無線脳の視点

無線関係のモノ・ヒトに毒された日常を地味に書いてみる。

サルフェーションだとかデサルフェーターとかバッテリーパルサーとか(その2)

2015年03月25日 | くるま
サルフェーションだとかデサルフェーターとかバッテリーパルサーとか
この↑エントリーが長くなってしまったので、気分を変えて続編としてその2に突入である。

自動車用途に代表される液入りの鉛バッテリーは、使用状況によって劣化が進むと容量が低下して使い物にならなくなり寿命を迎える・・・とされているが、鉛バッテリーの化学変化の理屈からすると、どうも復活出来なくも無いみたいだよ~てなことで、「一年中なにかの花粉にアレルギー ~資格とBRZと電子工作のひけらかし~」というブログで、電子回路設計やキットの頒布で活躍しておられる、尊敬すべき猛者の協力を得て、鉛バッテリーの復活実験と検証を行っているのだった。

さて、いま着手している検証について。
コイツは、未使用・新品なのに誰からも気にされないまま倉庫から発掘された、完全放電状態のGS-YUASA製 PRODA BASIC 130E41R っていう大型バッテリー。



とりあえずAC-DELCO製バッテリー充電器のAD-0002で普通充電してみっか・・・と充電器をかけてみたら、予想通り、「ゲホッゲホッ、なんだコイツ、充電できねーッスよ」と言わんばかりにエラーを表示。
気を取り直して、AD-0002に標準搭載されているメンテナンスモードで充電できそうな状態まで持っていき、いざ充電をしてみると、充電満了の「FULL」と自動終了した時点で、下記のような残念な数値を表示。

・HEALTH(健全度)03%(笑)
・INTERNAL(内部抵抗値)22.1mΩ(笑)
・CCA値 135CCA(笑)

こんなにデカいのにスクーター用のバッテリーかよっ!ってぐらい、息絶え絶えな状態。
これに例のデサルフェーター回路を取付けて、はたしてどこまで復活するものなのか?!
もし、復活もしくは少しでも劣化を抑えることが出来てしまうのなら、バッテリーカートとかフォークリフト、大規模な無停電電源装置などを保有する事業者に朗報になってしまうのでは?

乞うご期待!!って誰も期待してない?!・・・

<現在実施中の検証条件>
検証対象 GS-YUASA製 PRODA BASIC 130E41R
印可電圧 14.0V
使用回路 尖頭電圧約90V・22kHz版のヤツとか尖頭電圧40V・18kHz版とか。(通称:Ver.2.4 検証用白基板・緑色の基板など)
検証開始 2015年2月2日

で、基板取り付けて1か月ほど経過したし、そろそろ途中経過でも載せようかね。
その間、水やりを2回ほど実施。少ない電流であっても常に充電状態なので、ガスが出た分に応じて電解液も減っていくのですな。

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2015/03/02 追記



・HEALTH(健全度)11%
・INTERNAL(内部抵抗値)12.8mΩ
・CCA値 230CCA

素直な感想。
何せ、新品から何年も放置されて存在をすっかり忘れ去られ、自然放電しきった状態のもの(≒廃棄物)から考えると、何もしないよりは、いくらか数値は改善したかなーという感じ。でっかい図体してるのに、軽自動車で数年使った状態の40B19程度の容量しかないのが残念。
このまま検証(回路を繋いで放置)を継続するかどうか、迷うところであります。
(と言いつつ、期待を込めてまだやってるけど)

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2015/03/24 追記

24V車から外したGS-YUASA製のUNISTAR、85D26Rが回ってきたので、下記のような手順に従って再生検証を開始。
受け入れ → 液面チェック → AC-DELCO AD-0002 で標準充電 → 一晩放置 → 検証スタート



デサル基板の取付前、検証直前のバッテリーアナライザーによる結果

・HEALTH(健全度)83%
・INTERNAL(内部抵抗値)6.2mΩ
・CCA値 480CCA

今回は、じわじわと電圧を印加・充電する用に、APC社製の無停電電源を使ってみる。
この無停電電源(UPS)は、バッテリーで大型液晶テレビとか簡単な家電を使う実験をしようと思って、格安でヤフオクから入手したものだ。
(これはこれで十分楽しく使えますよ)


デサル基板を取付けて検証を開始し、48時間経過した状態でバッテリーアナライザーによる計測した結果

・HEALTH(健全度)100%
・INTERNAL(内部抵抗値)5.5mΩ
・CCA値 540CCA

そこから、さらに24時間仕掛けてみた結果。

・HEALTH(健全度)100%
・INTERNAL(内部抵抗値)5.1mΩ
・CCA値 575CCA

どうです?
この中古バッテリーの性能そのものが復活しているかどうかは別として、バッテリーアナライザーによる計測結果は、着手前から比較して数値的に改善していると判断して良いようです。
そして、今回の検証実験に使ったバッテリーは、前出の通り24V車から外したものなので、未着手のバッテリーはもう一個あります。コイツも今回と同様に検証実験して、同じように数値が改善するか確認してみますかね。(写真で写っているバッテリーのうち、奥側が今回着手したもので、手前側は未着手)
同様に数値が改善するようであれば、「やっぱし古バッテリーにパルスを与えて充電すると良いことがあるみたいだわ」と判断できます。

