川・国道事務所などの自立鉄塔に基地局機能を設置したK-COSMOSだった、という訳である。
高い周波数を使うことが技術的にも難しく、あっても高価で故障も多かった昭和40年代、役所が使う連絡用の無線は回路が簡単な60MHz帯が多く用いられていたが、昭和50年代ともなると半導体技術がどんどん良くなり安定してきたため、移動局の無線設備は150MHz帯が主役に。平成も30年となろうとしているこのご時世、使い勝手の良い150MHz帯の無線をあまり大がかりにせずデジタル化して再整備してしまおう、という流れになった。K-COSMOSがモシモシハイハイの1対1の内線電話式であることに対し、K-LAMBDAは基本的には1対nの通信、ということである。(これ、あくまでも私の見てきた無線業界感であり私見です)
それが「国土交通省デジタル陸上移動通信システム Kokudokoutsuu LAnd Mobile system By Digital Access K-LAMBDA(K-λ)」である。
総務省の公表している技術基準適合証明を受けた特定無線設備の型式の情報を拾ってみると、K-LAMBDAの仕様は
電波型式 5K80 F1D,F1E (4値FSK ARIB STD-T102準拠)
割当周波数 146.34375MHz ~ 146.37500MHz (6.25kHz間隔6波), 146.76875MHz ~ 146.78125MHz (6.25kHz間隔3波) , 150.85625MHz
送信出力 移動局5W~10W , 基地局20W
アクセス方式 SCPC
というもの。
「この規格、最近よく見かけるなぁ、白いアレを使ったらどうにかなるんじゃないかなぁ」と思った人は勘の良い人です。
「おや?こんな所に白いアレがあるー」という人、ぜひお試しあれ。
(※裏の声:長押し不要)
このK-COSMOSは、平時からNTTの有線電話回線に頼らず、旧建設省の頃から脈々と運用されているマイクロ回線や多重無線回線を活用しながら、全国津々浦々、国土交通省の役所内インフラで通信が自己完結でき、音声通信が主体のものはマルチチャンネルアクセス(MCA)方式を用いた無線通話を行っていた。割当周波数のある390MHz帯では常に制御信号の電波がギャース!ギャース!って鳴っていたものだ。
このK-COSMOSは平成4~5年頃から運用が始まり既に20年が経過し、メーカー側からしたら積極的に保守・維持管理をしたがらない段階に来ている訳で、しかもそこらの中高生ですらネットを使って画像や映像伝送が出来るようになった今の時代、普段はさほど使いもしない大層なシステムを維持する意味が無くなってきた・・・というところにあったのだが、そんなシステムが脚光を浴びたのが平成23年に発生した東日本大震災であった。震災の被災地が複数の県かつ広範囲にわたり、太平洋沿岸部では電源を喪失し有線回線も断絶、バタバタと使えなくなっていく地上の携帯電話の基地局がゴミと化していく中、国土交通省が非常用に配備していた衛星携帯電話と共に活躍したのが、山上と、堅牢な河川・国道事務所などの自立鉄塔に基地局機能を設置したK-COSMOSだった、という訳である。
高い周波数を使うことが技術的にも難しく、あっても高価で故障も多かった昭和40年代、役所が使う連絡用の無線は回路が簡単な60MHz帯が多く用いられていたが、昭和50年代ともなると半導体技術がどんどん良くなり安定してきたため、移動局の無線設備は150MHz帯が主役に。平成も30年となろうとしているこのご時世、使い勝手の良い150MHz帯の無線をあまり大がかりにせずデジタル化して再整備してしまおう、という流れになった。K-COSMOSがモシモシハイハイの1対1の内線電話式であることに対し、K-LAMBDAは基本的には1対nの通信、ということである。(これ、あくまでも私の見てきた無線業界感であり私見です)
それが「国土交通省デジタル陸上移動通信システム Kokudokoutsuu LAnd Mobile system By Digital Access K-LAMBDA(K-λ)」である。
総務省の公表している技術基準適合証明を受けた特定無線設備の型式の情報を拾ってみると、K-LAMBDAの仕様は
電波型式 5K80 F1D,F1E (4値FSK ARIB STD-T102準拠)
割当周波数 146.34375MHz ~ 146.37500MHz (6.25kHz間隔6波), 146.76875MHz ~ 146.78125MHz (6.25kHz間隔3波) , 150.85625MHz
送信出力 移動局5W~10W , 基地局20W
アクセス方式 SCPC
というもの。
「この規格、最近よく見かけるなぁ、白いアレを使ったらどうにかなるんじゃないかなぁ」と思った人は勘の良い人です。
「おや?こんな所に白いアレがあるー」という人、ぜひお試しあれ。
(※裏の声:長押し不要)