ジェイムズ・クリステンセン
この画家は本物の画家だが、嫉妬されているらしい。何らかの迫害を受けているのだろう。傷ついた魂が絵の中に見える。
本霊は活動しているが、非常に疲弊しており、高い存在がそれを援助している。ゆえにこの絵には神の愛がこもっている。
この時代ほど、本当の人間の魂がむごくいじめられる時代はない。馬鹿ではなく、高い表現力を持っているこの画家を、かなり愚弄している者がいる。この聖アポロニアが顔を背けているのは、そういう世間の馬鹿どもの醜い姿を見たくないからだ。
アポロニアはキリスト教の殉教者だ。歯を全部抜かれるという拷問を受けた。拷問にもいろいろあるが、これほどいやらしい拷問もあるまい。馬鹿は傷ついた魂を見ると、ことほどさように嫌らしいことをする。その人間の最も弱く最も大事なところを、集中していじめる。
この絵は馬鹿に迫害される人間の魂が、静に収縮していく活動を、神の愛がかろうじて支えている、その姿を現すものなのである。