クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

土井隆志さんが語るジル・サックシックの絵の世界

2017年10月01日 19時53分52秒 | 美術展
初めて聞く画家の名前“ジル・サックシック”。
昨日から名古屋画廊(名古屋市中区栄)で開催が始まった『ジル・サックシック展 -深く静謐な世界を描く執念- 』の関連講演会が、名古屋市千種区池下町のカルチェ・ラタンで行われました。

講演するのは美術評論家の土井隆志さん。
まずはアトリエでの画家の制作の様子を撮った25分の短編映画が流れます。
2人の監督(ストーリー、映像)が創ったとあって、生き生きとした映像の流れが素敵です。

画家は1942年にパリで生まれ、今75歳。
絵は独学で、美術館の絵を見て描き方を学んだ画家。
13歳の時に家にある油を使って描いたといいますから早熟です。

画家は作曲家でもあるとのこと。
弦楽四重奏(第一、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)曲の作曲では、1音ずつ4つの楽器の音を決めてから次の音に進むといいますから、絵を描く時と同じように細かな単位で精緻な作業を積み上げて全体の調和を生み出すようです。

画家の静物画や風景画には、『向こうに行きたいが、何か途中で邪魔するものがある。』と感じる土井さん。

『光が無いと、絵描きはやっていけない。』と、画家のアトリエには開口部の大きな窓からガーゼ風を通した明るく柔らかな光が注ぎます。

画家が最も大事にしてるのは、光のグラデーション。
明るい光、暗い光それぞれの豊富な光のグラデーション。
そういった光の階段は、画家の子供の頃の心持ちの投影。

画家が描き出すのは物ではなく、画家の心。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 72歳の疲れ知らずの頑強な体 | トップ | 『男性は色を大事にしよう! ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術展」カテゴリの最新記事