重陽(ちょうよう)は、五節句の一つで、9月9日のこと、旧暦では菊が咲く季節であることから菊の節句ともいわれています。
陰陽思想では奇数は陽の数であり、陽数の極である9が重なる日であることから「重陽」と呼ばれますが、奇数の重なる月日は陽の気が強すぎるため不吉とされ、それを払う行事として節句が行なわれていて、九は一桁の数のうち最大の「陽」であり、特に負担の大きい節句と考えられていました。
後、陽の重なりを吉祥とする考えに転じて、祝い事となりました。
邪気を払い長寿を願って、菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝ったり、前夜、菊に綿をおいて、露を染ませ、身体をぬぐうなどの習慣があったようです。
夢二の生家では、今年も秋の催しのなかで重陽が紹介されます。
鶴屋吉信の菊もようでお祝いすることにしました。
抹茶羊羹の上に曙色を重ね、黄色と紫色の菊をおいて、透明の寒天で覆ってあります、日本古来の色襲が美しくて見事、青磁の器にあわせてみました。
菊紋様のお菓子といえば鍵善良房のお干菓子菊壽がすきですが、広島では手に入らないので、とらやの最中弥栄を求めました。
漆の器によく映えます。
最近は洋のものやかわいいものにシフトしてきましたが、昔は伝統的な和の渋いものがすきでした。
同じとらやのこがねぎくです。
和菓子で楽しむ重陽の節句ですが、菊にちなんだものを探していると、市松人形の縮緬の着物の柄に菊があしらわれていました。
メイの縮緬の着物も菊のもようです。
藍染のティーマットの菊もよう、小さなほたる焼の湯呑のなかにも菊が描かれています。
久しぶりに玄関も和のしつらいにしてみました。