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2015年3月30日追記

先に投稿したGS-YUASA製のユニスター85D26Rの復活劇、検証ついでにもう一方の片割れを着手前・着手後で比較。

・HEALTH(健全度)85%
・INTERNAL(内部抵抗値)6.1mΩ
・CCA値 485CCA

これが、土日の週末を挟んでデサル基板を仕掛けて放置していた結果がこちら。

・HEALTH(健全度)100%
・INTERNAL(内部抵抗値)5.1mΩ
・CCA値 585CCA

数値上、改善効果が出てるでしょ?
新品状態!と言ったら大げさだけど、こうして自ら検証したバッテリーなら、自己責任の範疇で自分で使う分には十分満足できるレベル。(しかし自分のクルマのバッテリーは左右逆の85D26L)


デサルフェーターによる検証について、ここまでのまとめ。
・普段からそこそこ使ってたようなバッテリーには効果が期待できるかも
・じっくり時間をかければ、(ディーラーやGSなどで)バッテリー劣化と診断されたバッテリーでも、そこそこ復活するっぽい
・自然放電によって完全放電してしまったバッテリーは、劇的な改善を期待しちゃいけない

※おことわり
このバッテリー充電・復活遊びは、こちらが「うぇーい!改善効果が出たにゃー!」と勝手に面白がってるだけですので、「そんなのウソだーい!」と疑念をお持ちの方に対する明確な答えは持っていません。また、科学的・化学的な根拠等についての議論をするつもりもありません。(もしコメントをいただいてもスルーします)
そして、この検証遊びで使用しているバッテリーアナライザーは、容量・規格の選択と解析実行しか操作ができないので、数値の捏造なんぞは出来ません。(こんな安モノ測定器での計測で出た結果の数値自体も、はたして正確なものかどうかも分かりませんし)


2015/10/25追記
このエントリーも長くなったので、気を取り直してその3へ↓
サルフェーションだとかデサルフェーターとかバッテリーパルサーとか(その3)

KeyWords
サルフェーション バッテリー再生 デサルフェーター デサル バッテリーパルサー CCA テスター 内部抵抗 比重 パルス充電 自作 キット
コメント (3)
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「マイレピーターワッチ宣言(仮称)」の提案

2015年03月11日 | 無線系全般
1.「マイレピーターワッチ宣言」提案の背景
平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、太平洋沿岸地域が広範囲にわたって被災し、平時のインフラである電源や通信手段が寸断された。本来ならば直ちに支援活動が出来る体制になっているはずの官公庁も大きく被災し、被災状況の把握や安否確認に支障を来した。この状況の中、アマチュア無線の資格を持ち、通信が出来る状況にあった被災地の一部の人たちは、所有するアマチュア無線機器を利用して非常通信を行い、被害の影響が少ない遠方へ被災状況を伝えるとともに救助の要請が出来たという事例があった。

大規模災害時は、通信インフラが輻輳し、携帯電話やインターネットなどが使えなくなる場合があり、さらに、停電などで機器そのものが使用できなくなる場合も考えられる。そこで、バッテリーなどの電源と最低限の設備さえ確保出来れば、平時のインフラに依存せずに通信が可能となるアマチュア無線の中継局(レピーター局)をよりどころとして、「ここの周波数を使えば、誰かが聴いていてくれて応答してくれる」や、「被害の少ない遠方のアマ無線仲間と通信が出来る」という通信伝達環境を日頃から整えておくことが肝要である。

2.日頃からレピーター局を利用する
レピーター局は、直接、当人同士が通信出来ないとき、レピーター局を介し、局と局の間を取り持って通信を中継するという用途に使われている。その際、出来るだけ広範囲で利用出来るようにするため、高台やビルの屋上など、電波が飛びやすいところに設置されている。
通信する端末も、自宅に設置した固定局だけでなく、車載型やハンディ型の無線機であっても、最低限、レピーター局まで電波が届けば、レピーター局の電波が届く範囲で通信が可能である。日頃から一般のアマチュア無線家がレピーター局を利用していれば、通信が可能なエリアは、ある程度把握しておくことができ、自分の居場所・運用地によって、条件の良いレピーター局を選択して運用することも可能である。

3.「いつもここを聴いているよ」を「宣言」する
例えば、内陸部に住むA局は、沿岸部に住むB局とはアンテナなどの条件を整えれば直接通信ができるが、レピーター局を利用すれば良好に通信が可能になり、市街地に住むC局は、ハンディ型の無線機しか無いが、レピーター局を利用するとA局ともB局とも良好に通信が可能だとする。こうした条件のときにお互いが通信をしようと思ったとき、同じレピーター局で待機していれば通信が実現するが、当然ながら、各人が、あらかじめ「いつも439.**MHzを聴いてるからね」と分かっていることが前提となる。

