針男という男がいる
鉛の針のように細く
冷たく
強欲で
愛したことなどほどんどない
女と結婚したことなど
一度もない
遠い遠い昔
アダムがイヴをだましたよりも
昔
そいつは
ひみこのような女を殺したことがある
ただ
女の方が弱いからという理由だけで
そいつがそんなことをしたので
すべての男がそのまねをして
女を馬鹿にし始めたのだ
女を支配して
てごめにしても平気になったのだ
人類の暗黒の時代は
針男が女を殺したことから始まった
ゆえに針男には
永遠に女が授からない
だれも寄って来てくれない
女がいない針男は
何をしたこともない
女がいるからこそできる
大きなことなどしたことはない
ただ業突く張りで
人のためになど何もするものかという顔で
威張り散らしている
いやなことばかりしている
永遠に
馬鹿な小人のままでいる
阿呆というものは
できるからと言って簡単にやるものだ
それで永遠を失う
愛を
膨大に失う