今日松坂屋美術館で開催中の『愛と青春のアトリエ 洗濯船(モンマルトル)と蜂の巣(モンパルナス)』で観たモディリアーニの女性像(青い背景の娘)。
小首をかしげていようと、首が異常に長かろうと、じっとこちらをむいているのには、思わず見つめ返してしまいます。
あっさりと描いてあるように見えますが、半身像からは生身の人間の温かさを感じます。
両目に注目すると、キャッチアイが描かれています。
何故か右目がリンゴ型が一つ、左目が斜め横向いたアーモンドが縦に2つ。
すぐ近くに置いてあったモディリアーニ作のブロンズの女性のお顔。
なんとキャッチアイの形、数が絵画と同じです。
その後行った名古屋市美術館。
常設のモディリアーニ「おさげ髪の少女」のキャッチアイはどうかとじっと見れば。
右目がリンゴ型が一つ、左目が斜め横向いたアーモンドが縦に1つと、数の違いはあれどよく似ています。
左右のキャッチアイの形が違うことで、描かれている人物からは、複数の人格を感じます。
そんなところにも、モディリアーニが描く女性像の魅力が膨らむんでしょうね。
ところで、松坂屋美術館ではモディリアーニのブロンズ像を囲む壁面に、ブランクーシが撮った自身作の彫像や、自写像が展示してあります。
そこに掲示してあるキャプションによれば、『(ブランクーシは)生前、作品の解釈や見方に他人が介入するのを認めなかった。自分が撮ったネガからでないと出版を許さなかった。』とあります。
彫像作家としては、当然の気持ち、行動だと思います。
それだけ自身の作品に愛着を持ち、伝えたいものを込めていたのでしょう。