この、平時におけるレピーターの待機周波数の示し合わせを、「マイレピーターワッチ宣言」と称し、日頃はJARLの支部大会などで宣言者を募集、賛同者のコールサインと周波数リストを、支部ホームページ上や支部報などに公表しておき、「いざ!」というときだけでなく、普段の各局同士が連絡を取る手段、コミュニケーションツールの一つとして利活用することで、アマチュア無線局の運用を活性化するきっかけにしたいと考える。

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上記のような提案を2年ほど前に作成し、JARL登録クラブ代表者会議などで配布したことがあった。
「停電しても使えるようなレピーターでないと連絡取れないじゃん」とか「メインチャンネルの存在はどうなの?」という意見もあるだろうが、主な趣旨は、「手軽な設備で他局と連絡が取れる可能性が高く、通信手段としてサービスエリアが広いレピーターを有効活用しよう」という部分であって、各自が手軽に連絡が取れるのであれば、短波帯だろうがV・UHF帯のシンプレックス通信だって構わないのだ。
もちろん、「常にレピーターを聴いていろや」というワケでは無く、「震度○以上あったらとりあえずスイッチを入れるね…」という形でも、事前にお互いが申し合わせをしておけば何ら問題は無い。

震災から今日で4年が経ち、東日本大震災被災地の一つの宮城県で第3回国連防災世界会議も行われるということもあって、あらためて、アマチュア無線仲間同士の横のつながりというか、連絡体制のようなものの構築に取り組んでみるのもどうかな?と思い、当ブログに転載してみたのでした。

「私は、仙台市在住です。大規模災害の発生時は主に 439.72MHz または 439.62MHz のレピーターを聴取します」

ま、こんな↑具合で自己主張。
仙台市青葉区台原に設置してある439.62MHzレピーターは、停電時でも自家発電経由で電源が供給される系統に接続されているそうです。(設置場所が病院ですし)


キーワード: 非常通信 震災 大規模災害 通信手段 アマチュア無線 レピーター 中継局 ワッチ
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351MHz帯デジタル簡易無線(登録局)の移動範囲に「日本周辺海域」が追加(追記)

2015年03月11日 | 無線機器
特定小電力トランシーバーよりも出力が大きく、通信範囲も広くて使い勝手の良い351MHz帯デジタル簡易無線(登録局)であるが、この無線機器は、移動して使える範囲は、「全国の陸上および上空」と「全国の陸上」と定められていた。今まで陸上に限定されていたものを、省令の改正により海上レジャーでも使えるようにと、移動範囲に「日本周辺海域」が新たに加わることになった。


官報による告示(平成26年 総務省告示 第381号)
(官報の画像は hamlife.jp からパクりました)

どれどれ、電子申請で移動範囲の変更でもすっかなと思って改めて無線局登録状を見てみると、「無線設備の設置場所若しくは無線設備を設置しようとする区域または移動範囲」の欄は、関東総合通信局から沖縄総合通信事務所までの「総合通信局」となっているので、最初から陸・海・空の区別は無かった。



あれ、申請の時どうだったっけ?と思って、電子(登録)申請の入力ページを見に行ったけど、やはり、移動範囲の選択に陸・海・空の区別は無く、届いた無線局登録状にも画面で入力をしたとおり、全国の総合通信局が掲載されている。(ま、当然だわな)
「総合通信局の管内というのは海上も含まれているんでないの?」という疑問が発生するが、今のところ自分は海上で使うような機会があるわけでは無いので、仕事で出向いた時に折を見て総通さんに確認してみよう。

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2015/3/11 追記

今のところ海上でデジ簡を使う予定は無いのだけど、移動範囲が各地方の総合通信局管内が移動範囲になっている場合の海上運用について、総通さんの担当者に見解を確認したのでメモ。

結論から言うと、
・海上で使う場合は、「日本周辺海域」を登録状に記載する必要があるので、登録変更申請をしてください
 (心の声:えーと、電子申請では入力の項目が無いから困ってたんですけど・・・)
・移動範囲を「総合通信局管内」と指定する場合、範囲はあくまでも陸上を対象にしています
・移動範囲については、申請時の内容の転記ではなく、登録状を発行するときに使うテンプレートの他に、任意のテキスト入力が出来るのでそれで対応します
・機器を購入したときに付いてきた登録申請用紙を使う方が大半なので、(住基カードを使う方式の)電子申請システム経由で個人の方が申請する例は希な事例でした
・電子申請のシステム担当に対応を依頼しておきます

ってなことで、現状のこの無線局登録状の内容では海上運用は「アウト」でした。
コメント (2)
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