「慰安婦問題の解決なくして、韓国の歩み寄りはない」
一貫した、朴槿恵韓国大統領の主張である。
▲朴槿恵韓国大統領
【産経】韓国議員団が竹島上陸
http://www.sankei.com/world/news/160815/wor1608150008-n1.html
それが、尽く裏切られた話であった。前にも主張したが日本の保守論客には、「(日韓慰安婦合意事項の)10億円ぐらい、手切れ金として支払ってやればいい」という主張が多すぎる。それで解決できないなら慰安婦問題は韓国の国内問題であると。
しかしそれは、本質を直視しない思考停止であるとの事が、俺の主張であった。
そもそも、10億円支払って、日本が得る果実とはなんなのか。
それは、韓国の西側復帰である。中国に対する西側防衛圏の再構築のはずであった。
いわゆる「反共の防波堤」というやつで、共産国家に対する防衛ラインとしての韓国という位置づけのはずだ。無論、これはカビの生えた冷戦時代の論理であり、今や不要な配慮なわけだけど。
アメリカは、日韓を両方とも未だに「自陣営」と考えているのだ。韓国の日本への歩み寄り、関係改善は、自陣営への修復処理であり、フォローだと考えている。
ところが、結果はどうであろう?
韓国は結局、慰安婦日韓合意ではなんの約束事も履行できなかった。慰安婦問題は、海外ではむしろ韓国政府の中途半端な態度のせいで態度が硬化した上に激化した。
さらに、韓国国内で政府主導の歴史問題叩きが減じた結果、韓国国民のフラストレーションが爆発してしまい、慰安婦以外の歴史問題で反日を煽り、バランスをとるしかなくなったのである。
これが、今回の竹島強行上陸に繋がった。
日韓関係は、安倍政権発足以来で、最高に悪化していると言って良い。だいたい、5月に日本で開催されていた伊勢志摩サミットに韓国が出席しなかった点でも、日韓慰安婦合意が機能していない事を示している。
今後、日韓関係は悪化こそすれ修復には向かわない。年末までにと期限が切られている朴槿恵大統領の来日計画も、俺は実は怪しいと考えている。
あの朴槿恵大統領に、そこまでの社交性は求められないだろう。
明らかに、日韓合意を引き金に、裏目に出ている現在の日韓関係の悪化。アメリカは良かれと思って日本を動かしたのだが、それは火に油を注いだだけに過ぎない事が、アメリカにも理解できたはずだ。
そして、日韓慰安婦合意は無駄だったのかというと…。これもちょっと前に書いたが、日本にとっては無駄ではなかったのである。
アメリカに「日本は従順に従ったのに、韓国は従順に従わない」と思わせる事が大きい。
政治問題というものは、突如化学変化的に関係が崩壊するなんてことは、少なくとも戦後秩序上はない。徐々に徐々に、韓国の必要度合いが減じていくのだ。
そして、如何にも自然に、アメリカが韓国と、これまでの間柄を継続するように見せながら「プチッ」と「事実上切れたも同然」という状況にする。
このままであれば、確実に韓国がちゅうぶらりんになる日が来る。
その状態から数年が経過して、韓国はいつの間にか、アメリカという後ろ盾が中国にすり替わっている事に気がつくのである。
その頃になれば、韓国系アメリカ人が慰安婦問題関連の韓国の主張を見限っていて、自分達のルーツに嫌悪感を感じているのが理想的。いわば韓国版のウォーギルトインフォメーションプログラム。日本の場合、嘘を信じ込ませる方針だったわけだけど。韓国の場合、真実を突きつける方針となる。
このネット社会でなら。やれると思うんだよな…。そして事実、俺はその方向で世界が動いているように思っている。長年積み上げていたとは言え、所詮嘘が立脚点なのだ。
韓国人が、アメリカ人にとって害のある民族なのであれば、いずれ必ず正常に戻ろうとする力が発生する。
そんなわけで。盧武鉉大統領の頃からかなぁ。韓国は自滅の道を歩んでいると思うのだけど。今も順調に地獄道である。
株というものは、基本的に大暴落にさえ巻き込まれなければ儲ける事はできると思うのだけど。国際政治についても、同じ事が言える。
大切な事は、沈む韓国に手を差し伸べたりすると、日本も一緒に沈む可能性があるということだ。
政治家たちは、果たして気がついてくれているのだろうか…。
人気ブログランキングへ ※応援よろしくお願いします!
「慰安婦」問題・日韓「合意」を考える (彩流社ブックレット)